黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

三池炭鉱 #15:生山坑

2014-02-07 02:09:50 | ・三池炭鉱
シリーズでアップしている三池炭鉱。
現存してはいるものの、まだ文化財等に指定されていないもの、
すなわちいつ解体されてもおかしくないが、
活動の如何によっては、
文化財として後世に伝えられる可能性のあるものをアップしていきます。

その2つめは生山(いもうやま)坑です。

三池炭鉱

前回アップした龍湖瀬坑同様、
江戸時代に既に藩営の坑道として開削されていた坑口です。
画像の左寄りに全開アップした龍湖瀬坑、
右寄りの高取山の麓付近に生山坑がありました。
生山坑も龍湖瀬坑同様、
明治時代に入って官営の時代になっても創業した坑口でした。





三池炭鉱

現在では坑口などは殆どわかりませんが、
鬱蒼と茂る薮の中に、
他の古い時代の坑口にはない貴重な施設が残存しています。
「登治焼場」(とじやきば) と呼ばれる、
石炭を蒸し焼きにした施設の跡です。





三池炭鉱

殆どただの雑木林にしか見えない薮の中に、
確かに言われてみると、焼けこげた跡のある、
煉瓦造りの構造物が確認出来ます。
おそらく天井部分は崩落し、
左右の壁面だけが残存しているのだと想いますが、





三池炭鉱

左右の壁面の外壁部分を見ると、
小規模な煙突が立っていたであろうと想われる窪みが、
いくつも確認出来ます。

生山坑の詳細はまだ殆どわかっていない様ですが、
藩営から官営時代の三池を今に伝える、
とても貴重な遺産だと想います。

尚、生山坑は現在私企業の私有地内にあるため、
一般の見学はできません。
画像も大牟田・荒尾炭鉱のまちファンクラブ様を通して
許可を頂いて撮影したものです。

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