黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

東北地方太平洋沖地震

2011-03-13 10:38:49 | 廃景
去る3月11日の金曜日、
日本で観測史上最大規模の東北地方太平洋沖地震が起きました。

震災でお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りし、
また、被害に会われた地域の方々に、
お見舞い申し上げます。
一日も早い、復興をお祈り致します。


M8.8は、世界的に見てもワースト5に入るくらいの数値。
報道から目に入る光景は、
デイザスタームービーさながらの大廃墟の光景です。
東京は幸い壊滅的な被害は免れましたが、
部屋に戻ってビックリ。
部屋の中が埃の積もっていない完全廃墟状態。
テレビは台から落ちてるわ、PCはデスクから落ちてるわ、
本棚は絵に書いた様に倒れて、キッチンはぐちゃぐちゃ。
改めて震災の猛威を実感した一日でした。

翌日スーパーへ買い物に行くと、
棚ががらんどう。



パン、無し。







肉、無し。







ハム、無し。と思いきや、
リオナハム(パプリカ入りのハム)が残存。
最近棚に並びだしたアイテムですが、
隣のカップルの女性が手に取ると、
男性が「普通のがいいな」といって戻されてました。
かわいそうなリオナハム。
赤ワインと一緒に食べると、けっこう美味しいんだけどな~



カレーのレトルトも完売。
と思いきや、
最上段のタイカレー系のみ、かなり残存。





カップ麺&即席麺コーナーも、
カレーうどんとちゃんぽん以外完売。
やはり東京だから、
ちゃんぽんは残ってしまうんですね。
長崎だったら、まずちゃんぽんからじゃないしょかね?
とりあえずがらんどうの棚にあおられて、
ちゃんぽんをいくつか購入。

おもわぬシチュエーションで、
東京人の嗜好性が判明。


長崎の炭鉱島だった軍艦島は、
周囲を海に囲まれていたせいで、
海が時化るとライフラインがストップし、
何日も続くとやがて食料が尽きて、
缶詰生活が始まると聞いた事があります。

東京も、
目に見えないライフラインに依存した、
綱渡りの街なんだと、
今更ながら実感します。

Twilight

2007-12-30 16:27:27 | 廃景


年末なので徐々に沈む夕陽を毎日アップしようと思いながら、
仕事が忙しくままならなかったんで、
前の2日分は日付を操作しながらまとめて一気にアップ。

今日の画像は都庁の展望台から眺める西新宿とその先に広がる西東京。
今年は西新宿にはお世話になりました。


新宿花園神社の酉の市

2007-12-25 06:18:23 | 廃景


クリスマスも終わって、今年もあと一週間。
子供の頃は勿論、学生の頃もそこそこ楽しみだったクリスマスも、
気がついてみたら、
クリスマスということすら忘れてしまうようになってしまった。
言葉では使っていても、実感がわかないというか。
クリスマスに限らず、あらゆる年中行事が、
気がつくと終わってしまっている。

ただ唯一忘れないのは、酉の市。
新宿の花園神社で行われる酉の市には、
もうかれこれ25年位通い続けている。
年末年始の感じを味わう事も少なくなったこの頃、
酉の市へ熊手を奉納し、新しい熊手を新調したときが、
一年の区切りのような気がする。

花園神社の酉の市には、
現在、日本で唯一という見世物小屋が出店される。
学生の頃はじめて見た時は、かなり驚いた。
細い棒を叩きながら入口で口上を述べるおじさん、
その横で太鼓を鳴らす小人、
紅白のだんまくをくぐり中へ入ると、
100万人に一人といわれる、膝の関節が逆に曲がる女性を、
牛女と称してメインの出し物にしていた。
その他、生蛇を食べることと、ロウを口に含んで火を吹く事だけが芸のヘビ女と
ヘビを鼻から入れて口へ出すのが唯一の芸のハルちゃんの2人がいるだけで、
ショーは10分程度で終わり、出口で木戸銭を払って外へでる。

最近では酉の市へ行ってもそれほど見物しなくなったが、
新しいメンバーと行く時はやはり見世物小屋の話になり、
案内がてら見てしまうが、
最近見物した時は、もう牛女はいなかった。
亡くなったのだろうか。
今ではヘビ女とハルちゃんの代わりを務める若い女の人、
巨大なニシキヘビをステージに出して客に触らせる
大蛇さわりの3部構成になっていた。

酉の市の日の参拝客の殆どは、
歌舞伎町をはじめとした、新宿の北東地区で商売をしている人なので、
ダブルのスーツにパンチパーマの人の割合がかなり高い。
新宿ノーザンウエストとはまた全然違った表情の、
新宿の一面だと思う。


基盤都市

2007-08-31 06:58:00 | 廃景


昨日、一昨日と錆のイメージをアップして来たので、
今日も20年位前の錆のイメージ。

まだ暇が沢山あった20年以上前の頃、
京葉工業地帯から錆びたガジェットを拾って来ては、
部屋でマクロ撮影していたのを思い出します。
画像はなんかの機械の基盤。
ほんの10cm角くらいの範囲ですが、
こうして錆び付いた基盤を覗き込んでみると、
打ち棄てられた都市の空撮にも見えて来ます。



機械基盤同様、電子基板も、
緻密に設計された都市の風景に見えます。

できることなら、基盤都市の中を歩いてみたいものです。


運河の錆びた船

2007-08-30 02:07:49 | 廃景


最近連続してアップしている、
東京の江東区の20年位前の光景。
昨日アップした船とは別の鉄船の、船体の側面。
鈍い光を放つ太い鎖が、
何かの罪滅ぼしのような、
何か大きな過ちの証のような、
そんな印象を受けます。


運河の錆びた船

2007-08-29 15:01:15 | 廃景

江東区内に沢山の運河がある話は、
前回までの記事でアップしましたが、
運河といえば船。
建物同様、最近は運河も綺麗になったようですが、
以前は、使われなくなってぼろぼろに錆び付いた船が、
岸に沢山停泊していました。
「錆」にことさら興味があった20年位前には、
運河沿いを歩くだけで錆心を満喫させてくれるので、
よく散歩したのを思い出します。



錆で塗り固められた甲板のハッチ。






ハッチの上には、ハッチの開閉をじゃまするように、
総錆の鉄パイプ。

江東区の運河には、
その場所柄クレーン船が沢山停泊していました。
クレーン船は海上作業のためのクレーンを運ぶ船ですが、
クレーンがないと、ただ分厚い錆び付いた鉄板が水面に浮かんでいるだけで、
とても船とはおもえないルックスです。
鉄板だけなので、もちろん自航もできず、操舵室もありません。
そんな鉄板が並んだ深川の運河を思い出します。


Loop_01

2006-11-24 00:32:43 | 廃景


90年代の初頭、東京湾岸で撮りためた廃材の写真を切り刻んで、
再構築した図像をつくろうと思ったremixは昨日で終わりですが、
もう一枚ありました。

これは写真の一部分の同じ場所をつなぎ合わせて連続させたものです。
やはりremixと同様、手切り、手貼りでの制作ですが、
色調が少しずつ変化しているのにお気づきかと思います。

これはCMYのバランスを微妙に変化させてプリントしたものから、
程よいグラデになるように仕上がったものだけを選択して、
張り合わせているからです。

またまた音楽的な話をすると、
このころリミックスやサンプラーという言葉と一緒に、
ループという言葉も市民権を得てきていました。
ループというのは、
例えばドラムを叩いて録音した長い時間の音楽ファイルから、
1~2小節分位の所だけを独立した音ファイルにして、
それを延々と繰り返して流す、という手法で、
サウンドは生なのに、やたら規則正しく叩いてるな~
的な面白さがあって、当時巷でよく耳にしました。

◆ Remix ◆
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Remix_05

2006-11-23 03:05:26 | 廃景


90年代の初頭、東京湾岸をぶらぶらしては、
撮りためた写真を切り刻んで再度張り合わせて、
一つの図像にしていた時のものです。

もうネタが尽きてきたのか、
だんだん廃なものだけじゃなく、
レコードのジャケットや部屋で撮影したものなんかも、
いろいろ混ぜ始めてしまって、
結局ここで、飽きてしまったのと、
外で撮影するより、
素材を持ち帰って
部屋で多重露出とかしながら図像を造る方に興味が移って、
結局Remixシリーズはここでやめてしまいました。

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Remix_04

2006-11-21 07:05:53 | 廃景


90年の初め頃、
東京湾岸をぶらぶらしては撮りためた、
廃材や廃な景色を切り刻んでつなぎ合わせたシリーズ。

廃墟は、
どこから何処までが境界線かはっきりしなく、
でも、ある一定のところからはくっきり分かれていて、
その分離の仕方が、
普通の世界とちょっと違う感じがします。

この独特の混沌がつくり出す複雑な情報量が、
廃墟の魅力の1つかと思います。

マグリットという画家の作品に、
『白紙委任状』という作品があります。
森の中に、馬に乗った女性が描かれているモノですが、
その馬と女性がところどころ、
本来見えるはずの所が見えなかったり、
本来見えないはずの所に見えていたり、
という不思議な絵画です。
廃墟も、
その絵のような世界だと思います。

◆ Remix ◆
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Remix_03

2006-11-20 00:14:21 | 廃景


90年代の初頭に、
東京湾岸をぶらついては撮りためた写真素材を張り合わせて、
廃なテイストのある図像を作れないものかと思っていたときのモノです。

この頃はデジカメがなかったので、当然フィルムですが、
なかなか発色には悩まされたのを思い出します。
カメラもそんなにいいものではないので、
天気のいい日なっかは真っ白に飛んでしまいます。
でも、写ってるものは面白いのにな~
なんて思っているときに思いついたのが、
カラーネガのダイレクトプリントです。

これ、アブストラクトな素材だったりすると、
結構反転でもダイレクトでもどっちでもいいや、
的な図像になって、
それが面白くて、かなりプリントしてみました。

Remix03_bの右上やRemix03_cの左下に張り込んだのが、
ネガのダイレクトプリントですが、
シャドーの部分がネガではオレンジ色なので、
それをダイレクトプリントすると、
独特の透明感のあるオレンジ色になります。
今思えば、そのオレンジ色の感触が良かったのかもしれません。

◆ Remix ◆
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Remix_02

2006-11-19 02:06:37 | 廃景


前回に続いて、
90年の初頭に湾岸をぶらぶらしては、
撮りためた写真を切り刻んで再構築したRemixシリーズです。

中央の鉄骨は新木場の熱帯植物園、
青いガラスは以前の記事でアップしたリサイクル資源の貯蔵所のガラス、
その他廃船や廃パワーショベルのパーツなど。

サイズは一枚がサービスプリントサイズで、
そのサイズの台紙に切り刻んだ写真を並べ、
更にそれを4枚並べて1つのイメージにしようとした、
今思えばなんでそんなことを思いついたのか
全然わからないものです。

覚えているのは、
この頃の東京湾岸の空気感と、
廃材を外で撮影するのに飽きて、
家に持ち帰って撮影し始めたことくらいです。

◆ Remix ◆
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