黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

国際家畜病院

2009-06-25 02:07:36 | ・名もなき廃墟
仕事の帰りに、
道の真ん中に工事用のコーンが立っているのが見えた。
酔っぱらいのいたずらかと思ったが近づいてみると、
猫が死んでいた(ToT)
車にはねられたのだろう。
せめてぐちゃぐちゃとかじゃなくてよかった。



西麻布にあったペット病院。
一見ペットの病院とはわからない風貌をしています。






坂の中腹にあるので、
建物は坂に沿って段々に造られていて、
その段々の部屋がペットのための部屋だった感じです。
玄関灯や壁を見ただけでも、
相当古い時代から営業していたのがわかります。




看板をよく見ると「国際家畜病院」
家畜?と思いながらも、その上のイラストを見ると、
犬のイラストが描かれているので、
いわゆるペットの病院だったんでしょうね。




窓にははげかけた「PET CLINIC HOTEL」の文字。
やはり「家畜」という言葉から連想される、
豚や馬の病院というよりは、
犬猫病院だったんでしょう。




麻布が今の様に高級住宅街になる前から、
近所の住人の犬や猫がお世話になった病院かな。





お庭もちょっと拝見。なかなか豪華な作りです。
ただ庭に面してペットが入っていたと思われる部屋が並んでいるんで、
夜はけっこう犬や猫が鳴いていた時もあったんじゃないか、
などと思ってしまいます。


名もなき廃墟 #49

2007-12-20 00:38:57 | ・名もなき廃墟


こんな小屋はどうでしょう。
勿論すぐ裏に建つ家が管理しているとは思いますが、
幌がとれた幌枠、程よく剥がれたペンキ、
同じ色に塗られたトタン板、木枠の引き戸、
錆びかけの赤いポスト、その奥の日に焼けたカーテン。







雨水が染み込んで出来たカーテンのしみ、
一枚だけなくなっているガラス、
回りを奇麗に囲む植物が扉の所だけ空いているのを見ると、
名もなき廃墟シリーズでアップして来た多くの建物のように、
廃墟のそぶりをした現役の小屋なんでしょう。


名もなき廃墟 #48

2007-12-19 10:15:14 | ・名もなき廃墟


渋谷区の元代々木を歩いていると、突然現れた廃屋。







晩秋の枯れ木の奥に佇む母屋。
崩れかけの縁側。







建物をすこしずつ覆い隠していく蔦







元代々木は神山町や大山と並んで、渋谷区の中でも高級住宅街。
平日の昼に街を歩いていると、
仕事をしていなそうな女の人に沢山出会うが、
その表情には、高級住宅街に住んでいるんだぞ、という
ささやかな自負と極度の緊張があふれているように思えてしょうがない。
なんかつまらなそうな人生。
そんな街を歩いていて、こんな家に出会うと、
嬉しくなってくる。


名もなき廃墟 #47

2007-12-14 00:43:47 | ・名もなき廃墟


とある街中に突然と現れたアパート跡。
ビニールシートが破れているのは、
自然の仕業か人の仕業か。







そのすぐ隣には、庚申塚の石碑。
祠もなく祀った三体の猿神様も、
半分地中に埋まっています。







そしてその後ろに建つのが、時代を感じさせる蔵。
鍵が開いているので現在も使用中だと思いますが、
もともと何の蔵だったのか、
そしてこの回りには何が建っていたのか、
気になる蔵です。


名もなき廃墟 #46

2007-12-13 01:22:06 | ・名もなき廃墟


渋谷区の円山町といえば、渋谷の中では最もディープなエリア。
駅寄りには飲み屋街やクラブが乱立し、
その奥には広大なホテル街が広がっています。
そのホテル街のはずれに、場違いな民家が一軒。







窓や壁の至る所に見られる補修跡。
ついさっき干された様な毛布と裏腹に、
ありえないほど壊れている1階部分。







左側に写る建物が上2枚の画像の建物。
建物の横も前も全てホテルに囲まれた一角でした。


名もなき廃墟 #45

2007-12-12 02:22:54 | ・名もなき廃墟


かつて新しいベニヤ板の貼ってる手前に、
日に焼けた大きなビニールトタンがペロ~ンと垂れていた、
終わりかけの木造建物。
なぜ終わりかけか。。。。。
まだ使われているようです。







手前に写るバンをアップ。
草車と化したバンは、やがて足を延ばして歩き出しそうです。







更にその奥に眠る乗用車。
こちらはもう足も出そうにない、デッドマンズ・フェイスです。


水戸逍遥 #07

2007-10-21 00:30:28 | ・名もなき廃墟
出張でちょっと行った水戸。
何回かにわたって市内のほころびや近代建築をアップして来ましたが、
今日は駅近くの住宅街の中にある、平屋住宅街の一角です。



水戸市内にはこれまでアップして来たように、
仕舞屋や綺麗めの空家、あるいは一部ほころんだ建物はあるものの、
ちゃんと終わっている建物はそれほどありませんでした。
そんな中、役目を終えて久しい戸建て住宅の集合地帯がありました。






木造と言ってもトタン張り等がされているので、
完全な木造と比べるとそれほど古い印象はありませんが、
それでも一角の中に身をおくと、
あきらかに他のエリアとの空気感の違いを感じます。






かつては相当な数の平屋が並んでいたのではないかと思いますが、
殆ど取り壊されたのか、いまでは5、6棟のみで、
それ以外の土地は新しい戸建てが建つか駐車場かのどちらかです。
このブルーのトタンが壁一面に貼られた2棟も、
かつては手前の駐車場の所まで繋がっていた長屋を、
途中で寸断しトタンで塞いだものだと思います。






家の正面は幅のある茶色の板状トタンが貼られていますが、
家の側面は定番の並板トタンです。
取り外された電気メーターや蛇口のない所に無造作に置かれた石のシンクが、
主がいなくなって久しい事を物語っています。






上画像のピンクのトタン張りの家の玄関が少し空いていたので、
ちょっと失礼して中を拝見させて頂きました。
玄関は段差のある土間の作りで、室内には既に家財道具はなく、
差し込む初秋の日差しに照らされた落葉だけが、
音もなく散らばっているだけでした。

◆ 水戸逍遥 ◆
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名もなき廃墟 #42

2007-09-14 02:34:36 | ・名もなき廃墟
昨日、錆び付いたブルートタンのアパートをアップしたので、
今日もブルートタンの物件を。



ちょっとはずれたサバービアを歩いていると、
チョロ茂った木立の中から良質なトタンの香が。
赤い屋根といっても、錆で赤くなってますね。







家か、それとも物置か。
こじんまりとした、かわいいバランス。







表へ回ってみると、
やっぱり、家だったようでもあり、物置だったようでもあり。

◆ 名もなき廃墟 ◆
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名もなき廃墟 #41

2007-09-13 01:33:43 | ・名もなき廃墟
今年の春にシリーズでアップしていた「名もなき廃墟」シリーズ。
仕事が忙しいので、その続きを。

以前続けてアップしていた時にも、トタン張りの建物には時々触れましたが、
トタンって、良~く見るととてもいい感じに腐食する素材だと思ったので、
しばらくトタンを大幅に使った建物をアップしようと思います。



以前アップした『河口を行く』の帰りのバスの中から見つけて、
次のバス停で降り、わざわざ戻って見学した、
総ブルーのトタン張りの建物。







ブルーのトタン程、赤錆が似合うトタン板はないんではないかと思います。







錆と同じ色をした極太の土管。
無骨なつなぎが魅力的です。

幼少の頃住んでいたアパートの裏には、配管工事の店が有り、
薄暗い巨大な倉庫に並ぶ土管で、よく遊んだ記憶があります。
殆どはグレイのビニール土管でしたが、
何分の一かはいわゆる陶製の茶色い土管で、
よくその中で駄菓子食べたのを思い出します。

何年か前に、東京/新宿の花園神社で開かれる酉の市で、
久しぶりにソースせんべいを食べてみました。
ソースは当時一番よくつけて食べたオレンジソース。
あまりのまずさに、愕然としました。

◆ 名もなき廃墟 ◆
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