黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

九段下ビル

2008-06-29 00:22:38 | 集合住宅


今週ずっとアップして来た東京九段下の駅前にある九段下ビル。
以前アップした元町公園&元町小学校同様、
昭和2年 (1927) に関東大震災からの東京復興を目的に建てられたビルは、
80年以上経った今も、壁面崩落防止のネットを張られながらも、
頑張って建っているのには感動。

最後の今日は裏手に建つ、おそらくかつて商店だったと思われる建物。
これはかなり凄い!
ディテールを堪能して欲しいんで、画像をクリックすると拡大されます。

→ Mapion

戸山ヶ原逍遙 戸山アパートと給水塔跡

2008-01-15 07:12:43 | 集合住宅
以前アップした記事『戸山ヶ原逍遙 都立豊多摩病院跡』に、
最近沢山のコメントを頂くので、
約2年前、戸山ヶ原を散策した時の事が懐かしく、
当時アップしなかった戸山アパートの画像をアップしようと思いました。

予備校や模試(戸山アパートに近くの高校が使われる事が多かった)や
大学の帰りに、よく横を通った記憶のある戸山アパートの思い出は、
やはり道に面したこの光景。



当時団地とかには別に興味がなかったので、
わざわざ他の団地を観る事もない自分にとっては、
延々と続く戸山アパートの光景は、不思議になモノに見えたのを、
今でも憶えています。
と同時に、こんもりと森のように茂る木々も、
生まれ育った環境にはなかったので、
それにも魅力を感じていたんだと思います。
模試の帰りなどは、よく出来なかった試験に疲れた気持ちが、
戸山の木々に癒されていたのかもしれません。

以前にもアップした、最も最後まで残っていた、
東寄りに建つ棟の中庭。



当時より一段と森が深くなった中に、一匹の猫がいました。
もともと住民に飼われていたのでしょうか?
今は主を失ったのか、極めてやせ細っていました。





ついでに戸山鋼筋住宅給水塔の跡地。
以前の記事(こちらこちら)でアップした、
かつて戸山アパートに井戸水を給水していた、趣のある給水塔。
戸山ヶ原のことをいろいろ教えて頂いたzeroさんと散策に出かけた時は、
すでに第二給水塔の方は解体されていました。


解体直後の第二給水塔跡地。奥が西戸山中学校

あれだけ存在感のあった給水塔も、
解体されてしまうと「えっ、土地、こんだけ?」と思います。

その後しばらく残っていた第一給水塔も、
やがて解体されてしまいました。




画像はともにzeroさんから提供いただいたものです。

あの2本の給水塔が見られないのかと思うと、訪れる気が起きず、
結局解体後戸山ヶ原を訪れることはなくなってしまいました。

■ 追記 : 2008年1月19日
当初アップした、zeroさんから提供頂いた第一給水塔跡地の画像は、
管理人の単純な勘違いで、
実は別の場所の跡地の画像ということがわかったので削除しました。

■ 追記 : 2008年1月21日
いったん削除した第一給水塔跡地の画像ですが、
zeroさんから提供頂いたので、再度アップしました。
こちらはまぎれもなく第一給水塔跡地ですが、
寂しい光景です。
zeroさん、当初、勘違いで別の画像をアップしてしまい、
申し訳ありませんでした。

■ 追記 : 2008年4月4日
戸山アパートも全て建て替えられ、2つの給水塔ももはやない今、
唯一かつての面影を残す光景ではないかと思われる一角。



おそらく店とかは変わっているんでしょうが、
この鍵型に曲がって少し広くなっている道が、
私が今でも当時を思い出す事のできる光景です。

◆軍都 戸山ヶ原逍遙◆
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都営上目黒アパート #07

2007-05-29 01:53:21 | 集合住宅
◆ リクエスト特集 都営上目黒アパート ◆
この特集は、コメントを頂いた R.H.さんのリクエストによりアップしています。



昭和二十三年 (1948) に建設された、
都営高輪アパートとともに、戦後最初期の都営アパートの一つ
都営上目黒アパート。

団塊の世代といわれた、
現在の日本を作って来た人たちが育った公営アパート。
それはまさに個よりは団が重要視された時代を反映するように、
画一的で規格的な住宅だったんではないかと思います。



今年に入って、
戸山アパート、角筈アパートに限らず、
都内各所の古い都営アパートが閉鎖されるのを沢山目にしますが、
それは同時に団塊の世代が定年を迎えた年でもあります。
平成になって20年近くたち、
今、完全に昭和がなくなろうとしているのかもしれません。



団塊の世代とともに生まれ、
団塊の世代とともに昭和を見渡して来た上目黒アパートは、
団塊の世代の定年とともに、
その役目を終えました。

◆ 都営上目黒アパート ◆
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都営上目黒アパート #06

2007-05-28 01:40:09 | 集合住宅
◆ リクエスト特集 都営上目黒アパート ◆
この特集は、コメントを頂いた R.H.さんのリクエストによりアップしています。



表通りに面した2つの棟のうち、2号棟の裏手には児童遊園地がありましたが、
1号棟の裏手には3号棟へ行く為のスロープだけがあります。
1号棟のはじには3号棟へ行く緩やかな階段もあるので、
本来はそれだけでもいいような気がするのですが、
いまのようにバリアフリーの発想がなかった時代に、
1棟の裏側だけスロープという変形した造りが、
面白みを与えています。

一昨日アップした児童遊園地を撮影していると、
人の気配を感じたので、このスロープの方を見ると、
ひとりのおばあさんがゆっくり3号棟の方へ歩いていました。
撮影に気をとられて話しかけませんでしたが、
すぐ直後、ふと気がつくことがあってすぐに後を追いました。
なぜならおばあさんの向かっていた先は、
3号棟と高い石垣に囲まれた敷地内の路しかなく、
その先は前出の階段を通ってまた表通りへもどるだけだからです。



忘れ物でもとりに来たのかとも思いましたが、
3号棟の裏は、画像でもわかるように既に侵入防止の板張りがされ、
また裏路地から右側のコンクリ舗装の崖の方へ抜ける出口もありません。
はて?おばあさんはなんの為に敷地内を歩いていたんでしょう。
しかも気がついてすぐに後を追った時には、
既にどこにも姿はみあたりませんでした。



表通りに面した1号棟2号棟は、
階段を挟んで2部屋が階段の両側に設置された、
公営アパートで最も典型的なタイプですが、
新しい3号棟だけは建物の両端に階段があり、
それをつなぐ長廊下に各戸の入口が並ぶタイプです。

崖の上の生い茂った木の葉が反射し、
廊下側の壁面は緑色に包まれていました。

◆ 都営上目黒アパート ◆
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都営上目黒アパート #05

2007-05-27 00:32:25 | 集合住宅
◆ リクエスト特集 都営上目黒アパート ◆
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最近閉鎖され初期都営アパートの一つ、上目黒アパート。
昨日アップした路沿いの棟の裏の児童遊園地を抜けると、
路沿いに建つ2棟のちょうど間にでます。

自転車置き場は数カ所に設置されていますが、
表通り沿いのそれがこぎれいな仕様なのに比べて、
各棟の横にある自転車置き場は造りが古く、
老朽化したブルートタンに囲まれたもので、
愛着がわく風貌です。



敷地内の何カ所かに設置された街灯も、
その殆どが70年代風の、三角帽に筒型のガラスカバーがついたものですが、
一つだけ鉄の傘に裸電球のものがありましたが、
トタン張りの自転車置き場同様、愛着のわく風貌です。



敷地内はかなり掃除され、
日常品の粗大ゴミ等も全くありませんが、
一つだけ、北海道の木彫熊がありました。

一般的にアイヌの民芸品と思われているものの実はそうじゃない北海道の木彫熊。
そういえば70年代、
まるでコップや鍋のような必需品のように、
どの家へ行ってもこの木彫熊がいて、
決まって細い木枠のガラス張り飾り箱に入っていました。
当時吐きそうなほど嫌いだった熊も、
時間が経ってこうして見てみると、
けっこう可愛いもんだったりして。

◆ 都営上目黒アパート ◆
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都営上目黒アパート #04

2007-05-26 01:32:43 | 集合住宅
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今日付のMapionにも表示されているように、
道沿いの古い2棟の南の棟(たぶん2号棟)の裏に、
小さいながあら遊戯具が充実した児童遊園地があります。

二股の滑り台。双頭型滑り台というのでしょうか。
スベリダイノミカタ [双頭滑り台02]に、
こまかなディテールまで全く同じ滑り台が掲載されています。
コンクリの滑り面の重厚さに比べて、
後ろの昇り階段が急峻で小さく、
バランスの悪さが特徴の滑り台です。



滑り台の奥には基本的なジャングルジムもあります。

その他、周囲を低いコンクリで囲んだ、
猫侵入防止柵とはとんと縁遠い砂場や、
3段階に段差を付けた鉄棒があります。



植物に埋もれていく木製ベンチ。

気がつけば公営アパートも、
公営か?と疑うほど小奇麗で高層のものが増え、
戸山アパート、角筈アパート、そしてこの上目黒アパートのような、
4階建ての箱のようなRC造の建物に囲まれた、
小さな公園は見当たらなくなりました。

団地の中の公園の風景は、
確かに昭和の光景なのかもしれません。

◆ 都営上目黒アパート ◆
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都営上目黒アパート #03

2007-05-25 00:33:49 | 集合住宅
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昨日までアップしてきた道沿いの1号棟2号棟の中庭にあったバラ。
このバラはその前の家の人が育ててたものだと思いますが、
結構丹精込めて育てていたんではないかと思いますが、
こうやって放置されています。

以前にアップした都営角筈団地に住んでいた人は、
団地が閉鎖されてからも足繁く通って、
自分が育てていた植物を持って帰る光景を何度も見ました。

代官山・・・寒い土地ですね。



1号棟2号棟から裏手に行くところにあった小径。
人がいた頃はもっと整備されていたんじゃないかと思いますが、
今はナチュラルです。



1号棟2号棟の裏手には、
小さいながら施設が充実した公園があります。
明日はこの小公園をアップしようと思います。

◆ 都営上目黒アパート ◆
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都営上目黒アパート #02

2007-05-24 01:13:21 | 集合住宅
◆ リクエスト特集 都営上目黒アパート ◆
この特集は、コメントを頂いた R.H.さんのリクエストによりアップしています。



道に面した1号棟2号棟の階段&玄関側。
左側に写る生い茂る木は桜なので、
春の窓からの眺めは抜群だったんではないかと思います。
季節がら一気に植物が繁殖し、
隣接する道から敷地内をみることはかなり困難な状態です。



東京都都市整備局の都営住宅団地一覧をみると、
上目黒アパートの間取りは2Kと2DKになっています。
昨日の記事にもアップした様に、
3棟あるアパートのうち2棟は昭和二十三年 (1948)、
1棟は昭和四十年 (1965) 築なので、
道に面した古い2棟が2Kの間取りなのだと思います。



画像は古い棟の、道とは反対側の面の窓です。
テラスもなく雨戸もない鉄枠の窓からは、
このタイプの窓を知っている人なら聞いた事がある、
開け閉めの時の少し重めの鉄が触れる音が聞こえてきます。

手すりは一見木製のようにも見えますが、
薄い鉄製で、少々貧弱な印象です。

キッチンの前に設置して、
穴の好きな位置にフォルダーを差し込み、
キッチン用品を整理するボード。
懐かしいんですが、これってなんて言う商品名なんでしょう?

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