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黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

新宿昭和館

2006-07-31 05:00:48 | 東京 URBEX


新宿の東口に「新宿昭和館」という映画館がありました。
昭和六年に洋画上映館で開業。
昭和三十年代に名画座館になり、
四十年代からは任侠映画を専門に上映していた映画館ですが、
平成十四年(2002)閉館、翌年に解体されました。
今ではK'scinemaという新しい映画館に生まれ変わっているみたいです。

この映画館は死ぬほど通いました。

かといって任侠映画に特に思い入れがあって通ったわけではなく、
高校時代に一人で時間をつぶす映画館を探し歩いた結果、
この昭和館が一番うってつけな感じがしたからです。
その結果、『日本の首領』や『仁義なき戦い』は勿論、
『県警対組織暴力』や『沖縄やくざ戦争』など、
相当な数のこの手の映画をみたはずですが、
結局映画を見たくて通っていたわけではないので、
ほとんどその内容は覚えていません。

昭和館の地下には「昭和館地下」という名の、
ポルノ上映館もありました。
昭和館へ通ううちの何回かはこっちへも行ったことがありますが、
これまた何を上映してたかは覚えてません。
覚えてるのは、
詰め襟の高さが以上に高い学ランを着た、
国士舘や拓殖の学生が大いびきをかいて爆睡してたことや、
一本上映が終わると、猛ダッシュでトイレへ駆け込む、
やばそうなおじさんがいたな、
ということくらいです。

廃人のようだった高校時代の中で、
記憶の廃墟に形として残ってる数少ない思い出の一つです。

画像は2001年、閉館の数ヶ月前の昭和館。
画像に写るおっさんは、
相当長い時間、ウインドウの中のポスターに見入ってました。
 


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2 Comments

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失われた映画館 (テツ)
2006-08-01 12:19:52
昔の炭鉱町を旅していると、かつて厚生施設としてにぎわった映画館の跡をよく見かけますね。コンクリート造の映写室だけが残ったものはとりわけ印象的です。

端島の昭和館は私が訪れた折には、すでに瓦礫と化していました。姿をとどめているうちに見ておきたかったなあと思います。
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▼テツさんへ (廃墟徒然草)
2006-08-02 03:00:41
映写室だけが残る炭鉱町の映画館は私もいくつかみましたが、

確かに印象深いですね。



端島の昭和館、見たかったです。

もし全部をRCで造っていたら、もしかしたら残っていたかもと思うと残念です。

かつては時化の時でもフィルムだけは荷揚げして上映したほどなのに、

テレビの普及で卓球場になり、最後には倉庫になってしまっていた昭和館。

なんか、せつないです。

 

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