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黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

廃養鶏場

2009-05-13 02:32:11 | 産業遺産
先日、普賢岳の大野木場小学校をアップしましたが、
その行く道すがら突然現れた廃養鶏場。



細長い施設が8棟並び、
すべてが廃墟と化していた養鶏場跡です。





入り口付近。
施設の後方にたくさんの緑が見えますが、
各棟の間から育った植物が、
屋根を越えて育っています。




1棟の入り口。
施設は木造ですが、鶏のかごは金網製です。
施設に近づくとほのかに鳥の餌臭が漂います。




施設内部を見てみると、
両側にずら~と金網篭が並び、
その手前に細長い餌といが並んでいます。
かつては昼な夕なにコケーココとうるさかったんでしょう。




ずっと以前の記事で書いたかもしれませんが、
親戚の家の周囲には養鶏養豚の農家が多く、
子供の頃そこへ行くたびに、
その芳しい香りにクラクラしたものです。

あるお盆の晩、
親戚の子供たちと盆踊りへ出かけたものの、
途中ではぐれてしまい、不慣れな夜道を一人で
親戚の家まで帰らなくてはならないはめになりました。
街道から一筋中へ入るともう街灯もなく、
あたりは漆黒の闇です。
上を見上げて木と木の間の、
濃紺の空の色をたよりに帰るしかないんですが、
途中、夜中の突然の訪問者にびっくりしたのか、
木々で眠る鳥たちが一斉に飛び立ち、
こっちも相当びっくりさせられたのを思い出します。
やがて芳しい香りが鼻をつくようになり、
その後木立の中に灯りが見えてきて、
やっと親戚の家の近くへたどりついたと知りました。

廃養鶏場から漂う仄かな香りを嗅いだときに、
この時のことがリアルに思い出されました。

音楽は、それを聞いていた時代を思い出させてくれますが、
同様に臭いも、特殊な体験のものなら、
その記憶の瞬間に一気にトリップできるものなんですね。



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