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黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

くりはら田園鉄道 #02

2011-10-05 00:55:58 | 鉄道遺産
かつて宮城県の北部を横断していた、
くりはら田園鉄道、通称「くり電」のシリーズです。



石越駅からは1本の線路が続いています。
旧街道と並走している様なので、
もともと人の往来があった土地なのだと思いますが、
この旧街道(山街道)ってのは陸羽街道のことでしょうか?
道とか街道とか全く疎いので、
どなたかご存知の方がいらっしゃったら、
教えて頂ければ嬉しいです。 →Mapion







草に絡まれた「汽笛」の看板 →Mapion







ここを訪れたのはちょうど秋だったので、
彼岸花やコスモス等、
秋の花が咲き乱れていました。 →Mapion







緩やかなカーブは、
線路に限らず魅力的なフォルムですね。 →Mapion







トンボもいました。
そういえば最近、トンボを見てません。 →Mapion







収穫の秋。
顔を出すかかし?がひょうきんです。 →Mapion







さすが日本の米穀地帯。
沿線沿いは一面黄金色でした。 
やがて最初の駅「荒町駅」付近ですが、
荒町駅は跡形も無く消えていました。→Mapion

<<< ガンバレ!東北 >>>
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ブログ付属のフォトアルバムに廃線百景をアップしました。

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ムック『廃線跡の記録』三才ブックス
くりはら田園鉄道の詳細リポート掲載

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オープロジェクト DVD『鉄道廃線浪漫画』日活
くりはら田園鉄道もフィーチャーした、
鉄道廃墟を映像と音楽、随想的なナレーションで綴る映像詩集


くりはら田園鉄道 #01

2011-10-04 04:52:21 | 鉄道遺産
かつて宮城県の北部を横断していた、
くりはら田園鉄道、通称「くり電」のシリーズです。


細倉鉱山資料館蔵

大正10年(1921)、栗原軌道として開業。
当初は馬車鉄道も走るのどかな鉄道だったようですが、
その後徐々に路線を延ばし、地域の足として活躍。
戦中に細倉鉱山の貨物輸送を引き受け、
戦後は電化と軌道拡張で最盛期を迎えるものの、
昭和後期には沿線の過疎化や細倉鉱山の閉山などにより、
1993年に親会社の三菱マテリアルから第三セクターへ。
2010年の8月に清算が終了した廃線です。
■ OCT. 05, 2011 テキストを修正しました ■






JR東北本線の石越駅に隣接するホームから、
くり電は走っていました。 →Mapion






かつては駅舎もあったようですが、
今はもうなく、先の切れた線路が、
かつて始発駅だった事を伝えているだけです。







駅前には趣のある建物が建っています。







駅前商店街もとってもいい雰囲気です。







商店街にあった石材屋さん。
門状に作られた通り側の建物の造りや、
玄関の装飾等、素晴らしい建物です。

次回からはゆっくりと沿線を見て行きたいと思います。

<<< ガンバレ!東北 >>>
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ブログ付属のフォトアルバムに廃線百景をアップしました。

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ムック『廃線跡の記録』三才ブックス
くりはら田園鉄道の詳細リポート掲載

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オープロジェクト DVD『鉄道廃線浪漫画』日活
くりはら田園鉄道もフィーチャーした、
鉄道廃墟を映像と音楽、随想的なナレーションで綴る映像詩集


廃線跡の記録2 発売

2011-03-30 08:39:10 | 鉄道遺産
昨年発売されて好評をはくした、
鉄道廃墟大集合ムック『廃線跡の記録』の第二弾、
『廃線跡の記録2』が、3/24発売されました。



前回と同じ顔ぶれの執筆陣に加えて、
今回は羽幌炭鉱の民間研究家のLEVEL 7Gさんも参加。
氏のリポートによる夕張鉄道の三弦橋(表紙)は、
いつみても美しい鉄橋ですね。

第一弾にあった巻頭グラビアがないのは、
ちょっと残念ですが、
今回も有名廃線から、索道、森林鉄道、軍用鉄道まで、
全て<形の残る廃線>で、充実の内要です。

前回の第一弾に対して、
一部の鉄道=廃線好きの方からは、
「単なる廃墟本」とも言われているようですが、
その通りだと思います。
そして、このムックはそれでいいと思います。
閉鎖的なコミュニティを形成しがちな、
鉄道廃線の世界に風穴をあけ、
これまで廃線に興味をあまり持てなかった多くの人が、
興味を持ってるようになった、
鉄道廃線の裾野を広げたムックだと思います。

尚、前回はオープロジェクトでの参加でしたが、
今回は廃墟徒然草として、
鹿島鉄道を担当させて頂きました。

幾多の苦難を乗り越え、
野山を切り開いて造られて来た沢山の鉄道を見ると、
そのパワーで、
震災も復興していって貰いたいと思います。



『廃線跡の記録』

鉄道大国ニッポンの原風景
失われゆく廃線跡をアーカイブ


廃線ジャンルの類書は数多く出版され、
超定番&名著と言われているものもいくつもある。
そうしたなかで「廃線跡の記録」は、
高い資料性を備えつつ、
数多くの美しい写真を使って廃線跡の今を伝えることを可能にし、
大好評を博したが、本書はその1年ぶりの発売となる第二弾。

■収録路線
名羽線(未成線)
鹿島鉄道線
国鉄足尾線 間藤~足尾本山
中央本線旧線 小淵沢~富士見
名古屋鉄道三河線 碧南~吉良吉田
下夕張森林鉄道 夕張岳線
ヌク沢硅石鉱山軌道
明延鉱山専用鉄道(明神電車軌道)
東大秩父演習林 入川森林鉄道
羽村山口軽便鉄道
米軍立川基地(陸軍立川航空工廠)引込み線
日本陸軍・鉄道第一連隊
木更津自衛隊専用線
伊勢朝熊登山鐵道(鋼索線)
屋島ケーブル
…原生林から都心の廃線跡まで。

■廃線探険
奥羽本線旧線 板谷~赤岩
赤城鋼索鉄道
内房線旧線 南無谷隧道
米坂線 第四荒川橋梁
茂浦鉄道(未成線)
大井川鐵道井川線 接岨湖水没旧線
大糸線旧線 旧江尻隧道
千頭森林鉄道 大間川支線
北陸本線旧線 市振~親不知
土室森林軌道
外房線旧線 土気隧道跡
…探索と冒険で楽しむ廃線跡。

■廃線遺産
和田山機関庫と給水塔
関西本線旧線 旧亀ノ瀬隧道
東海道本線 旧逢坂山隧道
姫路市営モノレール 大将軍駅
…近代遺産、あるいはそれに準ずる廃線跡。

B5判 / 112ページ / 全ページカラー
2011.03.24発売 / 税込価格:1,600円
発売:三才ブックス





『廃線跡の記録』03/18リリース

2010-03-18 11:20:11 | 鉄道遺産
すでにイベント情報先行でお伝えした、
鉄道廃墟大集合ムック『廃線跡の記録』が、
本日発売されます。



9チームの執筆陣が、
それぞれ自分達の得意とする分野から、
廃線へアプローチすることで、
従来の
線路や駅の写真とその路線のスペックが殆どの廃線本
とは一線を画す、
極めて立体的に廃線を楽しめるムックです。

●サイト『廃墟デフレスパイラル』の管理人、
芝公園公太郎氏による、
山奥に眠る美しい隧道や、
鉄道としてはニッチなロープウエイの消え行く姿。

●サイト『山さ行がねが』の管理人、
よっきれん氏による、
秘境に眠る廃線や水没する隧道の、
命がけの実踏リポ。

●ヘリテージ・ツーリズムを推進する、
J-heritageメンバーによる、
姫路モノレールの詳細リポや、
ハイキング・コースとして有名な武田尾廃線。

●ワンダーJAPAN誌で地底の世界を紹介している、
週末探検隊メンバーによる、
めったに見る事の出来ない石灰鉱山の地下鉄道跡、
そして古代遺跡を彷彿とさせるタウシュベツ橋梁、

●サイト『夢煙幻灯機』の管理人、
夢煙夏士氏による、
重い歴史を今に伝える、
横須賀界隈の軍用鉄道跡、

●森林鉄道やサトウキビ鉄道など貴重な鉄道記録を残し、
鉄道雑誌への寄稿も多数の、
竹内昭氏による、
屋久島の森林鉄道。

●熱中時間でもおなじみ、
サイト『百科図鑑』のクロスケ氏による、
痕跡から辿る千葉県の鉄道連隊跡の旅。

全ページオールカラーで、
廃線ファンは勿論、廃墟、廃道ファン、
ニッチな旅行ファン、地底ファン、
様々なファンの欲望を満たしてくれる、
珠玉の112ページだと思います。

●勿論オープロジェクトも、
先頃発売させて頂いたDVD
『鉄道廃線浪漫 ~風の声、時の音~』
で取り上げた路線の補完アーカイブ的なものから、
DVDには収録できなかった路線、遺構などで
参加しています。

私は、ブログでも既にアップした、
晴海線、石油支線、安比奈線、そして豊後森機関庫
を担当させて頂きました。

ぜひぜひお手に取ってご覧頂ければと思います。



『廃線跡の記録』

失われゆく、鉄道大国ニッポンの原風景

■グラビア:廃線跡のある風景

■廃線跡コレクション
くりはら田園鉄道線、武田尾廃線跡、西武鉄道安比奈線
東海道本線旧赤沢隧道、新潟交通電車線、
東京都港湾局専用線晴海線、鶴見線石油支線、
池子弾薬庫引込線、田浦港の廃線

■廃線跡探険
奥羽本線赤谷付近旧線群、神岡軌道、
東海道本線大崩海岸旧線、飯田線佐久間湖水没旧線、
大間線(未成線)、西沢森林軌道、長野原旧線、
森吉森林鉄道ダム付け替え線、御殿場線単線化遺構、
日光登山鉄道、橋場線橋場駅跡、常磐線旧金山隧道、
横黒線錦秋湖水没旧線

■35年の時を越えて公開
姫路市営モノレール

■鉄道廃遺産
大井川鐵道新金谷構外側線、士幌線タウシュベツ川橋梁、
屋久島安房森林鉄道、庄内交通湯野浜線善宝寺駅、
清里のSL、国立酒田米穀倉庫、豊後森機関庫

■ぶらり鉄道連隊遺構散歩
住宅街に残る軍用路線の痕跡

■空中索道廃線跡
三峰ロープウェイ、奥多摩湖ロープウェイ、
湯原観光ロープウェイ

■地下に眠る廃線跡
某石灰鉱山地下軌道

B5判 / 112ページ / 全ページカラー
2010.03.18発売 / 税込価格:1,600円
発売:三才ブックス




廃線DVD 2/19リリース

2010-02-19 12:43:45 | 鉄道遺産
本日、オープロジェクト制作の新作DVD発売です。



O project | RuinsAnthem

『鉄道廃線浪漫 -風の声、時の音-』

軍艦島と同時に、あるいは軍艦島以上に以前から、
オープロジェクト内で制作案件に挙っていた鉄道廃線モノDVDが、
やっと形に成りました!
これまでの軍艦島DVDとはまた違ったアプローチで作った新作です。
是非ご覧下さい。

なお、下の解説をご覧になって、
どういう内容なの?とか、なんで志免炭鉱が廃線DVDに?
と思われる方もいらっしゃると思うので、
内容的なことは、おいおいアップできればと思います。

▼チラシ

画像はクリックすると拡大します

鉄道廃墟を美しい映像と音楽、
随想的なナレーションで綴る詩的ドキュメンタリー


途切れた線路、緑に包まれた電車、
ぼろぼろの機関車、錆び付いた鉄橋、
「風の声」を聞きながら静かな眠りにつく廃線。
かつて人と共に生きた時代が、「時の音」としてここに甦る。

軍艦島DVDのオープロジェクトが、
今、ブームとなりつつある「鉄道廃線」を、
10年以上にわたる取材の成果として集結。
声優・椎名へきるのナレーションが美しき鉄道廃線跡を巡るメイントラック、
メンバー自らによる廃線の様々な魅力を解き明かすコメンタリートラック、
BGVとして楽しめる音楽+SEトラックの
3つのオーディオトラックを収録。
字幕では鉄道ファンにも楽しめる取材路線の詳細解説。
メニューコンテンツには、
魅力の173枚のフォトギャラリー収録。

【収録物件】
●くりはら田園鉄道線
●東京都港湾局専用線 晴海線/豊洲線
●奥多摩湖ロープウエイ
●大夕張鉄道 ストーブ列車
●C62-149
●豊後森機関庫
●志免炭鉱
●大井川鐵道新金谷駅構外側線の廃車輛群
●善宝寺鉄道記念館(庄内交通 善宝寺駅)
●西部鉄道 安比奈線
ほか

今作も前作と同じ日活さんからの発売です。

オープロジェクト 廃墟賛歌シリーズ
『鉄道廃線浪漫 -風の声、時の音-』
本編45分 / 4:3 / 3音声トラック / カラー / ステレオ
2010.02.19発売 / BBBN-1011 / 税込価格:3,990円
企画・制作:オープロジェクト
発売:日活株式会社 販売:ハピネット




『廃線×廃墟 蔵出し映像で 'ホゲっと' 語る』開催

2010-02-12 02:53:19 | 鉄道遺産
オープロジェクト主催イベントのお知らせです。


画像はクリックすると拡大します

オープロジェクト制作の新作DVD
『鉄道廃線浪漫 風の声、時の声』発売を記念して、
イベント『廃線×廃墟 蔵出し映像で'ホゲっと'語る』を、
来る3/7に東京カルチャーカルチャーにて開催します。

> 詳しくはこちら

新作の廃線映像はもちろん、
結成前夜の秘蔵自主映画から、幻の作品、未公開物件映像まで、
蔵出し映像をたっぷりお見せします。

同時に映像を見つつ、
これまであまり語ってこなかった制作秘話から取材裏話、
メンバーそれぞれの廃墟・廃線の考えだったり、
制作上のコダワリだったり、
あれやこれやを赴くままに語り倒します。

ホゲ~っと映像眺めるも良し、トークにツッこむも良し、
お好きなようにお過ごしくださいませ。
軍艦島はもちろん、北海道~九州の炭鉱、軍事廃墟、
一般では立ち入れない領域や、既に現存しない物件まで、
秘蔵ネタを取り揃えて、サービス!サービス!

ぜひご参加ください。



DVD『鉄道廃線浪漫 風の声、時の声』完成記念
<廃墟×廃線>蔵出し映像で 'ホゲっと' 語る

【日時】2010年3月7日(日)
OPEN: 12:00 START: 13:00 END: 15:30


【場所】東京カルチャーカルチャー
http://www.loft-prj.co.jp/lofta/

【出演】オープロジェクト

【料金】前売2,000円/当日2,500円(共に飲食代別)

【ご予約】
オープロジェクト・メール(o-project@mail.goo.ne.jp)
に直接ご連絡を頂くか、もしくは、
イープラス・チケットにてお取り扱いしております。

※オープロジェクトSTAFFに直接お申し込みの場合は、
お名前、メールアドレス、電話番号、人数、をお知らせ下さい。


旧丸山変電所 #06

2008-04-03 22:43:16 | 鉄道遺産


信越本線の横川駅からほど近い所にある、
旧丸山変電所。
棟内の床はかなり損傷が激しく、
変電所特有の、床面に付けられた溝には、
特に沢山の植物が育っていました。

この日1日中変電所にいて出会ったのは、
犬を散歩させる初老の人ただ一人でした。


旧丸山変電所 #05

2008-04-02 22:56:30 | 鉄道遺産


信越本線の横川駅からほど近い所にある、
旧丸山変電所。
今日は軽井沢駅寄りにある2棟めの、倉庫です。
もともとはこちらが機械室で、
横川駅寄りの建物は蓄電池室だったそうですが、
蓄電池室が不要になり、
別棟に新しい機械が設置されるとともに、
この棟は倉庫として使われる様になったそうです。

別棟に比べて天井の損傷が激しいせいか、
床面はかなり植物に覆われていました。


旧丸山変電所 #04

2008-04-01 10:38:34 | 鉄道遺産


信越本線の横川駅からほど近い所にある、
旧丸山変電所。
昨日アップした機械室の室内を、反対側から眺めた光景です。
画像では見えませんが、
ちょうど屋根の抜け落ちた部分の境目あたりに、
巨大なスズメバチの巣がぶら下がってました。
11月の終わり頃だったので活動もしていないようでしたが、
これが夏だったら、撮影も途中で断念していたかもしれません。


旧丸山変電所 #03

2008-03-31 07:37:06 | 鉄道遺産


信越本線の横川駅からほど近いところにある、
旧丸山変電所。
風格のある煉瓦作りの建物は2棟あって、
画像は横川駅寄りに建つ機械室だった建物の内部です。
煉瓦の外観とは裏腹に、
白塗りの壁、白いタイル張りの床だった内部には、
回転変流器という、
タイムマシーンのようなルックスの大きな機械があったようなので、
現役時代の姿も見てみたかったものです。


旧丸山変電所 #02

2008-03-29 13:02:51 | 鉄道遺産


昨日からアップしている、旧丸山変電所。
今日も空の深~~~い青色が、
富士フィルムのヴェルヴィアらしい発色の1枚。

丸山変電所が信越本線の横川駅にほど近い所にある話は昨日しましたが、
横川駅といえば駅弁<峠の釜飯>。
駅前で釜飯を購入し、
見学の合間に食べた美味しさは、今でも忘れませんが、
果たしてそれが、寒空のもと、撮影で結構疲れた後に食べたから美味しかったのか、
それとも純粋に美味しかったのか、
いつか確かめたいと思っています。

新宿の京王百貨店で毎年開催される駅弁フェアへ、
だいたい毎年出かけます。
そしてこの駅弁フェアでいつも真っ先に売り切れてしまう商品の一つが、
丸山変電所のある横川駅の<峠の釜飯>。
結局今年も食べられす、
峠の釜飯は本当に美味しいか?は確認できませんでしたが、
かわりに新幹線開通当時のチキン弁当があったので、
これはこれで思い出深い駅弁なので食べてみました。
しかし、当時の感動は蘇りませんでした。
そもそも駅弁は自宅とかで食べてはいけないものなのかもしれませんね。
やはり車内で食べて、はじめてその味が染込むものなんだと思いました。


旧丸山変電所 #01

2008-03-28 02:10:09 | 鉄道遺産


先月から今月にかけて鉄道モノをアップして来たので、
ついでに鉄道ものをもう一つ。

信越本線横川駅からほど近い線路沿いにある、
旧丸山変電所。
2001年頃全面改修されて、いまはとても綺麗な姿になっているそうですが、
これはその前の、まだ廃墟だった時のものです。

画像はかなり古く、まだフィルムを使っていた頃のもので、
空の限りなく深~~~い青色は、
ヴェルヴィアというフィルムの効果だと思います。


鹿島鉄道線 #04 鉾田駅

2007-08-19 02:35:34 | 鉄道遺産


前回に続き、鹿島鉄道線鉾田駅前の給油所跡。







雑草に覆われた給油スペーズ。







割れた窓ガラス越しに室内を照らしていた真っ赤な夕陽。
かつて鹿島鉄道線が鉾田線だった頃、
親戚の家からの帰りは決まって夕方でした。
鉾田駅から石岡駅へ向かう鉾田線は、西へ向かって走るので、
帰りのディーゼルカーからは、
いつも沈み行く真っ赤な夕陽が見えました。

※鉾田線の詳しい話はこちら


■シリーズ鹿島鉄道線:NEXT TOP


★ 廃線跡の記録 2 ★

  

KLO@廃墟徒然草による鹿島鉄道線のリポート掲載。
その他、鉄道ファンとはひと味違う、
ワンダーJAPANならではの廃線跡の記録が満載。

鹿島鉄道線 #03 鉾田駅

2007-08-16 11:41:48 | 鉄道遺産
先日アップした鹿島鉄道線(旧関東鉄道鉾田線)の鉾田駅前は、
鉄道が営業していた時代から終末の雰囲気を漂わす魅力的な町でしたが、
鉄道が終わってますます拍車がかかったように見えます。
駅前にあった給油所跡。



みたことのない花をつける木が、
建物の玄関に自然のアーチを作っていました。







看板の抜け具合、
ガラスの割れ具合、
テラスの手摺の錆具合、
それらが程よい時間の経過を物語っています。







撮影していると、
隣で中華料理店を経営する婦人が話しかけて来ました。
建物の前に育つ木の花は、もう旬を過ぎてしまったそうで、
もう少し前に来れば、もっと綺麗だったと言います。
それから小一時間、駅舎が解体されてしまった寂しさや、
町内にいる息子さんの自慢話、
鉾田線の思い出などを聞かせて頂きました。

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★ 廃線跡の記録 2 ★

  

KLO@廃墟徒然草による鹿島鉄道線のリポート掲載。
その他、鉄道ファンとはひと味違う、
ワンダーJAPANならではの廃線跡の記録が満載。

鹿島鉄道線 #02 田舎の思ひ出(後編)

2007-08-12 00:15:24 | 鉄道遺産
最初にこの記事にいらした方は、
前編の鹿島鉄道線 田舎の思ひ出(前編)からご覧ください。

「田舎」という言葉を最近は使わなくなってしまったが、
鹿島鉄道線(旧関東鉄道鉾田線)の沿線にある両親の故郷は、
どちらも「田舎」という言葉が、
これ以上当てはまる土地がここ以上にあるだろうかと思う程、
幼少の心には限りなく「田舎」に感じられた。
事実、今日まで生きてきて、旅行や仕事で出かけた国内のどの地域も、
この茨城の「田舎」に勝る田舎に出会ったことがない。

なにが田舎かというと、
まずマーケットの商品が恐ろしく田舎だった。
マヨネーズが切れたので買いに行った店で見たマヨネーズは、
真夏にもかかわらず冷房も何も入っていない店内にむき出しで置かれ、
既に内容物は黄色く変色し発酵していた。

またおやつと言ってだされるものは決まって、
シマチョゴリに使われるピンクやグリーンよりドギツイ色に着色された、
あまりにも甘い餅まんじゅうだった。
きっと大量にチクロが入っていたに違いない。
勿論一口食べれば口の中は極彩色。

子供達は全員が、
いがぐり頭に白シャツ、黒の短パンにビーチサンダルというスタイルで、
小学校の教材で見た、戦時中の子供達の映像を生で見ているようで、
くらくらしたのを覚えている。
長髪で色白、ベルボトムのジーンズ(いや、ジーパン)をはいた東京の子供に、
羨望と優越感の混在した眼差しを送ってくるのが手に取る様に感じられたが、
事実、彼らは田舎臭く、そして逞しかった。
鬼ごっこをしても、石投げをしても、どれも勝ったものがなかったが、
唯一勝ったのは、夜の肝試しだった。





鉾田駅に残る車輛。この車輛は後期のものだろうか。
最も思い出深い車輛は、このページの下に掲載されているタイプのものだ。

汽車・電車 / 私鉄を訪ねて / 関東鉄道鉾田線 石岡機関区 1974.12



ある夜、肝試しに墓地へ行こうということになった。
田舎の子達はみんな、東京から来た「もやしっ子」が真っ先に帰るだろうと、
タカをくくっていたに違いない。
あいにく肝試しだけは全然平気だったので、
いつになっても帰ろうとしない自分とは裏腹に、
墓地が近づくにつれて、
逞しい田舎の子達の会話が、徐々に減って行くのを感じた。
とうとう、誰かがもう帰ろうと言い出したとたん、
全員一斉に走って帰ってしまった。
よっぽど我慢していたんだろう。

取り残された自分は、しょうがなく記憶をたよりに帰ろうとしたが、
まず道が見えない。
月が出ていないので、あたりは真っ暗だった。
上を見上げると道の両側に生い茂る木と木の切れ目から、
かすかに色の薄い夜空がみえたので、
その切れ目をたよりにとにかく進むしかなかった。
しばらく歩くと突然バサバサッと大きな音がしたので、
思わずその場にすくんでしまったが、
どうやら鳥たちが一斉に飛び立ったようだ。
突然の夜の訪問者に、鳥達の方もびっくりしたんだろう。
どれくらい歩いたかは覚えていないが、
暗闇の中に揺らめく灯りが見えた。
勿論人魂ではなく、親戚の家の灯りだったのだが、
そのとき、ここは日本むかし話ですか、と思ったものだった。

おもにお盆の時期に帰省していたので、
お盆前の最後の畑仕事を少し手伝い、
その分のお小遣いを貰うのが恒例のようになっていた。
畑仕事はちょうどトマトの収穫時期といつも重なっていた。
トマトと言っても食用ではなく、カゴメのジュース用のトマトだった。
親戚の家族が全員でもいだトマトを、
指定されたプラケースに17.5kgだったか、その位を詰めて一箱できあがり。
それを1日中作っては積み上げ、作っては積み上げ。
出来上がった箱は、一輪車に載せてウネまで運ぶが、
この17.5kgがやたらと重かったのを覚えている。
ひがな1日、ただ只管こればかりを作っていく。
農家の仕事はできないなと悟った。





廃止から4ヶ月。すでに線路は錆び付いている。



親戚の家がまた強烈に「田舎」だった。
土間、五右衛門風呂、外便所、そして庭に納屋、その中に耕運機
という<完璧>な作りだった。
土間にはいつも何かが煤けたような臭いが漂い、
(今思えば永年の竃の煮炊きによる臭いだと思うが)
親戚の家の記憶は、この臭いと共にあるといってもいいくらいだ。
畑仕事の間にとる昼食は、決まってこの土間だったが、
確かに泥と汗で汚れた身体をいちいち洗わずに食事ができるので、
便利だと思った。
五右衛門風呂は直接足を着地させる事ができないため、
丸い踏み板を体重をかけて底にしいて入浴するのだが、
この踏み板がなかなか底に設置できず苦労したのを覚えている。
勿論木造の離れ小屋の中を照らすのは裸電球。
あの暗さからいって、恐らく20Wだったんではないだろうか。
外便所はなにより夜行くのがいやだった。
なぜなら昼に行ったとき、
くり抜かれた穴の中に溜まる汚物の中に、
ハエの子供が大量発生して蠢いているのを見てしまったからだ。
(何か食べながらご覧になっている方がいたら、ごめんなさい)
納屋は一番の遊び場だった。
昼なお暗い納屋の2階へ上がって寝転がると、
屋根に所々あいた木の隙間から差し込む真夏の強烈な光が、
藁を照らしてキラキラ輝かせていたのを思い出す。

家の裏には大きなクヌギ林があり、
ご他聞にもれず、カブトムシやクワガタを採って喜んでいたが、
その林の奥に、崩れかけの廃屋が何軒かあって、
今思えばそれが見たくて虫取りに行っていたのだと思う。
親戚の人に「あの家は使われてないの?」とか、
「あの家はなんで人がいないの?」とか、しつこく聞いては、
廃屋を見に行く理由をでっち上げていたのを思い出す。







お盆になるとお墓参りをする。
近くに共同墓地があるのだが、茨城はこの時代まだ「土葬」だった。
今でも土葬なのかどうかはわからないが、
祖父母を含め4、5回出席した親戚の葬式は、
いずれも土葬だった。
家で葬儀を済ませ、行列を作って棺を墓地へ運ぶ。
墓地では「墓堀り」の人がまだ穴を掘っている最中だった。
棺を墓の横に置いてしばらく待っていると、
墓堀りの人がニヤニヤしながら、
人差し指と中指を上向きにして少しまげ、
引っかけ鍵のようにしてなにかを持ち上げている。
よくよく見るとシャレコウベの目に指を突っ込んでるではないですかぁー!
シャレコウベ、そうガイコツ、つまりドクロ。
「前さ埋めた、ばっちゃんのだっぺ(笑)」
ヲイヲイ、(笑)じゃぁねぇって。

当時は「田舎」としか思わなかったこれらも、
今思えば、東京生活ではとても体験できない、
貴重なものばかりだったと思う。



鉾田駅を後にして、父親の郷里が近かった、
常陸小川駅も見ておこうと向かったが、
こちらは駅舎はおろかホームも駅前広場の電話ボックスも、
線路の間に垂れていた筈の油まで、
全てが完全に城滅していて、
ただ民家に囲まれた広い空地があるだけだった。


■シリーズ鹿島鉄道線:NEXT

 
★ 廃線跡の記録 2 ★

  

KLO@廃墟徒然草による鹿島鉄道線のリポート掲載。
その他、鉄道ファンとはひと味違う、
ワンダーJAPANならではの廃線跡の記録が満載。