私は、このところ排便の際、出血があります。長年私につきあっている「痔」のせいです。私の顔を見て、Kは心配そうな顔をします。「血が出ちゃったよ」、
「あらまあ、いやよね~」、「そうだよね」。こんな具合に、一応お互いに通じ合えるので、これで夫婦の会話はなんとか成立します。 . . . 本文を読む
この病気のKが、最も悔しい思いをしているのは、「言葉を失ったこと」ではないかと思います。自分に起きている体の不調(花粉症で目がかゆい、漏らしたので気持ちが悪い、便秘でつらい、お腹が痛い、寒気がするなど・・・)の訴え、おしっこがしたい、何か食べたい、飲みたい、寝たいという基本的な欲求などから喜怒哀楽まで、Kの意思を言葉で私に伝えられないからです。とはいっても、まったく言葉を失ったわけでなく、私の発する言葉やテレビ、ラジオから流れる言葉、好きな音楽には、的確に反応することができます。ときに私を驚かせ、笑いを提供してくれます。この能力は、ずっと残しておきたい財産です。意味不明なことであっても、相づちを打ちながら、私は極力聞くようにしています。そのうちに、Kの云いたいことが見えてきます。そこから夫婦の会話へ発展していきます。 . . . 本文を読む
最近、認知症について、テレビ、新聞、書籍、雑誌、映画、ブログ、Webサイトで
取り上げられ、関心度が高まっています。ほんとうにありがたいことだと思います。こうした啓蒙活動が、ご近所、市町村、そして国の政治を司っている方々の心を揺り起こして、認知症の人と家族が安心して暮らしていける環境の確立に結びついてくれることを願っています。そんななか、私が住む所沢で、「認知症市民フォーラム」サブタイトル(認知症になってもやさしい町づくり)が開催されました。定員700名満員。皆様は、明日はわが身ということもあって、認知症に強い関心を持っておられるのか、真剣に講師の話を聞いていました。 . . . 本文を読む
今朝5時、Kは起きていました。いつもより3時間も早い目覚めに、どうしたのかなと思いつつ、日曜日だし、「まだ早いから寝よう」と声をかけました。しかし、どうも様子が変。臭いがしました。リハパンの中に、便を漏らしていました。それだけでなく、居間のジュータンの上に、緩い便がありました。認知症が進んでくると、排泄の障害(失禁)が起こるのは避けられないとしても、それを未然に防ぐことができれば、Kも私も安らかな状態を維持できるので、なんとかしてその智恵を知りたいものです。 . . . 本文を読む
先日私は、70歳(古希)になりました。今、私がこうして元気に生きていられるのは、病弱だった私を支えてくれたKのお蔭です。Kが病気になった今、私がKを支える番です。介護・家事を続けていくことは大変ですが、日々体を動かす仕事をさせてもらえることにむしろ喜びを感じつつ、頑張り過ぎることなく、みなさまのお力に支えられながら、たんたんと暮らしていきたいと思います。 . . . 本文を読む
カレンダー3月8日、「14~16:30、マーキホール、認知症市民フォーラム」とのメモがあります。Kが昨日の朝10:45から27時間排尿なし。これでは市民フォーラムには行けそうもない、そう諦めていたら、13:40排尿がありました。息子にKのことを頼んですぐに出ました。電車を乗り継いで、航空公園駅で下車し、急ぎ足で会場まで向かいました。認知症市民フォーラムの看板も見えない、どうも様子がおかしいのです。そのとき、日にちが3月15日であったことにやっと気付きました。 . . . 本文を読む
2月29日19:30NHKテレビの特報首都圏「見つからない支え・若年認知症夫婦愛」
という番組を観ました。群馬県在住のご夫婦のお話でした。奥様(59歳)は若年認知症です。ご主人(64歳)は、県議のお仕事をされながら、奥様を在宅介護されています。 . . . 本文を読む