長年連れ添ってまいりました妻Kは、
よい夫婦の日、令和3年11月22日、
78歳で永眠致しました。
家族思いの優しい人でした。
59歳でアルツハイマー型認知症を発症、
それ以降は闘病の日々でしたが、
それにも耐え頑張った妻には心からの
拍手を贈りたいと思います。
お世話頂いた皆様には、この場を借りて、
厚くお礼を申しあげます。
ありがとうございました。
最愛の妻を亡くして悲しいですが、
妻は . . . 本文を読む
妻は、入院中である。
コロナで2月末に面会禁止となった。
会いたくても会えないとなると、
なんだか生き甲斐を失ったようで、
気持ちが滅入った。
でも、どうすることもできなくて、
ただひたすらに、面会できる日を
じっと待つだけになった。
やっと面会の順番が回ってきた。
LINEビデオ通話による面会である。
スマホ画面に、妻の顔が映った。
面会時間は、5分であった。
妻が会話できないので、 . . . 本文を読む
楽しいこと、気持ちいいことって、
人生という長い時間軸で見ると、
ほんの一瞬に終わってしまう快楽
です。
一瞬の快楽を味わいたいがために、
人生を棒にふってしまうのはとても
もったいない。
長い人生には、我慢しなければなら
ないときがあり、それを乗り越えた
先には、楽しく羽ばたけるときが必ず
やってくると知るべきです。
ここで言いたかったことは、コロナ
ウイルス感染拡大を抑えるために発せ
ら . . . 本文を読む
妻の顔を見ることができなくなって、
すでに1ヶ月以上になる。
夫婦の大切な時間を奪い取った憎い
コロナの脅威はいまだ衰えを見せず、
ステイホームはまだ当分の間続き
そうである。
家にいて、人と接する機会をゼロに
できれば、人からうつされることも
ない、そうすれば人にうつすことも
ない。
コロナとの闘いに勝つ術はこれしか
ない。
だけど、私は日常の食品の買い物、
薬処方箋の病院、気分転換と . . . 本文を読む
3月6日、妻が入院しお世話になって
いる病院から、「新型コロナウイルス
感染症の感染予防のため、面会謝絶」
の報せが届いた。
これで、病棟への立ち入りが禁止と
なって、家族として妻の顔を見ること
もできなくなった。
これまで毎日のように病室を訪ねて、
妻の体調を私の目で確認してきた。
それがコロナによりに閉ざされた。
妻と私の間にある熱いつながりが無残
にも断ち切られた気がして、怒りが
. . . 本文を読む
最近は妻との面会を終えて、4時半
を過ぎて帰路についても、まだ少し
日中の明るさが残っていて、1ヶ月
ほど前と比べて、対向車のライトの
まぶしさに幻惑されることもなく、
安全に運転できるようになって、
ほっとしている。
昨今は、高齢者の運転免許返納が
話題になっているが、私としては
「安全運転」を肝に銘じて、もう
しばらくは運転を続けたいと
思っている。
というのも、私はできるだけ妻を
毎日訪 . . . 本文を読む
15時15分、間も無くおしめと体位交換
の時間、Kはこちらを向いていた。
半眼を開き、天井に目をやっていた。
目つきは、何の思いも考えもなく、
ただ生きているだけの石のように、
私には感じられた。
顔に触れ、軽く頬を叩く、それでも
まだ半眼のまま、顔面に変化がない。
再度叩く。すると私のことをはっきり
認識したらしく、急に、まさに急に、
悲しい顔になり、今にも泣き出しそう
になった。
こ . . . 本文を読む
50年以上夫婦で過ごしてきた私たち、
思い起こせば、人生いろいろ。
1966年、縁あって夫婦となった。
お互い相手を敬い、愛を育んだ。
子育て時代、苦労もあったけど、
楽しくて、幸せなことのほうが、
多かった。
この種の幸せは、続かなかった。
2003年、認知症かもしれないと、
妻は感じていたのか、隠れて
泣いている姿を目にした。
「ぼくたちは、二人で一人、私が
いつもそばにいて、お母 . . . 本文を読む
時間は新元号「令和」へ進んでいく。
私たち夫婦にとって、平成はどんな
時間(とき)だったのだろうか?
平成15年(2003年)、妻のKがアルツ
ハイマー型認知症と診断された。
平成の後半は、妻を介護しながら過ご
した時間だったと思う。
初めてのことばかりで、苦労したこと
もあったが、過ぎてしまった今、思い
返してみると、辛かったことはすべて
消え去って、むしろ幸せな時間だけが
残っている . . . 本文を読む
病室を訪ねると、妻は寝ていた。
いつも寝ていて、寝るのが仕事みたい。
それが彼女にとって一番楽な方法なん
だろうね。だから寝ていていいんだ。
「寝たきり」という言葉があるけれど、
こういう状態のことを言うのだろう。
ただ妻の場合、自力で寝返りを打つこ
とができないので、寝たきりランクで
いえば、最上位に当たると思う。
しばらくして目を開けてくれた。
目線が私のほうに向かってきているよ
う . . . 本文を読む