あの日、妻Kがアルツハイマー型認知症
であると診断されてから、この8月で
私たちには9年目の在宅介護生活となった。
あの日の数年前から、自分の身に起きる
不可解な行動に対し、何かおかしいと、
戸惑いつつも、それがアルツハイマー型
認知症によるものであるとは、K自身も
まったく知ることはなかった。
しかし、買い物や料理などの日常行動で、
思いもよらぬ失敗をしてしまうたびに、
「薄らボケになった? . . . 本文を読む
私のダイアリー(妻の介護記録)には、
次のような記述がなされている。
BF(ヤ、ト+チ、紅、ヨ、り)さ芋。
これは妻と私の朝食内容を表しており、
介護開始以来、ほとんど変っていない。
BFとは、Breakfast(朝食)のこと。
ヤはヤクルト、実際はヤクルトでなく、
Co-opの乳酸ドリンクのこと。
小さなコップに入れ、妻の口元に運ぶと、
おいしそうに飲んでくれる。
ト+チは、トーストに . . . 本文を読む
認知症の人にとって、食事は命をつなぐ
大切な行いというだけでなく、おいしく
食べられることが、生き甲斐や幸せを
感じられる要因となっていると思う。
わが家では、妻も私も息子も同じものを
食べることを、食事の基本にしている。
同じ食卓で、同じものを食べているので、
「おいしいね~」と、私は言える。
「うん」と、妻はうれしそうにうなずく。
「おいしいね~」という返答である。
この短い会話(?) . . . 本文を読む
前回の家族の会で、白十字(株)の社員が
来てくれて、紙パンツやパッドの使い方を
実演により教えてくれた。
パッドのつけ方(女性の場合)について、
私は興味をもって聞いた。
1.パッドを4つのジャバラ(W字)を作る。
(イラストのように)
2.中央の谷部(赤丸)と尿道口とを
ぴったり合わせ、パッドの端が股から
ずれないように装着する。
(ハイレグのようになる)
3.リハパンで . . . 本文を読む
9月1日のデイサービス連絡帳に、
「左側への傾きが見られました」と、
記載されていた。
この病気、体の傾きが起こることを、
聞かされていたし、以前にも妻には
左への傾きが何度かあったので、
またそういうことが起きたのかと、
心配していた。
そういえば、1日朝、デイに送る時、
マンションの4段の階段をいつもの
ように降りることができず、きょうは
調子が悪いなあ、おかしいなと思い、
ふと私の頭によ . . . 本文を読む