K-World (Kの世界)

アルツハイマー型認知症の妻K、
発病後18年目になります。
現在は介護療養型病院に入院中。
(夫Route463)

夜中に「ギャオーっ」と大声

2009-09-28 21:53:05 | ケア日記
昨日夜中に、Kは突然「ギャオーっ」と大声を出して、何かにおびえていた。 怖い夢でも見たのかもしれない。 見えないはずのものが見えたり、聞こえない音や声が聞こえたり、なにか不穏な精神状態になったのだろうか。私は「オレがいるから、大丈夫だよ」と声をかけ、Kの体を抱きしめて、手を握ってやった。しばらくして、Kは落ち着いたが、夜明けまでうつろうつろしていた。 . . . 本文を読む

シルバーウィーク

2009-09-24 00:11:19 | ケア日記
シルバーウィークに迷惑をしている者もいる。 認知症の妻Kを介護しているこの私である。シルバーウィークの間、お世話になっているデイサービスが休日となったため、21~23日までの3日間は、24時間介護。 私から息抜きの時間が奪われてしまった。今やっと、Kは布団に入ってくれた。長い長い5日間がようやく終わり、介護の心労から解放された。 . . . 本文を読む

排泄の介助

2009-09-22 20:36:52 | ケア日記
Kの介護で、いつも私の頭から消えないこと、それは排泄の介助である。認知症のKは、自分の意思で排泄ができない。食べたもの、飲んだものは、いずれ排出する。それは、待ったなしにやってくる。施設介護と違い、自宅介護では、妻の下の世話を「俺にはできない」と云って、逃げることも、誰かに頼むこともできない。 そばにいる私が、介助するしかない。それによって、タイミングよく排泄ができ、お尻のまわりが清潔に保たれているならば、Kは気分よく、心安らかに暮らすことができる。しかし、なかなかうまく排泄介助ができなくて、苦労の連続、これが実情だ。 . . . 本文を読む

バリデーションによる「夫婦の会話」

2009-09-21 17:03:49 | バリデーション
夫婦の会話は、全くなくなったわけではない。Kの言葉は、意味不明な部分が9割だが、ときどき、意味明瞭な単語が含まれる。1割に満たない部分であるかもしれないが、クリアに、私の耳には聞こえる。これは、私にとって宝物みたいなものだ。この宝物をもとに、Kが云いたかったこと、彼女の心の内を読み取ろうとする。しかし、これだけではなかなか読み取れない。そこで、役に立つのが彼女の声の大きさ、抑揚、そして表情などである。言葉は失っても、感情はしっかり残っている。嬉しいのか、怒っているのか、哀しいのか、楽しいのか、彼女の喜怒哀楽は、声の大きさ、抑揚、表情に見事に表現されている。これで、彼女からの要求や訴えはある程度把握できる。幸いに私の言葉はほとんどKに 伝わっているので、夫婦の会話が成り立つ。 . . . 本文を読む

認知症の妻Kの生きる意味

2009-09-20 06:44:18 | ケア日記
Kの障害の中で、私にとって最も辛いものは、なんといっても言葉を失ったことである。Kの言いたいこと、心にあるものが私に伝わらない。夫婦の会話が成り立たないほど、辛いことはない。なんて残酷な病気なんだろうって思ってしまう。Kは幸せを感じていないのではないか?だとしたら、生きている意味がないのではないか? ふと、そんなふうに思えて、私はひどく悲しくなる。生きている意味がないとすれば、死んだ方がいい、ということになるのか? 私は、決してそうは思わない。 . . . 本文を読む

妻の介護は、在宅or施設?

2009-09-14 02:03:02 | ケア日記
妻の介護は、在宅で行うのがいいのか? 或は、施設のお世話になるのがいいのか? そんなことを考えてみた。妻の面倒をみるのが嫌になったからでない。むしろその逆である。もし妻が老人ホームに入ってしまったら、意味不明な言葉であってもそれを聞けない。私の隣に妻は寝ていない。一人寝は寂しい。 負担はあっても、そばにいてくれるだけで、どんなに幸せなことか。今は離れて暮すなんて、考えられない。私が元気なうちは、妻を手元に置きたい。月曜から金曜までのデイサービスを利用し、二人寄り添って暮らしていければと思う。かっこよくいえば、そういうことだけど、理想どおりにいかないのが介護の実態だ。ならば将来に備え、在宅か施設かを、冷静に考えるべきときではないかと思った。 . . . 本文を読む

民生委員研修にてスピーチ

2009-09-10 19:54:41 | ケア日記
地元民生委員から、認知症の人と家族の会へ、民生児童委員の方々が参加される研修会で、「認知症の人の介護にあたる家族のようす」を中心に講演をしてほしい旨、依頼があった。所沢支部の代表をされているHさんから私に、現況を話してくれませんかとの依頼があり、認知症になっても安心して住める町づくりの、ひとつの礎となればと思い、お受けした。2009年9月10日、三ケ島公民館学習室にて、 30名の委員の方が参加され、熱心に、代表Hさんと私の話に耳を傾けてくださった。私は、認知症が進んでしまっていても、周囲の支えさえあれば、毎日を幸せに過すことができるので、どうかよろしくとお願いした。 (本文にて、スピーチ全文へリンク可) . . . 本文を読む

「安心老後」サイトの紹介

2009-09-05 13:34:22 | ケア日記
「便秘」→「摘便」、このあたりの頃からKには、37度前後の微熱が続いている。 咳きや鼻水など風邪にみられる症状はない。食欲もあり、睡眠も充分とれている。 以前、似たようなケースがあったとき、かかりつけ医に電話相談したところ、 「風邪ではないので、薬の投与は不要。暑さのための一種の熱中症かもしれない。 水分補給をしっかりとるように」といわれたことがある。そんな折、「安心老後」サイトの石井さん が私のブログ「K-World」をご覧になって、「安心老後」サイトは、現状介護する中で感じる疑問や不安に、介護関係の専門家からすべて無料で回答が得られるサイトなので、一度チェックしみてくださいと勧められた。早速、「認知症の妻の微熱について」、どうしたらよいでしょうかと、質問した。間もなく、ケアマネジャーで正看護師のAさんから回答が寄せられた。 . . . 本文を読む

「介護殺人」を防げ

2009-09-02 21:44:24 | ケア日記
9月2日18時、NHKテレビ1の首都圏ネットにて「介護殺人を防げ」という特集が放映された。認知症の妻を殺してしまった夫(77歳)が、逮捕されたという悲しい出来事が起きた。夫は、妻を一人で介護し、近所づきあいもなく、介護の限界を感じ、心身とも疲れ果てていた。夫は「かわいそうなことをした」と語った。認知症の人と家族の会 埼玉県支部代表の宮下房江さんは「虐待や殺人の手前で救い合えるよう、地域で支援していかなければならない。しかし、一人で悩んでいる介護者のもとには、救いの手が届いていない」と話しておられた。二度とこのような悲劇を起こさないためにも、介護を一人で抱え込まないようにして、介護者の心と体を守ることが大切だと思う。 . . . 本文を読む