テレビ東京のレディース４という番組に女優の市原悦子さんが出演されました。
市原さんは、介護現場を舞台に、生々しい老いや家族の問題を描いたテレビドラマ「春さらば」で、アルツハイマー気味のおばあちゃんを演じています。老人について次のように語っていました。「老人は何が怖いって、孤独が一番怖い。とくに夜を一人で過ごすのは怖い。誰かがそばにいてくれたら、安心する」。市原さんのこの言葉は、ほんとうにその通りだと思います。 . . . 本文を読む
「幸せの記憶」を蘇えらせ、認知症ケアに役立てている英国の事例をＢＳ１で観ました。私も気づかないうちに同じようなことをＫに対してやっていたと思います。
認知症ケアの効果的な心理療法の一つである回想法もこれと同じではないでしょうか。４２年前、池袋で始まった新婚時代の話。「あのときは楽しかったなあ」と言うと、Ｋは目を輝かせ、表情もイキイキしてきて、「楽しかったね」と答えます。
Ｋの脳裏に「幸せの記憶」が蘇えった瞬間です。池袋新婚時代の「幸せの記憶」は、テーマが果てしなくどんどん膨らんでいって、最後は「良かったね」とか「楽しかったね」となって、二人で抱き合ったりします。こんなケアは夫婦でないとできませんね。 . . . 本文を読む
家族の会企画の施設見学に参加しました。１．特別養護老人ホーム「ところの苑」
２．介護老人保健施設「いるまの里」 ところの苑は、所沢駅から徒歩約11分の
閑静な住宅地にあります。いるまの里は、わが家から車で約20分の茶畑と住宅地にあります。Ｋには、できるだけ慣れ親しんだ自宅での生活を続けさせてやりたい、
と考えています。しかし、そういうわけにはいかなくなることも考えておかなければなりません。そのときのため、こうして見学して、わが家と同様に安心して暮らせる環境（職員と施設）とは何かを勉強しておく必要があると思ってます。 . . . 本文を読む
先日、ＮＨＫ総合テレビのニュースで、４月から「要介護認定の改定」が行われる、と報じていました。その際、重度の寝たきり状態などで、「移乗」の機会が全くなく、介助自体が発生していない場合は、自立（介助なし）と評価されてしまう恐れがあるだろうとアナウンサーが云っていました。寝たきりの人がどうして「自立」なの？「できない」のに「自立」となれば、軽度に判定されるかもしれない。理解に苦しむ改定です。 . . . 本文を読む
3月13日、私は久しぶりのゴルフでした。デイサービスの主任さんにお願いして、
１時間ほど早くＫを預かっていただき、近隣の西武園ゴルフに行きました。
一緒にラウンドした方は、77歳と70歳のお２人でした。いずれもシングルプレイヤーで、こういう上手な人とプレイすると、いい意味でとても刺激になります。
お二人ともとても紳士で、一日楽しくプレイすることができました。日頃の介護ストレスを解消できました。フロントで精算をしようとしたとき、ショップのハンガーにかかっているピンクのベストが目に入りました。私だけがこうして一日楽しませてもらい、Ｋになんだか申し訳ない気になりました。５０％オフという値札も後押しして、Ｋへのお土産に購入してしまいました。 . . . 本文を読む
３月で私は７１歳になりました。Ｋと結婚したのが１９６６年で、私が２８歳のときでしたので、４３年一緒に暮らしたことになる。振り返ってみれば、長いけれど、何だかあっという間でした。まさかＫがこの病気にかかるとは、夢にも思っていなかったので、当初私は一人で随分悩みました。しかし、まわりのみなさまの
暖かいご支援に支えられながら、今では気分的に楽な状態にあります。日々の介護は、老齢の私にとって決して楽なものではありませんが、４３年苦楽をともにしてきたＫの笑顔に接すると、介護の辛さも忘れ、別次元の幸せを感じられる境地に
あるような気分でございます。 . . . 本文を読む
先日、Ｋはいつもより早く起きました。声をかけるのもためらわれて、トイレに連れて行こうかどうか、私は迷いました。なぜならば、起床後にトイレ誘導すると、
Ｋはトイレの方へ行くことを嫌がり、トイレに座っても、何も出ないことがたびたびあったからです。その時は、朝食を摂った後にしよう、私は弱気になりました。
朝食後、ちょっと私が目を離した隙に、Ｋは椅子に座ったままパンツに排尿し、
ジュウタンを濡らしました。 . . . 本文を読む
昨夜の入浴での出来事です。突然、Ｋは浴槽の中で倒れて、顔がお湯の中に没するところでした。あわてて私はＫを引き起こして、「大丈夫か？」と云うと、「・・・」でした。「なにが起きたんだ？」うまくまたげずバランスを失ったため、最初はそう思いました。しかし、私が浴槽に入ってすぐ、Ｋの転倒の原因が判明しました。浴槽の底がヌルヌルだったのです。 . . . 本文を読む