うまさいと

お馬さんは好きですか?

血は受け継がれ、歴史は繰り返す。

2005-07-19 01:52:12 | 競馬
Irish Oaks(IRE G1 T12f)をShawandaが圧勝した件について。

1番人気はMontjeu産駒のDash to the Topでしたが、勝ったのはShawandaということです。昨日もコメントに書きましたし、くろうまさん@Darkhorse Runsにもコメントしていただいております。そして、今日は巡回中にbosrashamさん@海外競馬のエントリを見たのです。そうそう、これがあるから競馬はやめられない、と思うわけです。

少し補足しますと、今年の欧州ではMontjeu(モンジュー)産駒がガンガン暴れまわっておりました。代表例だけでも示しますと
Derby S.(GB G1 T12f10y:英ダービー)のMotivator
Irish Derby(IRE G1 T12f:愛ダービー)のHarricane Run
Grand Prix de Paris(FR G1 T2400m:パリ大賞典)のScorpion
といった具合です。

さて、Montjeuはご存知の通り、日本から長期遠征していたエルコンドルパサーと99年のPrix de l'Arc de Triomphe(FR G1 T2400m:凱旋門賞)において死闘を繰り広げ、その後Japan Cup(JPN G1 T2400m)に挑戦し、スペシャルウィークの4着に敗れています。

ここまでは至極有名なお話なのですが、その後どうなったのか、というのはいまいちメジャーではないのかもしれないな、と。詳しくは有芝まはる殿下@殿下執務室に詳しいのですが、そこでサラッと触れてる部分をこちらで少しだけ補足ということで。

MontjeuはJapan Cupで4着の後、古馬になったMontjeuはTattersalls Gold C.(IRE G1 T10f110y:タタソールズゴールドC)から始動しここを快勝。地元フランスに戻っての一戦、Grand Prix de Saint-Cloud(FR G1 T2400m)で危なげなく5馬身差の圧勝をしてみせ、Dubai Millennium(ドバイミレニアム)とのマッチレースの話も持ち上がりました。これは結局実現しませんでした(賞金面での折り合いだったのか、Dubai Millenniumの怪我が原因だったのかは忘れました)が、順風満帆といった具合で上半期の王座決定戦、King George VI & Queen Elizabeth Diamond S.(GB G1 T12f:Kジョージ)に臨みます。ここには日本から、皐月賞1着、日本ダービーでハナ差の2着だったエアシャカールが挑戦していましたが、結果は8馬身と少し離された5着でした。2着には本格化前のFantastic Light, 3着はDaliapourということで、強敵不在だったとも言えますが、Montjeuは貫禄の勝利をおさめ、古馬世代には敵はいないことを証明しました。

秋はPrix Foy(FR G2 T2400m)から始動します。ここでのタイム2.32.80は同日に行われた3歳馬のPrix Vermeille(FR G1 T2400m)でのVolvoreta(ヴォルヴォレッタ)の2.26.30, Prix Niel(FR G2 T2400m)でDerby S., Irish Derbyの覇者Sinndar(シンダー)が叩き出した2.26.40を大きく下回るもので、古馬になってからは解消気味でしたが、3歳馬の時に持ち上がった「時計が速くなると駄目なのでは?」という疑問を再び蒸し返すことになった、という記憶があります(といってもJapan Cupでは2分26秒前後で走ってはいますが)。そして、その不安通りにArc本番ではSinndarの2.25.8という高速タイムの前に4着に敗れてしまいます。そこまでは私のきっちりした記憶がある(つまりはサラブレ辺りでもフォローされてた)のですが、その後は13日後のChampion S.(GB G1 T10f:英チャンピオンS)でも強行軍が祟ったのか、Kalanisiの2着に敗れました。このKalanisiはGiant's Causewayの前にEclipse S.(GB G1 T10f7y), International S.(GB G1 T10f88y)と連続2着で、Montjeuをやぶっての大金星となります。1番人気で臨んだBreeders' Cup Turf(USA G1 T12f)でも最後方から追い上げるも、往年の力は既に無く、Kalanisiの7着に敗れました。

あとは殿下が書かれているように、Coolmore関係でこの戦績にしては、同年のGiant's Causewayの輝きに比べると微妙にエリートコースからは外れた道筋を辿っていましたが、初年度産駒がいきなりブレイク。今年の3歳戦は、上にこっそりちりばめたDubai Millennium, Giant's Causeway, そして今回のSinndarとこの辺りの世代のトップホースの初年度産駒の豪華競演となっています。

Dubai Millenium(Dubawi)とMontjeu(Motivator)の叶わなかったマッチレースはDerby S.で仔達が実現し、上半期の3歳戦で印象に残るパフォーマンスはGiant's Causewayの仔(Shamardal)のG1の3連勝だったと。そしてMontjeu(Harricane Run, Scorpion+Dash to the Top)の快進撃を止めたのはSinndar(Shawanda)だったと。現役時代に火花を散らしてぶつかりあった、そんなお馬さん達の第二の闘い。

私にとってはこれこそが競馬です。血のロマン。

私が日本の競馬にこの分野での魅力(日本競馬自体は大好きです)が少し足りないと思ってしまうのは、例えばオグリキャップ、スーパークリーク、イナリワンなり、スペシャルウィーク、グラスワンダー、エルコンドルパサーなりの子供が火花を散らしあってくれることがあまり無いからなのかもしれないですが。Japan CupでMotivator, Harricane Run, Scorpionを、シーザリオとインティライミが迎え撃ち、ヴァーミリアンとアイルラヴァゲインが飛んでくる・・・そんな夢を見ることができるのも、また競馬ですね。


今日は大して意味の無いエントリかもしれない、と思うけど、でも、それが自分らしさであるわけだろうなと思うんですよね。ということで、全くニュース的な情報ではないですが、この辺りで。