(写真)死が認められた娘のメリナさんの遺影を持つスサーナ・ブスタマンチさん
(写真)上院議決の日に議会の外に集まった性の権利を主張する人々
アルゼンチンの上院は、末期患者と家族に死の決定権を与える〝尊厳死″法案を承認しました。
立法により、死に瀕している、或いは、不治の病や負傷に苦しんでいる患者は署名のある同意書があれば、治療を拒むことができます。
今までは、治療や生命維持を終えるためには裁判所の命令が必要でした。
上院は、裁判所の承認がなくても性転換をすることができる法案も通しました。
上院議員は〝尊厳死″を55‐0で決定しました。17人が棄権しました。 法案はすでに下院を通過していて、次はフェルナンデス大統領が署名をすると法制化されます。
議員達は、法案は安楽死を認めるのではないということを強調するのに苦心しました。
「患者の自主的な意思を尊重することが目的です」と上院の健康委員会のホセ・カノ委員長が言いました。
退行性疾患の苦痛に苛まれる中で死を嘆願した19才の娘メリナさんの母親のスサーナ・ブスタマンチは新法案を歓迎しました。
「死のような自然な現象は認められるべきです。死は汚い言葉ではありません、権利として与えられているものです。」とブスタマンチさんは言いました。
メリナさんは、昨年、公に訴えた後まもなく亡くなりました。
新法の下で、末期状態の患者や不治の病に罹っている患者は治療を拒むことができます。
患者が自分で語ることができない場合は、親戚や法定代理人に決定する権利が与えられます。
患者や代理人が公証人と二人の証人の前で意思を証明する書類に署名を済ませていることが大きな条件です。
議論の過程で、意思を伝えることができない患者の生命維持を止めたり栄養チューブを外したりすることに憂慮を示した議員もいました。
ローマカトリック教会は、生命維持は止められるべきではないと主張して新法を拒否しました。
上院は、水曜日の会議で性の権利の法案も承認しました。
法案は、国民に自分で選んだ性が公的に認められる権利を与えます。それは場合によっては性転換手術を受けることも意味します。
18才以上の国民は、裁判を受けずに性転換手術やホルモン療法を受けることができるようになります。
**********
アルゼンチンでは尊厳死や性転換手術が裁判所の許可なしにできるようになるようです。日本でも議論になっていますが共に自己決定権の尊重が基本になるようです。
自己決定権とは、自分の生き方や生活について自由に決定する権利で、医療の分野では、患者の最も重要なものの一つとして自己決定権が考えられています。以下の規約によれば自己決定による尊厳死は認められてもいいようですが、生存権を脅かすとして反対する人々もいます。私は認めてほしいと思います。
↓参考資料
国際人権規約(経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約)の第1部第1条には自己決定権が明記されている。
参考・日本国憲法第13条
すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
今朝はひんやりします。これからゴルフに出かけます。
しかし日本はなかなか出来ないでしょうね・・・・