蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

大いなる西部  (bon)

2024-06-18 | スポーツ、芸能、映画

 映画を観ました。 BS3で最近録画していたので・・。

 1870年代といいますから、日本では明治の初めころのテキサスが舞台で、アメ
リカでは南北戦争が終わって、大陸横断鉄道が開通した頃にあたりますが、未だ
近代化されずにある荒涼とした砂漠地に牧場を営む大牧場主が支配するそんな時代
の西部劇なんですね。

  西部劇定番のモニュメントバレーではなく、カリフォルニア州の大牧場一帯と
モジャブ砂漠がそのロケ地で何とも広大な情景が画面いっぱいに常に描かれていま
す。
  原題は、「The Big Country」で、それを表しているのですが、合わせてそこが
すべての世界であってしかも、すでに近代化が始まってきているのをしり目に、
ここでは昔ながらのがすべてを制する式の土地柄をも指しているのでしょう。

          (ネット画像より)

 この映画は、そのような地域の風習を破り新しい価値観によって時代を切り開く
・・そんな意図が読み取れるとともに、主たる人物 5人の性格・習慣等の対比が
描かれていて大変面白かったです。 面白いという娯楽性よりはむしろ、新しい
人間社会の価値観と統制のあり方を示唆する優等生が描かれていたのかもしれません。

 そんな広大な大牧場主を東部出身の一人の紳士がやってくるところから映画は
始まります。 婚約者、大牧場主の娘に会うためにはるばるやってくるのです。
この地域には昔から争っている、特に砂漠の水場の利用を巡っても利権を争って
いる2つの大牧場主がいますが、そんな相手側の息子連中に、嫌がらせされ手荒な
歓迎を受け、婚約者は反撃を求めますが、東部出の彼は穏やかにやり過ごしてしま
うのです。

         (ネット画像より)

 東部出身の紳士(グレゴリー・ペック)は、元船長でガンベルトなどはしない
人格者で、結婚相手の大牧場主の元少佐(チャールズ・ビッグフォード)のところ
に来るなり、娘に密かに心を寄せている牧童頭(チャールトン・ヘストン)から、
荒馬に乗ってみろなどとけしかけられますが、この時も体よく断わりを入れるなど
その行動が臆病に見え、次第に意気地なしと見られて行くのです。

 ある時、一人で馬にまたがり地図とコンパス(磁石)をもって荒野にでかけた時
も、娘やみんなは、未経験者が一人で出かけたのなら当然迷ってしまっていると
心配しますが、元船長である彼は大海原の航海と同じようにコンパスを使って無事
戻ってくるのですが、周りはこのような男に次第に魅力を感じなくなるのです。

 しかし、東部出の彼は、一人で出かけた理由は、両大牧場主の紛争の元になって
いる水利権を所有している学校の女教師(ジーン・シモンズ)のところに行って、
利権を買う手はずを整えたりしていたのです。そして、荒馬にも自らの意思で乗り
こなしたりもして、決して臆病者ではなく勇気のある人物ですが、人にそれを吹聴
するタイプではないのですね。

         (ねっと画像より)

 2つの大牧場主は、いよいよ水利権を巡った争いが緊迫してきた折、相手側の大
牧場主(バール・アイヴス、アカデミー助演男優賞受賞)に、東部出が一人で交渉、
解決に向かうのです。 こちらの大牧場主はむしろ正義派で、水利権問題は解決
するのですが、長年の両者の諍いは激化し、とことん決着をつけるべく行動に移っ
てしまうのです。

                

 
 東部と西部の物事の解決方法の違いの非暴力と暴力が、一人の人物の行動を介し
て忍耐強く見事に描かれていて、それが同時に、大いなる西部の近代化への流れ
として表現されていると思いました。

 ガンによる激しい撃ち合いなどはありませんが、冒頭での疾走する馬の曲乗りや
ロディオの面白さ、人知れぬ二人の決闘場面などそれなりに西部劇を深めるシーン
があります。 撃ち合いやインディアン等との争いなどの見せ場はありませんが、
大きな強い信念が貫かれていたようでした。
 映画の出だしは、東部からはるばる婚約者の元にやっては来ましたが、価値観や
性格などの違いから、結局は、結婚はしないのですね。お互いの心は離れてしまい
ます。

 

 この映画は、1958年に製作、公開されています。 監督、ウイリアム・ワイラー、
原作は、ドナルド・ハミルトン、音楽は、ジェローム・モロスで、アカデミー賞に
ノミネートされた有名な作品です。3時間弱の長編映画でしたがしっかりと楽しめ
ました。

 

 

 

 

THE BIG COUNTRY/大いなる西部 HD

 

 

 

 


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4 コメント

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Unknown (M.S)
2024-06-18 13:26:48
 懐かしいですね。「これがアメリカ映画だ。」と言われているようで。俳優も適材適所。曲はナイトキャップ代わりによく聞くし、それに
”I was alone before.”だもんね! もっともっとこんなのを観たいな。
返信する
Unknown (samgirly)
2024-06-18 18:37:44
体よく断り、道にも迷わず…
私からしてみれば、そのブレのなさが魅力たっぷりに思いますが(笑)
返信する
コメントありがとうございます。 (bon)
2024-06-20 07:44:11
M.S.さん、ホント、懐かしいですね。
私も、以前に観ましたが、今回はしっかりと背景なども印象に残りました。
M.S.さんは、かなりの映画通であったのでしょうね。
返信する
ブレのなさもそうですが・・ (bon)
2024-06-20 07:49:40
samgirlyさん、コメントありがとうございます。
そうなんですね! 秘めたる真の勇気を持ち、おまけに
グレゴリー・ペックですから、外見もかっこよすぎるゥ~
荒くれの中に一人で立ち向かう・・映画ですね!
返信する

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