10日は、雑節の「入梅」でしたが、関東は昨日、梅雨入りしました。強い風でした。
例年、この時期、豪雨などによる災害が発生していますが、今年は新型コロナも
ありますから、3密を避けた避難というのも難しいですね。 どうぞ、穏やかな
梅雨でありますように。
不思議な日本語の続きです。
・いっそのこと
「いっそ」って、いったい何のことか?
いわれてみれば、な~んだ・・ということですが、「一層」(いっそう)が語源
だという説が有力だそうで、「一層」の音が変化して「いっそ」になり、その意味
は、「一層~する」→「より~する」→「中途半端をやめて、思いっきり~する」
となってきたとか。
「とやかく言わないで」とか「思い切って」「むしろ」などの意味で、“いっその
こと辞めちゃえば・・”
文楽(人形浄瑠璃)『艶容女舞衣((はですがたおんなまいぎぬ)「酒屋の段」』
の有名なクライマックスに、「〽去年の秋のわずらいにいっそ死んでしもうたら
こうした苦労は有るまいものを」が浮かんできました。
文楽、艶容女舞衣より
(ネット画像より)
これが普通使われている「いっそ」ですが、goo辞書には、このほか、「かえって」
「反対に」の意味や、「まったく」「たいそう」との意味、さらに、 好ましいも
のをあきらめ、意に添わないことを選ぶときに用いる「どうせ」もあるようです。
・れっきとした
の「れっき」とは一体何なのでしょうか? 「れっきとした家柄である」などと
いいますね。
「れき(歴)とした」に促音「っ」が入ってできた言葉で、この場合の「歴」には、
「歴然」などともありますように、明らかな、はっきりした、という意味を表す
とあり、ある人や物事が、周りからそれであると明確に認められるさま、さらに、
「正真正銘の」「確かな」といったように、価値や存在が確実なものであることを
表す場合に使われるようです。「れっきとした事実」「れっきとした証拠」などが
あります。
また、「歴史」というのは、「史」すなわち「事件、出来事」の前に「歴」を加
えて、この「歴」の意味は「経歴」や「暦法」の「歴」で、人類が経た時間を指し
ているのだそうです。
冒頭の「家柄」については、祖先のはっきりした由緒ある家柄を「歴とした」と
形容するようになったとあります。 なるほど!
また、格式の高い家や人のことを「お歴歴」といいますね。「歴」にはそんな
意味があったのですね。
・カマトト
何も知らないようなフリをして、うぶらしく振舞う女性に対して「カマトト」
と言いますね。 一体どこから来た言葉なのでしょうか? 日本語不思議辞典に、
『「カマ」は「蒲鉾(かまぼこ)」、「トト」は幼児語で魚を指し、カマボコが
魚で出来ているという誰でも知っている話を、「蒲鉾は魚(トト)でできているの?」
とわざとらしく尋ねるところから生まれたそうです。』とありました。な~んだ!
あまり面白くなかったですね。
もともと、江戸末期に上方の遊里で、うぶなふりをした遊女に対して使われ始め、
とあり、戦後は一般の女性に対しても、性的な面での無知をよそおうというような
ときに使われるとありますが、あまり知りませんね。何? カマトトぶってる!?
・かりそめ
漢字で書くと「仮初め」ですが、これは当て字だそうで、もとは「仮染め」、ま
たは「仮様」(かりさま)だったと考えられているとありました。
「仮染め」は文字通り試し染めという意味で、「仮様」は仮の様子という意味のよ
うです。なので、「かりそめ」は「一時的な」や「軽々しい」などの意味となり、
まとめると、
①一時の間に合わせ。その場限りのこと。「―の住居」 ②ちょっとしたこと。
「―の病気」 ③かるはずみなこと。「―の行動」 ④本気でないこと。「―の恋」
とあります。
「かりそめの恋」が「一瞬の恋」「一時の間に合わせの恋」なんていうとまったく
興ざめもいいとこですね。
・へなちょこ
「へなちょこ」は、未熟で取るに足らないとか役に立たないという理由で人をあ
ざけるときに使う言葉です。いったい、どんな由来なのでしょうか? と不思議な
日本語辞典にありますが、これには二つの説があるというのです。
一つは、明治時代の宴席で、ある人が、出てきたお猪口に酒を注いだところ、土が
お酒を吸ってしまい飲めなかったというのです。「へな土」で作った「猪口」で、
「へなちょこ」だと言ってみんなで笑ったそうですが、このことが広まって定着した
という説。もう一つは、「へなへな」に、細かくて小さいという意味に「ちょこ」
をくっつけて「よわよわしくて小さい」という意味で「へなちょこ」といったとか。
しかし、「ちょこ」を「猪口」とするのは、当て字であるとなれば、ちょこまか
と目立たない小さな動作をする・・つまり、へなへなと小さい という意味なのかもしれませんね。
でも、「へな」は、「埴」(はに)で、きめの細かい赤色の粘土のことで、埴輪
でお馴染みですから、そうするとやはり粘土に絡んでくる気もしたり・・。
まぁ、いっか!
埴輪
(ネット画像より)
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