突然なんですが、フト、 学校に行くことをなぜ“登校”というのだろう?
家の前の道を、朝8時前頃に小学生たちが集団登校しています。 帰りは、2時半ごろ、
三々五々“下校”しているようです。
帰りは、下校というのに、往きは“上校”とはいわない。また、学校に用事がある業者
さんが、学校に行くのは“登校”とは言わないですね。
「登校」を辞書で見ると、『授業を受けるために、または勤務するために学校へ行くこと』
とあります。 学校という建物に行くのではなく、勉強のために出席することをいうのです
ね。 なぜ、“登る”なのでしょう?
(ネット画像より)
ネットで、「のぼる」を引いてみました。(bizshiki.comより)
- 登る:労力を費やし、踏ん張って高い所に進むとき
- 昇る:自然と高いところへ進んでいくとき
- 上る:「登る・昇る」の使い方以外
とあり、それぞれに、次のような例示を添えて解説されていました。
「登る」の意味は「意図的に上の方へ移動する。他より一段と高い所へ移り進む」です。
「登」の漢字には「高い所に上がる」や「ある場所に進み出る」という意味があり、「山
を登る(登山)」や「頂上まで登る(登頂)」といった熟語でも使われます。 また、
「他より一段と高い所へ移り進む」という意味で「演壇に登る(登壇)」や「マウンドに
登る(登板)」といった使い方もします。
(ネット画像より)
「昇る」には、次の4つの意味があります。 1:太陽・月などが空に高く現れる。(日が
昇る、朝日が昇る) 2:煙などが上の方へ移動する。(煙突から煙が昇る、天にも昇る
心地、気球で2000メートルの高さまで昇る) 3:人が結果として高い地位につく。出世
する。昇進する。(地位が昇る、高い位に昇る) 4:上方へすすんで高い所に達する。
(エレベーターで昇る、エスカレーターで昇る)
「昇」の漢字は「昇降」「昇天」「昇竜」「上昇」といった熟語でも使われるとおり
「上にあがって行く」という意味や、「昇進」「昇格」「昇給」の「上の官位・等級に進む」
という意味があります。
(ネット画像より)
「上る」は、次の7つの意味があります。 1:下から上へ、低い所から高い所へ移る。
(階段を上る、鮭が川を上る、坂道を上る) 2:地方から中央へ行く。都へ向かう。
上洛する。(都に上る、上りの新幹線に乗る) 3:貴人の御座所近くへ参上する。
(宮中に上る) 4:興奮する。のぼせる。夢中になる。逆上する。(頭に血が上る)
5:数量が無視できない相当の程度に達する。結果として大きな値になる。(来場者は10
万人に上る、損害が1億円に上る) 6:話題や議題として人々に取り上げられて表
(公の場)に出る。(来春の選挙戦のことが話題に上る、地震のことが話題に上る) 7:
用意されて食べ物として供される。(山の幸が食卓に上る、松茸が食膳に上る)
また「登る」の「意図的に上の方へ移動する」という意味や、「昇る」の「太陽・月など
が空に高く現れる」「煙などが上の方へ移動する」という意味で使うときも「上る」と書い
ても間違いにはなりません。
漢和辞典や国語大辞典などを見ても大体このような意味で、「登校」の場合の、授業を受
けるためとか、出席するためのような意味は、残念ながら見当たりませんでしたが、“学問
をする、勉強をする”というのは、その昔、やはり、一段と高い存在であったのではないか
と勝手に想像しているところです。 智慧袋(ネット)などに 「昔、学問といえば寺子屋、
お寺は“山”とも言う少し高いところにあることが多く、そこに行くから」との説がありま
したが、そのようには思われないですね。
登板に対して降板といわれますが、登校に対しては下校・・
また、登録、登記、登庁なども、やはり、登校と同じようなニュアンスがあるのかもしれ
ません。 登庁は、役所に出所する意味で、役所で仕事をするためですし、登記、登録も単に
メモに記録するということではなく、公的あるいは ある定められた帳簿・台帳に記載すると
いう意味ですね。 記録には、スポーツなどの結果の意もあり、新記録、記録更新などの語
があります。
まぁ、どうでも良いことで長々とお時間を頂戴してしまいました。