東京港区芝大門にある「芝大神宮」で、毎年、9月17日の例祭を中心に、9月11日から
21日まで、神輿渡御などの各種神事が行われるお祭りです。それが長期間「だらだら」
と続くために、古来より「だらだら祭り」と言われているのだそうです。
そしてこの期間中に「生姜(しょうが)」を授与しているところから「しょうが祭り」
とも言われているとあります。
なんでも、江戸時代、この周辺に生姜畑があって、盛んに生姜の栽培が行われており、
生姜には毒消しの効果があるとして、農民たちが境内や参道にて生姜を参拝者に販売し
たり、神社にお供えするようになったことから「しょうが祭り」と呼ばれるようになっ
たそうです。その風習が現在も残り、縁起ものとして葉生姜が販売されています。
芝大門といえば、浜松町から増上寺に向かう大通りの芝大門交差点を北に、パークホ
テル方向にちょっと入ったところですから、こんなビルの真ん中で今も行われているん
ですね。
昨日(9/12)、行ってみました。このあたりは、何度も来たことがあるのに、まっ
たく知りませんでしたが、なるほど、ビルに囲まれるようにして、境内というほどのもの
はなく窮屈な感じの『芝大神宮』でした。
17日の大祭には、豪華絢爛なお神輿が曳き出され町内を練り歩き、人出も多く賑わう
そうですが、訪問した日は水曜日で、人影まばらでひっそりとしていました。それでも、
数人の宮司さんは水色、巫女さんは緋色の装束でそれらしい雰囲気はありました。
御成門交差点から、増上寺と東京タワー 大門交差点脇の銅板のレリーフ
(レリーフは、風景浮世絵師の初代安藤広重が、1858年に描いたという、江戸百景の
「芝神明と増上寺」で、当時の賑わいが顕わされています。)
ところで、芝大神宮というのは、歴史が古く、都内で最も古い神社で1005年の創建だ
といいます。 そして、このお祭りが人気となったのは、慶長年間(1596~1615年)に
流行した「お伊勢参り」だというのです。 当時、三重県の伊勢神宮まで行くまでには、
時間と費用がかかるため、江戸の人たちにとっては大変でしたので、伊勢参りの代わり
に、伊勢の内外両宮の祭神が祀られている芝大神宮へ参拝するようになったとあります。
当時の芝大神宮は「関東のお伊勢様」と親しまれ、大勢の人たちに人気があったそう
です。
芝大神宮正面 お社
昨年の様子(ネット画像より) 御膳生姜
別に、「しょうが祭り」といえば、あきる野市のが、ネットで真っ先にでてきました。
この他、八王子、熊本八代などがあるようで、意外と“しょうが”が取り上げられている
のですね。
あきる野市は、9月9日に二宮神社で、矢張り付近で取れた生姜を例大祭の神前に供え、
境内にも生姜売りの店が並ぶなどして賑わうそうです。熊本八代では、10月28日に行われ
るとありましたが、こちらは産業・商工祭りのようです。