大型台風の次は、巨大地震に見舞われました。直接被害に遭われた多くの方々のほか、
停電、断水、交通マヒなど2次的被害を蒙っている多数の人達がおられます。
危険な猛暑、豪雨・洪水、地震、台風・・など、近年の異常気象は多くの災害をきたし、
その結果の大きな悲しみと、復旧に本来必要でない多くの時間と費用が余儀なくされて
います。 少しずつでも、地球規模での対策と改善が求められているのでしょう。
CHAdeMO(チャデモ)は、チャージとムーブを合わせた造語で、日本の高速充電器の
規格名なんです。 つまり、電気自動車EVのバッテリーを充電する方式の規格で、高速
つまり10分以下で充電できる次世代規格を 日本・中国で共同開発することがこのほど
合意されたのです。
チャデモプラグ
(ウイキペディアより)
8月22日の読売新聞のトップ記事に取り上げられていました。
このニュースがスゴイと思いましたのは、日本が中国と共同開発するという点にあり
ます。 17年(昨年)の世界のEV新車販売台数は約75万台で、この内、中国が約47万台
と6割を占め、急速充電器の世界設置状況では、中国が87%、日本が7%、欧州3%とあり、
日本、中国が共同開発すれば、世界の9割超の占有率を握ることとなり、世界標準規格
(世界統一規格)になる可能性が高いということです。
(ネット画像より)
急速充電器規格の現状は、09年に日本の規格「CHAdeMO」を開発したほか、欧州の13年
開発の「コンボ」、中国の14年開発の「GB/T」などが、世界標準を目指して主導権争いを
繰り広げているという。 中国のGB/Tは、日本の技術を基にしているとのことで、今回、
日本の技術と中国の巨大需要が結びつけられたのです。
(ネット画像より)
意識的には、異論のある向きもあるかと思いますが、産業育成・発展の視点から、
“基本技術と巨大需要の結びつき”のモデルは、今後の他の分野へのインパクトとなるの
ではないかと思います。
大気汚染対策等の観点から、EVが大きく期待され、充電スタンドも徐々に整備されつつ
ありますが、現状では1回の充電に要する時間は3~40分かかり、これを短縮する課題を
克服する必要があるのですね。 CHAdeMO(チャデモ)は、“お茶でも飲んでいる間に
充電できる”~なんて、ダジャレています。
中国は、大気汚染対策の強化を迫られているため、国家主導でEVの普及に取り組み、30
年には 年1900万台の販売計画もあるという。 中国の充電器の基礎となる技術は日本から
もたらされたもので、基本的な共通点は多いと言われています。
(ネット画像より)
また、EV普及前の選択肢として、PHV(プラグインハイブリッド車)に、自動車各社は
熾烈な競争に入っているようです。 PHVは、家庭でも充電できる電池で、モーターによる
走行が基本で、電池切れになった場合は、ガソリンエンジンで走る。
電気だけで走るEVに比べて走行距離が長い上、電池切れの心配もないなどの利点からEV
の前段階として急速に普及しそうな状況であるそうです。
新聞(読売新聞8.24朝刊)によれば、昨年のPHVの国内販売台数は、3.6万台で、EV1.8万
台の2倍の売れ行きだそうです。 電気だけで走れる距離、価格の各社比較は、トヨタ「プ
リウスPHV」6 8km、326~422万円、ホンダ「クラリティPHEV」114km、588万円、三菱自「ア
ウトランダーPHEV」65km、393~509万円とありました。
大気汚染対策に向けた取り組みを、自動車のみならず他の広い分野に拡大するなど今こそ
英知を発揮して、頻発する大規模災害から地球を守る努力を継続したいものです。