好事家の世迷言。

調べたがり屋の生存報告。シティーハンターとADV全般の話題が主。※只今、家族の介護問題が発生中です。あしからず。

頭脳プレイ、二転三転。

2024-03-10 | その他ミステリ
『紙の罠』(by都筑道夫)、読了。

1962年初出。
タイトルの「紙」とは、紙幣に用いられる紙の事。
偽札作りを巡って繰り広げられる、目まぐるしい物語。

本の紹介には「アクション小説」とあるが、ピンチに対して体術でなく、アイディアで切り抜ける移植のタイプ。
よって、私としては本作は寧ろ本格ミステリの感覚に近い。
あちこちに伏線が張られており、さかのぼって読み返す度に驚かされる。

と言いますか、正直なところ、軽い気持ちで読むと、そもそも登場人物の動向が分からなくなってくる。
近藤・土方・沖田・芹沢という、元ネタ明らかのキャラ達の、敵味方、陣営が本当にひんぱんに入れ替わるためだ。
キャラ達が新撰組のそれと似通ってるってるなどの特徴があればまだ良いのだが、誰も頭脳派で、今一つ区別がつかない。
女性キャラの洋子と友子は、一層つかみにくい。
連載版と書籍版とでも、名前が結構入れ替わってるとの事だから、キャラ名にはあまり意味ないのかもしれない。
宍戸錠氏主演の映画版もあるそうだから、そっちを見たらイメージしやすくなるかもしれない。

やけに読点の多い独特の文体だが、音読すると意図が分かる。
リズムに乗れば読みやすい。
近いうちに『誘拐計画』も読もう。

それでは。また次回。

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