Ribbon cafeブログ

中味はコテコテの喫茶店でござります。

いとしのマリーちゃん。

2015-02-02 16:26:14 | 与太話


雪の中に小さな足跡を見つけたのは1年前。
足跡の持ち主はまもなく姿を見せた。
小さな白い猫。
子猫かと見まごうような小さな顔とからだ。
目を細めてわたしをみる。
わたしは恋に落ちた。

ある日、同じ顔をした茶色の毛並みの猫を連れて現れた。
白い猫以外はだめなのだ。
その子を追い払った。
今では悔やまれる。
しばらくして、また白い猫だけがやってきた。

そして、季節はめぐり。
雪が降り始めた。
決心をした。

いま、我が家のねこ部屋の片隅にマリーはいる。
ずっと怒りに燃える目でわたしを見る。
長生きの代償として
自由を奪われた白い猫の怒りは収まらぬ。

不思議なことなんだけれど
店の軒先に白い猫の姿を探してしまう。
「マリーはうちに居るじゃあないか。
 自分が捕まえたんじゃないか・・・。」
たぶん、寒さに震えてわたしを見ていた
あの時の静かな瞳を探しているんだ。

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