Kakuma News Reflector 日本語版

カクマ難民キャンプの難民によるフリープレス
翻訳:難民自立支援ネットワークREN
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2020年4月号 LGBTI+ 難民が UNHCR のデータベースの場所をめぐって闘争

2020年07月29日 | 人権
KANEREスタッフライター カリシャ・イテカワ

2019年11月29日、LGBTI+ の難民グループが、カクマの UNHCR のコンパウンド前でキャンプをした。これは新しくカクマに到着し、レセプションセンターに数か月前から滞在していた LBGTI+ が率いる11月6日の抗議の延長である。このグループは UNHCRの オフィスの前で3日間デモを行った後、警備員が守るゲートを力づくで突き抜け UNHCRのコンパウンドに侵入しようとしたため、警察に追い払われた。

新しく到着した人々は主にウガンダ、ブルンジ、コンゴ民主共和国、エチオピア、イエメンからの庇護希望者で、その性的指向への迫害から逃れてきた。しかし難民申請のための書類の処理が遅れている。

あるリーダーの話によると、抗議の目的は LGBTQ の難民登録の遅延と、難民および難民キャンプを受け入れている地元民による LGBTQIへの差別に注意を向けることだという。

そのリーダーは「私たちは請願書を UNHCR に手渡すためにここにいるのです」とKANEREのスタッフに説明した。彼が数えたところ、集会には200人以上が集まった。請願書には、新しく到着した人々の登録をよりタイムリーに行うことと、再定住を含むより良い保護を受ける権利が記載されている。


【写真】カクマ3 のルーテル世界連盟レセプションセンターの近くで旗を掲げる LGBTI+ の難民  撮影:KANERE

苛立った抗議者たちは、登録とステータスを決定する担当部署である難民問題事務局(RAS)への不満を表明した。

報復を恐れて匿名希望した LGBTI+ の抗議者の一人は、次のように説明した。「私たちは UNHCR 事務所とRAS 事務所への懸念を表明するために集まっています。彼らは私たちを難民認定申請者として登録しそこなったのです」

別の者が詳しく説明した。「私たちはマラバの国境を通過し、キタレに滞在しました。 そこで赤十字の助けを借りて、カクマのレセプションセンターに来ました。想像してみてください、このレセプションで10ヵ月間も登録を待っているのです」

リーダーの一人が付け加えた。「レセプションセンターの管理者は2019年11月の初めに、私たち全員が登録証明かマニフェストをもらえると約束しました。でも、それ以降何の音沙汰もありません」

抗議者は、RAS が彼らを新た難民認定申請者として登録することも、ナイロビ事務所から彼らのデータを転送することも拒否したと申し立てている。

「RASは、カクマに新たに到着した LGBTI+ の人たちの登録をこれ以上行わないと言っています。今年の初め以降に RAS が提供したのは、ナイロビからの移動パスのみで、ここカクマでは何の書類も受け取っていません」と、ウガンダから新たに到着したキランガは現場でのインタビューで KANERE に語った。

一部のアフリカ諸国では同性愛に対する処罰は死刑である。アフリカの中で同性結婚が合法化しているのは南アフリカだけだ。

2018年10月に国境を越えたウタラさん は、「ウガンダはそういう人にとって最悪の場所です」と主張した。

ウガンダの法律の145項によると、「自然の秩序に反する肉欲的な知識を持つ者はすべからく法律違反とみなされ、終身刑に処される」

問題のひとつは、カクマの非LGBTI+ 難民が、減りつつある再定住枠の大部分を LGBTI+ 難民に奪われると非難していることにある。

ケニアでは同性愛は違法であり、最長14年の罰が科されるが、カクマはこれまで多くのLGBTI+ 難民が庇護を求められる場所だった。しかし、そうした良き時代は過去のものになったようだ。

昨年(2018年)まで、LGBTI難民は簡単かつ比較的迅速に第三国定住ができた。「2016年にここに来たゲイやレズビアンは見つからないでしょう。皆カナダに再定住しました。私は 2013年からカクマにいますが、何の保護も受けていません。あの人たちは、毎年12月になると抗議活動をして再定住していくのです」と カスさん は説明し、UNHCRが彼のような人々への支援をおろそかにしていると非難した。カクマの不安定な状況にもかかわらず、依然として様々な国から LGBTI の庇護希望者がケニアに到着し、その数は増え続けている。

カスさん のような人々はまた、LGBTI の人々は常に地元民や難民との闘争を引き起こし、メディアの注目を集め関心を呼ぼうとすると主張している。一方 LGBTI の人々は、キャンプが同性愛嫌悪で階級主義であると非難している。


【写真】2018年に行われたデモのリーダーの1人でカクマ難民の旗を創ったモブジラ・モーゼズさん 撮影:KANERE

数か月前、ケニアの高等法院は同性愛者のセックスを禁止する法律を擁護した。さらに、新しい2019年難民法案が国会で可決された場合、LGBTIの難民はここケニアでさらに困難に直面することになる。新法案の29項(2)に従い、LGBTIQ の人々は公衆道徳違反で国から追放される可能性がある。新法案に関する公的協議に参加した人権団体は次のように主張した。「難民の追放や拒否は、国連条約第33条(2)と足並みをそろえ、グループの追放ではなくケースバイケースの追放としなければならない」

アムネスティインターナショナルも「法案には追放の根拠として公衆道徳が含まれており、LGBTI などの少数派グループをターゲットとして考えられた可能性があり、対処する必要がある」と示唆している。

昨年 UNHCR ケニアは、LGBTI 難民はカクマの外にいる方が保護されやすいことを認めた。 2018年12月、UNHCR事務所の前でデモを行っていた LGBTI グループのメンバーが警察に弾圧された後、UNHCRは LGBTI の約200人のメンバーをナイロビに移した。


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