Kakuma News Reflector 日本語版

カクマ難民キャンプの難民によるフリープレス
翻訳:難民自立支援ネットワークREN
著作権:REN(無断引用転載禁)

2020年6月号 難民申請者、カクマのエチオピア正教の教会で自殺を図る

2020年09月30日 | 人権
【写真】難民申請者がカクマのエチオピア正教の教会で自殺を図った。1951年の難民の地位に関する条約に反し、7年間も難民認定を待たされていた。撮影:KANERE

KANEREスタッフライター、2020年3月10日

2020年2月9日の土曜日、一人の難民申請者がカクマ難民キャンプ1にあるエチオピア正教の教会で亡くなっているのが発見された。自殺を図ったとみられる。

この男性はエンダルカチュー・セイフさんという40代のエチオピア人で、友人によれば、2013年に祖国を逃れたという。

友人は「度重なる『権利』取得への試みが叶わず、彼は絶望していました」と語った。『権利』とは、UNHCRと難民事務局(RAS)が発行する難民認定書のことである。

更に友人によれば、難民認定の面談ですべての基準を満たしていたにもかかわらず、男性は7年間も難民認定書の取得を認められなかったという。

「死亡者の身体は木にぶら下がっており、首にはスカーフが巻き付けられていた」と地元警察の調査書は報告している。

2010年にエチオピアからカクマへ来た難民申請者のハシム・ティルン氏は、「難民認定は何年も要する長い道のりだ。しかし、苛立たしいのは、10年も待ち続ける人がいる一方で、ずっと後にカクマに来た人がいとも簡単に難民と認められることだ。」とKANEREに語った。

何年も難民認定の手続きを待ち続けている人々は、自らの未来に対する不安と見通しのなさを感じている。この不安は多くの人々が直面する逼迫した経済状況により増幅し、自らを傷つける行為につながることがある。しかしながら、自殺は精神的な問題であり、治療や防止が可能なものである。

自殺を防止するには、リスク要因を見極め、リスクにもろに直面し更なる調査や助けを必要としている人々を把握することが求められる。

2020年2月時点では、2万3,000人以上の難民申請者がカクマの難民キャンプに住んでいるが、そのうち約3,000人がエチオピアからの亡命希望者である。

エチオピア人コミュニティの長は、「我々は、こうした難民認定の遅れを打開するために関係機関と緊密に連携している。男性も女性も、難民認定の決定が関連機関から下りるのを長期間待ち続けている」と発言している。

2018年以降のカクマ難民キャンプでは、自殺及び自殺未遂の数が男性女性ともに増え続けているが、その大部分は未報告のままである。

先日、UNHCRはウガンダ難民の死に際し、以下のような声明を発表している。「UNHCRは現在の困難な状況において人々の基本的なニーズを満たそうとしているが、難民や難民認定申請者、彼らを受け入れている地元コミュニティの不満が増大していることを憂慮している」



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