Kakuma News Reflector 日本語版

カクマ難民キャンプの難民によるフリープレス
翻訳:難民自立支援ネットワークREN
著作権:REN(無断引用転載禁)

2008年12月号 KANERE、メディアへのアクセスにおける格差を解消

2009年05月15日 | 最新ニュース
1992年にカクマ難民キャンプが設立されて以来、全国ニュース、地方ニュースともに、キャンプの報道環境は極めて劣悪な状態が続いている。

進取の気性に飛んだ難民実業家が情報通信技術を開発したおかげで、難民は電子メディアを使用できるようになった。難民がオーナーを務めるソマリ・コミュニティのネットカフェでは、数年前からネットサーフィンも可能だ。最近では、難民実業家がケーブルテレビのアンテナを購入。キャンプでもケーブルテレビ視聴の個人契約ができる。こうした取り組みはカクマの難民にとって情報へのアクセスの転機になったが、サービスの拡大を阻止する社会的経済的要因により、難民が情報に接する機会はいまだに少ない。

大多数の難民は、主にラジオ放送を通じてニュースを聞き情報を得ている。難民の約7~8割は家にラジオを持っている。VOA(ボイス・オブ・アメリカ、アムハラ語・オロモ語・ティグレ語で放送)、BBC(スワヒリ語、ソマリ語、フランス語で放送)、KBC(ケニア・ブロードキャスティグ・チャンネル、英語・スワヒリ語で放送)などが人気のラジオ局だ。

一方、家にテレビのある難民はわずか5~15%とみられ、個人所有のテレビでニュースを視聴できる人は限られている。家にテレビのある難民の大多数が居住しているゾーン5(カクマキャンプの中心部)では、難民が発電機を所有・稼働させていて、電力を有料で使用できる。キャンプ内には、一般住民がケーブルテレビの最新ニュースを視聴できるレストランやコーヒーショップも数軒ある。

キャンプで活字媒体に接する機会は情けないほど少ない。難民がケニアの主要紙を読むことはほとんどなく、カクマ地域に配布されている新聞は200部を下回るといわれている。新聞の供給業者によると、新聞は人道支援に携わる人たちに販売する目的でナイロビからロキチョキオ経由でカクマに発送されているという。難民キャンプの住民は新聞を通常料金では購入できないだろうというのが前提だ。実際に、難民が新聞を手にすることはめったにない。カクマに到着する数部の新聞は前日のもので、皆は過去の新聞に頼っている。

上記のメディアのほとんどは、全国または世界のニュースを扱っているが、カクマ難民キャンプやキャンプ周辺に住んでいる難民が関心を寄せる地域のニュースはほとんど扱っていない。こうした状況下では、地方紙こそが難民の関心事や問題、懸念について難民のニーズに応えられるはずだ。地方紙により、メディアへのアクセスの大きな格差が解消され、カクマでも公の場での議論や討議を歓迎する基盤がつくられることだろう。



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