Kakuma News Reflector 日本語版

カクマ難民キャンプの難民によるフリープレス
翻訳:難民自立支援ネットワークREN
著作権:REN(無断引用転載禁)

2009年12月号 コレラ発生、多くの難民と地元住民にとって脅威

2010年04月22日 | 健康
【写真】 「コレラを防ぎましょう 手洗いは石けんと水を使って」と書かれたポスター(
訳者注)

キャンプの水不足の解決が難しくなるなか、カクマでコレラが発生した。感染を防ぐため、地元の醸造所とレストランに10日間の休業命令が出された。キャンプのゾーン4、カクマ4や、カロベイエイ、ナティール、ナレムソコニ、ナキルコダパルといった地元の村々では、コレラが大流行している。

カクマの医療施設で働いている関係者によれば、何十人もがキャンプのメインホスピタルに入院し、3人の難民と2人の地元住民がコレラによって死亡した。

キャンプ内のコレラ発症は、カクマ1、ゾ-ン5、グループ58で10月18日に確認された。また新たに再配置された難民のための地域、カクマ4ではフェーズ2が確認された。それ以来、症例の報告が急増している。発生から8週間で、キャンプのメインホスピタルの隔離病棟で集中治療を受けた患者は23人にのぼった。難民コミュニティーは6人の難民が死亡したとしているが、国際救済委員会(IRC)の保健担当職員は2事例だけとしている。信頼できる筋からのニュースでは、感染者はおよそ100人に上ると推定している。

トゥルカナ地区でのコレラの最初の症例は、トゥルカナ湖近くのカルコルで9月1日に確認された。湖は難民キャンプからおよそ100マイル離れているが、カルコルや周囲の村とキャンプの間に住民の定期的な往来がある。これらの村の住民によると、カロベイエイ、ナティール、ナレムソコニ、ナキルコダパルで、コレラの感染者が大量に出ている。

〈保健職員は不衛生な醸造所とレストランを憂慮〉
 
保健職員は地元の蒸留酒醸造所で衛生に対する懸念を表明すると共に、レストランでの衛生基準以下の調理をコレラの発生の一因として挙げた。こうしたレストランは他のレストランより安いので、食物とアルコールを求める地元住民と難民にとっては利用しやすい。

「我々が圧力をかけて接触し化学薬品の噴霧をしかけたとき、そこはアルコールを飲む人達で混雑していた」と、地域保健マネージャーは報告する。「キャンプが水不足なので、流行がこれまで以上に急速に拡がる可能性がある」と、付け加えている。

カクマキャンプと周囲のバーの多くにはトイレがなく、ハエや虫が群がっている。保健担当者は、ますます蔓延しているコレラの感染拡大を予防するため、こうした店の休業を提案している。

〈同胞が死んでいくというのに、アルコールなんか飲めるかい〉

スーダンのグループリーダーは、保健職員の提案を支持する。「今こそ行動に出るべきだ」と、KANEREに語った。そして、次のような論理を披露した。「同胞が死んでいくというのに、アルコールなんか飲めるかい。なんだかだ言っても、みんな危険にさらされているんだ」

何千人に感染するコレラは脅威だと、ほぼすべての人が話すかたわら、バーのオーナーたちは複雑な思いを抱いている。彼らの中にも、コレラの流行で自分達の命が危険にさらされていることを認める者もいる。しかし、キャンプの生活実態は、彼らを自暴自棄にする。「私たちはお金がなくて苦しんでいる。それでお金を得ようとすると、今度はコレラに命を奪われる。私たちにとっては、やむを得ない死ですよ」と、地元のバーの女性オーナーが言った。

地元では保健機関がコレラの蔓延を食い止めるための立ち入り調査をしている。ケニア政府、UNHCR、IRCは共同で、コレラへの認識キャンペーンを開始した。公共レストランは、11月初めに10日間閉鎖された。

政府保健省、UNHCR、その事業実施パートナー、それに難民コミュニティーリーダーによる共同会議で、情報筋から患者数は著しく増加しているとの報告があった。「最初の6週間は、わずかな症例しかなかった。しかし、第7週と第8週は、前の週に比べ症例の増加が著しかったそうだ」と、コンゴのリーダーは会議から得た情報を明らかにした。

会議では、コレラには特有の徴候や症状はなく、長い間「断続的に」続くものだという説明があった。これでは、難民にはわかりにくい。IRCのコミュニティー保健事務所のマネージャーは、コレラを、突然襲う激しい下痢と、その結果、急速な脱水症状を起こす病気と定義した。彼によれば、キャンプのメインホスピタルでは「激しい下痢の症状がある人は、すべて入院させている」という。

カクマキャンプでコレラが流行したのは、これがはじめてではない。コレラは毎年、雨季のはじめに様々な度合いでキャンプ居住者を襲う。


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