Kakuma News Reflector 日本語版

カクマ難民キャンプの難民によるフリープレス
翻訳:難民自立支援ネットワークREN
著作権:REN(無断引用転載禁)

2009年12月号 KANERE編集長、襲撃され家を壊される

2010年04月22日 | 最新ニュース
KANEREの編集長が、突然の火災に続いて襲撃を受け、裁判を要求している。編集長は、自分が難民によるフリー・プレスに関わっていることが犯行の引き金になっている可能性があり、犯人は2009年11月10日の襲撃前から何らかの悪意を抱いていたと確信している。

2009年11月10日はKakuma News Reflector (KANRE) にとって、悲しみに満ちた日になった。この日、現編集長が悪意に満ちた襲撃に遭い、家に火をつけられ家を壊されたからだ。

編集長が学校で副主任教師として仕事をしていると、複数の友人から、編集長の家の隣の敷地から火が出て、彼の家の方に燃え広がっているという知らせを受けた。火事になる前、何人かの女性が乾燥した柵の前で料理をしていた。編集長の家族や友人がかけつけた時、柵は燃えて壊れていたが、編集長の家への類焼は何とか防いだ。

しかし編集長が家にたどり着いた時には、火は家の方に着実に広がっていた。彼は即座にカメラに手を伸ばし、この事件の写真を撮ろうとした。しかし、隣人達に止められた。

「私はすぐさま、なぜ写真をとるのかと言われ、1人の男が私に襲いかかってきた。その間、隣人の何人かが、この人は燃えている柵を写真に撮ろうとした、と文句を言っていた」と編集長は説明する。「襲ってきた男の1人が家の方に飛び出し、私の家のドアを蹴って壊そうとしていた」

編集長はただちにこの場を離れ、この行為を警察とキャンプ警備員に報告した。その夜、カクマ警察署で供述書を書いてから家に戻ると、3人の男が襲いかかってきた。襲撃した者達は彼を脅そうと家の中で待っていた。編集長はひどい攻撃を受け、そばにいた人達が助けを呼んだ。

警察とLWF警備員が救急車を呼び、編集長はキャンプのメインホスピタルに運ばれ2日間入院して治療、その後退院した。

編集長の同僚であるKANEREのジャーナリストが、火事が起きた直後、現場に駆けつけたが、彼も編集長と同じく、近隣の人達に写真をとるなと言われた。そしてその敷地から直ちに出て行けと怒鳴られた。

編集長はメインホスピタルに入院していた2日間、副主任教師として働いているLWFの職場に報告することができなかった。政府機関の公式P3で報告されているように、彼が負傷したことは医学的に診断されている。

編集長は沢山の貴重品を奪われ、家を壊された。

編集長は、彼を襲った3人の襲撃者と以前から対立があったことを認めている。病院から退院した際も、彼は同じ男達から家に戻るのを阻止された。

襲撃者の動機は正確には判らないが、編集長は、キャンプでのフリー・プレスに反対している人道支援団体が関係していると強く信じている。こうした意見の拠りどころは、彼が襲われた際や、その後、帰宅を阻まれ際に、襲撃者達から発せられた言葉にある。彼らは編集長がKANEREに関与している事に反対する発言をし、KANEREは「自分達の再定住の試みを阻止している」という言葉を吐いている。

この事件によって、コミュニティー全体が難民ジャーナリストに反対意見を持つようになるのではないかと、編集長は懸念している。

加害者はまだひとりも逮捕されていない。難民は、ケニアの法廷に犯罪者を訴える手段を持たない。今回の事件のように、襲撃が公然と行われようが、犯人が判明していようが、難民は訴訟を起こすことはできない。

この事件の裁判は行われるのだろうか? 編集長はUNHCRや地元政府からの反応を待っている。


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