Kakuma News Reflector 日本語版

カクマ難民キャンプの難民によるフリープレス
翻訳:難民自立支援ネットワークREN
著作権:REN(無断引用転載禁)

2014年12月号 編集者からの手紙

2015年03月21日 | 編集長からのメッセージ
前号の発行から2ヵ月が経ったところですが、若干ながらカクマに関する重要な記事を再びお送りいたします。

カクマではここ数ヵ月の間、非常に悲観的な出来事が起きましたが、それに対する解決策は容易には見つかりません。主にディンカ族と南スーダンのヌエル族の間で、まるで火山の爆発のように、コミュニティー間の暴力が勃発し、その後、暴力は他の民族にも拡大していきました。それは破壊的で、悲しいものでした。このキャンプでは先例のない、ひどい殺し合いでした。20人以上が殺され、何百人もが負傷し、そして、数千人が強制退去させられました。この号では、殺人と暴力を明らかにすることに焦点を当て、深く探求した記事を載せています。

問題が山積みなのは、カクマの持って生まれた特質のようです! 潜在的な貧困は環境問題に人的問題が加わり、さらに他の自然的問題が加わってより悪化しました。11月21日金曜日に、少なくとも3人の難民がキャンプで起きた洪水によって死にました。 ひどい土砂降りの雨は、粘着力のない土でできた12軒もの家を破壊し、難民は危険な気象状況にさらされました。一方、洪水で死んだ難民のうち数人は、身元がわからないままです。

食糧の配給が削減されて、ほぼ2ヵ月になります。これは、生きるために他のいかなる選択肢も持たない多数のキャンプ居住者にとって悪夢です。何十年も人々を倉庫状態に放置して、行動を規制し、援助に完全依存するように仕向けておきながら、こうした削減をするのは不合理です。その挙句、まるで深い眠りからたたき起こされるように突然、店に自分たちのための食糧がないという事態になるのです! 食糧の供給は、すべての人間に与えられている基本的人権で、その責務は、国連の世界食糧計画が担っていますが、このように飢餓が続くのは、その責務の大失敗と難民は考えています。

明らかに、これは人間倉庫のようなキャンプの状況が大きく影響しています! 次に起こりうる災難として、救命のために必要な難民病院の薬の不足が考えられます。こうしたことが起きることは、誰でも予測できます! しかし毎年、キャンプは何十億ドルという援助を受け取っているにも関わらず、受益者に発表されることは決してありません。援助産業のゲームについては、難民と国際社会に見解の相違がありますが、それは紙上の原則が難民保護の現場の実態とが乖離しているからなのです。

例年より地味ではありましたが、16日間のジェンダー関連の活動は、いくつかの人道支援NGOによって‘祝われ’、ジェンダーによる暴力と子供たちの権利に光を投げ掛けるキャンペーンに貢献しました。国際的に祝われたこの大事な16日間の記念に、本号には障害に耐えている難民から直接聞き取った意見を掲載しています。

新たな年も、一生懸命に報道してまいりますので、読者の皆様も難民の状況を広め、キャンプ内から発信しているKANEREを支援して、記事が明らかにする問題に対処していただきたいと思います。

我々は、報道の自由に基づいたこの出版物へのコメントや提案、寄稿をよろしくお願いします。 難民情勢を重視しながらバランスのとれた有益な記事を掲載していく所存です。

KANEREの編集部は皆様が楽しい休暇とクリスマスを過ごされまうよう願っています!

編集長 カバタ・ボル


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