Kakuma News Reflector 日本語版

カクマ難民キャンプの難民によるフリープレス
翻訳:難民自立支援ネットワークREN
著作権:REN(無断引用転載禁)

2009年12月号 警察が人道支援活動家のためのパーティーを急襲

2010年04月22日 | 最新ニュース
【漫画】 フィルムエイドのオフィス、音楽を聴きながら仕事をしている。
警官: 今日は足で歩いてはいけない。手で歩いて、警察までアンプを持ってこい!
女性: なんですって? 私たち 仕事をしてるんです。本気じゃないですよね・・・? まあ、なんてこと。
陰の声:あいつ、本気よ。最近はこういう無理難題が横行してるの。用心、用心。キー、キー、キー・・・


警察は、カクマ難民キャンプのNGOコンパウンド内のルーテル世界連盟施設で開催されていたパーティーに押しかけ、騒音被害を理由に、司会者を逮捕すると脅迫した。

10月10日土曜日の夜、ルーテル世界連盟の施設で異常な事件が起きた。3人の警官がお別れパーティーに押しかけたのだ。キャンプを離れるドイツ連邦政府技術協力公社(GTZ)の職員のために催されたパーティーだった。夕方の早い時間に、エンターテイメントチームの一団の音楽に夢中になった参加者が、ビートに合わせて踊っていた。

「会場はとてもカラフルで明るく、ビートとダンスが一体になり、陽気で素晴らしかった」と、パーティーの出席者は振り返る。

夜中の12時頃、にぎやかな音楽がぴたりと止み、ホールに居合わせた人たちは皆、驚いた。飲み騒いでいる人たちは気づかなかったが、数人のケニア人警官が現場に到着し、司会者に音楽演奏を止めるよう命令したのだ。

「音楽の演奏を止めろ! 音が30ヤード離れていても聞こえる。これは違法、規則違反だ」と、警官の1人が言ったという。

警官は無言のまま、直接メインスピーカーのところに行ってケーブルを抜き、音楽を停止させた。それから他の警官たちが、司会者は逮捕だと言った。警官たちは、パーティーで使っていた器材はすべて警察署に持っていくと言い張った。しかし器材はGTZのものではなく、フィルムエイド・インターナショナルのものだった。フィルムエイド・インターナショナルは、音楽機器でパーティーを支援すると申し出ていたのだ。

警察は更に、浮かれ騒いでいる人たちが音楽をミキシングするために使っていたマッキントッシュ・ラップトップ・コンピュータやスピーカーも押収したがった。しかしフィルムエイドのスタッフは毅然として、団体所有のものは何であれ施設内から持っていくのを拒否すると言った。

司会者は抵抗し、逮捕の理由を知りたがった。逮捕状を見せてくれとも要求したが、これは提示されなかった。警官は、事前にパーティー開催を知らせなかった上、大音響の音楽は、施設内の住民や周りに住む人たちの迷惑になっていると主張した。

このような緊迫したやりとりが続いているあいだ、パーティーの主催者であるGTZスタッフはずっと座ったままで、何の手助けもしなかったという。一方、フィルムエイドのスタッフは、警察の行為を何とか押しとどめようと努力した。これがもとで、フィルムエイドのスタッフは、パーティーを主催していたGTZスタッフと言い争いになった。

警察は騒ぎを起こし、パーティー出席者を緊張させた。警察は、団体スタッフの申し入れに耳を貸さなかった。午前1時20分頃、LWF施設管理者に連絡が行き、保安要員が到着、警官と交渉しようとした。警察は音楽がうるさすぎるという主張を続け、司会者を逮捕しフィルムエイドの音楽器材を押収すると言い張った。
 
パーティー出席者たちは警官に消え失せろとか、撃ちたければ撃ってみろと、やじり始めたが、警官たちは頑として譲らず、パーティー開催を知らされていなかったと言い張るばかり。実際は、パーティー開催はLWF施設管理者に連絡されていたので、その他諸々の必要手続きはLWFの責任だった。

午前2時、LWF構内管理者はUNHCRの保安部長ムヌベ氏を呼ばざるを得なくなり、ようやく事態は沈静化した。UNHCRの保安要員が現れたのは、警察がパーティーに押しかけてきてから1時間半ほど経ってからだった。

ムヌベ氏はLWF施設管理者とフィルムエイドのマネージャー、それに警官のうちの1人を呼び、話し合いをはじめた。しばらく交渉した後、その夜遅くに合意が整った。

警官は、司会者を同行することも音楽の器材を持ち去ることもなく、パーティーから引き上げた。パーティー出席者はそれを見て拍手喝采した。その傍らでは、飲んで床に寝転がり、酔いを醒ますのに夜明かしする人たちもいた。警察は引き上げたものの、出席していた団体スタッフや招待客の何人かは、気分をそがれ、朝までの予定だったパーティーから立ち去った。

翌朝、人々は侵害されたパーティーについて、こもごもの思いを持った。KANEREは、数人のパーティー出席者に意見を聞きに行った。「音楽は穏やかに演奏されていたし、パーティーの開催はコンパウンドで公表されていたので、音楽がうるさかったというのには首をかしげる」と、あるスタッフは言った。

「警官があんな要求をするなんて言語道断だ。なぜなら、これまでにもコンパウンドではパーティーが開かれているし、我々は、諸団体の責任者すべてを招待してパーティのことは知らせているのだから」と、匿名のフィルムエイドのスタッフは言っている。


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