Kakuma News Reflector 日本語版

カクマ難民キャンプの難民によるフリープレス
翻訳:難民自立支援ネットワークREN
著作権:REN(無断引用転載禁)

2021年9月号 水の出ない蛇口と女性の窮状:水危機が共同体の紛争に? 難民指導者たちの懸念 執筆:トロッサ・アスラト(KANEREボランティアライター)

2021年10月29日 | コミュニティーとカルチャー
【写真】給水栓は乾いたまま。住民が政府機関に介入を求めている。
撮影:KANERE 2021年9月

カクマ難民キャンプの気候は概ね湿度が高く高温(摂氏35度/華氏95度以上)だ。1月、2月、3月は最も暑い月で、気温は摂氏38度/華氏100.4度に達する。

短い雨季は11月から12月で、長い雨季は3月中旬に始まり6月に終わる。キャンプは、棘のある低い茂みがところどころにあるものの乾燥した砂漠に囲まれている。乾季である7月から9月にかけて、水不足に見舞われた。

カクマ難民キャンプはこれまでも水不足を経験したことがあるが、今年ほど深刻な問題ではなかった。2021年7月依頼、各コミュニティで何日も水が出ないという深刻な状況に見舞われた。

「危機的状況になるまでは、ほとんどすべてのコミュニティで1日2回、午前7時から午前9時までと、昼食時の正午から午後2時まで、水が配給されていました」65歳でカクマ3のコミュニティを率い、父親であるゼリフン・レマ氏がこう説明してくれた。

ゼリフン氏のような指導者は、コロナ流行期間中の水危機は危険な結果をもたらすかもしれないと指摘している。

難民たちは乾季が始まると同時に深刻な水不足に悩まされてきた。コミュニティを離れ、水を汲みに長距離を移動し、20リットルのジェリー缶の水を30から50ケニアシリングで販売する違法業者から水を購入しなければならない人もいる。

「私たちの水道は数日間止まっています。NGOや学校、現地事務所の門で半日以上、水を求めて懇願する老婆や子供たちを見るのは辛いものです。私たちはUNHCRとNRCによる緊急の介入を求めています」と匿名を希望するリーダーは言う。

UNHCRの水政策では、1日1人あたり最低20リットルの水を利用することが許可されているが、人々は推奨される最低量を超える水を使用することに慣れている。以前は、大家族の場合、長い行列や潜在的な紛争を避けるために、水を売ってもいいという女性難民から水を購入することを選択していた。

「3か月間も水が不足しているので、20リットルのジェリー缶あたり50ケニアシリングで販売している地元の業者から購入しなければなりません」とカクマ1ゾーン1ブロック5の居住者であるハリマ・アデンは述べている。

人口密度の高いカクマ1では、水不足がコミュニティのメンバー間の対立を引き起こすことになるかもしれない。

紛争の危険を侵したく人々の需要を満たしているのは、水を売る女性たちだ。その一方、カクマ1に住む女性たちは、水を売ることで生計を立てている。

商人たちはエチオピアとソマリアのコミュニティに20リットルあたり20ケニアシリングで水を供給してきたが、地元の村人たちが最近、カクマ1の難民に20リットルあたり50KShの高値で水を販売するようになっている。

「私は毎日300~400ケニアシリングの収入を得ていました。ところが今は、こんな収入は得られません」とカクマ1の水商人レジーナが嘆く。

レジーナのような人々にとって水を売ることは大事な仕事だ。その収入が子どもたちに栄養価の高い食べ物を与えるのに役立つからだ。何年もの間、そのような仕事はレジーナと彼女の家族にとって生き残るための手段だった。

しかし約1か月前に、7人の子供の母親であるレジーナは水を売ることができないという大問題に直面し、生き残るために金のネックレスなど個人的な貴重品を売る羽目に陥った。

「20リットルのジェリー缶の水を手に入れるには、早起きして1日中行列に並ばなければなりませんが、これだけでは私たちの日常の使用量には足りないのです」とレジーナは言う。

貧困と収入機会の欠如はすべての難民に影響を及ぼす。しかしカクマとカロベイエイの女性たちは、家族のために水を探しにキャンプから何マイルも遠くまで行くことが多く、こうした生活を余儀なくされる女性たちはさらに難しい問題に直面しそうだ。

トゥルカナ地方の降雨量は非常に不安定で予測不能になりがちだ。「郡内に雨が降れば、水不足は発生しません」と、カクマ1ゾーン1ブロック4のリーダーであるイブラヒムは言う。


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