Do you climb?

山とキノコとたまにネコ。

2017.11.11 犬の墓道を辿る * 土佐北街道

2017年11月13日 | 笹ヶ峰(大豊町)

愛媛県四国中央市新宮から高知県との境界にあたる笹ヶ峰を越え
高知県大豊町立川へと続く土佐北街道 その脇道の「犬の墓道」を辿ってみた。

昔々、参勤交代があった頃、立川本陣と新瀬川の脇本陣とを犬の飛脚が走っていた。
笠取峠からその犬の墓へと続く道が「犬の墓道」


   

新宮新瀬川にある宝乗寺より南へと続く林道をしばらく走って
取付き地点に邪魔にならないように駐車して
笹ヶ峰と三傍示山から流れ出る新瀬川の支流へと降りていく





   

支流の水流はそんなに無いものの澄んだ水がとっても冷たそう。
先週、※1チマチマ隊の※2アンジーパパさんは素足で渡渉されたそうだけれど
もう立冬を過ぎた清流はじゃぶじゃぶと渡渉するのはキツそうなので
辺りに転がる岩を投げ込んで足場を作って渡渉した。

※1:チマチマ隊とは香川の薮漕ぎの精鋭さん達で江崎隊のあこがれの方々でありその山行記録にとても影響を受けた。
※2:があべらさん(奥様)と黒ラブのアンジー(おいやしさん)と
地元の飯野山に通われたり、登山道普請にご尽力されているロマンスグレーなパパさん。
なんでも食べるアンジーちゃんなので「おいやしさん」とがあべらさんがおしゃっていたけれど
本当は「お癒しさん」だと思う。かわいい!




   

支流を渡るとそこにはトタン小屋があった。
今は使われていない様子だけれど営林小屋だろうと思う。
小屋の前には踏み跡があり新瀬川の支流のまた支流が
右手に見えそれに沿って南東へと続いていた






   

しばらく進むとまた渡渉地点 対岸に踏み跡は続いている
今度は左手に流れを眺めつつ進んでいく







   

わりとしっかりとした踏み跡があり今でも誰かが通っているような印象だった
道のわきにはマツカゼソウと小さな小さなつぼみが準備中のミツマタが多かった







   

羽毛がたくさん。 色や大きさからヤマドリの羽根じゃないかな?
キツネかイタチにでも襲われたのだと思う







   

沢沿いに進んでいく 路肩の弱い部分は石積されていたり









しばらく進むと大きな岩壁が右手に現れた
この岩壁の向こう側にもまた別の沢が流れていた。




   

岩壁には茶碗とリポD







   

そのまま新たな別の沢を右手に眺めつつしばらく進んで
どうやらさっきの沢へと曲がらなければと気が付き引き返すと保安林の看板があった。









リポDの岩壁まで引き返して沢を少し辿ると小さい滝が見えた










右手は岩場 左手は落ち葉の積もった傾斜の急なザレ場 正面は滝









滝を行く。水量が少なくて良かったー!
岩についた苔に手をつくと水分がじんわりとしみてくる









大きめの岩を乗り越えたら小さい滝
左手ヘ行くには小さい滝つぼに浸からないと無理なので右手へ







   

倒木から生えていたニガクリタケ しばらくは沢から少し離れて歩きやすい場所を行く








だんだんと谷が狭まって再び沢へ
左手上に石垣が見えて、右の岩壁にはイワタバコの葉









ここは沢を行く。岩が階段状になっていて歩きやすかったけれど
段差が大きくなって足が上がらなくなって左手へと這いあがった









左手には薄っすらと踏み跡が見えて朽ちかけの間伐材の橋もあった









こう狭まってくると谷しか通るところがない。
この先で小さな2本筋の滝が流れる幅の狭い岩壁面になっていたので







   

またもや右手へ高巻して逃げる 苔に覆われた岩の表面を水玉が走る









そして進行方向左手に現れた落差のある滝








右手を見るとこちらも滝









そして正面は絶壁 左側の滝の上部でピンクテープが風にたなびいていた。
さて、どうやったらあそこまで行けるのだろう?









なんとかルートを見つけて絶壁の上部へと這い上がる








    

登り切るとそこには錆びて朽ちかけた一輪車とアルマイトのたらいとヤカンが転がって
少しだけ平らな広場になっていた。朽ちたトタンもあったので
むかーし、小屋があったのかもしれない。



石積みもあった。赤いのは灯油缶。
何度も通うのは大変だからと小屋を作って杉や桧の苗を植えたり
枝打ちしたり、夜はお酒を飲んだりして過ごしていたんだろうな。

ここを過ぎると辺りにべっこう飴みたいな
プリンのカラメルを作るときに砂糖を焦がしたようなニオイが漂ってきた。

確か何かの樹がそんなニオイを発するとどこかで読んだ?
なんの樹だったか?と記憶を発掘しながら歩く。

それにしてもいい匂い~♪


    

あまーいニオイに鼻孔を膨らませつつ谷を辿って行くと
あったー!ニオイの張本人 カツラの樹!立派ー!
葉っぱはもう全部落ちてしまっている。

でも落葉が雨に濡れると香りを発するらしいので
とても良いタイミングだった!

乾いている葉を濡らしてみても、お香の様に燻してみても
この甘い香りは出ないんだって。不思議。



   

更に岩ゴロゴロの谷筋を辿って行くと二股の谷に出合う。
さてどっちが正解かとグリコ隊長はGPS
私はとプリントアウトした地図とにらめっこする。



もうだいぶ疲れていていつも通り休憩もほとんどさせてくれていないので
集中力もくたびれた。なんとか状況を整理して左へと進路を決める








台風時に流されたと思われるまだ新しい感じの杉の枝が溜まっている







   

両サイドは急斜面なのでやっぱり谷筋を辿って行く
キノコを見かけてうれしいけれど写真に収めるのが精いっぱい







    

這い上がってきた方向を見下ろしたり
これから這い上がって行く斜面を見上げたり







    

雫がしたたる岩壁に阻まれて足場の最悪な斜面を高巻しつつ
やり過ごした先がなろくなっていてホッとする









でもまたその先が急斜面なので意識を黄葉に集中させて
しばらくの間、現実逃避。








だって先へと続くのはこの斜面
左の谷の先は岩の絶壁で右の谷もとっても急傾斜
右側の方がまだ歩きやすそうに見えたので私は右へ
グリコ隊長は頑張って左にコースをとった。






   

右へと言いつついざ行ってみると、足は真ん中の小尾根を辿っていた。
途中、転がる不思議な茶碗~!こんなのが現実逃避に役に立つからいいよね。
岩壁の上部辺りに出ると「こっちがマシで~」と隊長が言うので






   

左側に移動する。先を見て・・・隊長ホントにマシなのか?と思った。
「もう尾根に上がったがマシやないろうかね?」と言うと
諦めたのかな?尾根へと向かう隊長






   

じゃあ私も尾根へ逃げようと見上げるとえずいわーこの角度。
隊長は、もうあんなに上に登っているし。






   

下を見下ろすと高度感があってコワイ。
滑ったらどうしようと思いつつ少しづつ登って行のだけれど
もう少しがなかなか進まない







   

やっと尾根へ乗れた!しばらく尾根を辿ると土佐北街道が見えたー!やったー!







   

土佐北街道に降り立った時はココからはフツウの道だー!と喜んだ(笑
左が笹ヶ峰へと続く道 右は笠取峠~下り付の登山口へと続く道

さあどうしようか?






   

とりあえず笠取峠の案内板を確認に行く。
以前に撮った写真で何度も何度も読んだけれど
もう一度よく読んでみる。








下り付登山口へと続く道 ああこっちに行きたい。







   

けれど引き返して笠取峠へ戻って
土佐北街道の標識の向こう側、下に転がる「犬の墓 新瀬川 土居 」への道標
もうだいぶ朽ち果てて文字も薄くなってかろうじて読み取れる状態。








   

左(西)方向 犬の墓へと続く踏み跡 と 右(東)方向 木地師の里へと続く道
木地師の里への道はしっかりしている感じだけれど先でどうなっているのかは不明
犬の墓道はかろうじて踏み跡があるかな?という感じ。

以前下り付から笹ヶ峰へと土佐北街道を辿った時に
気になった「犬の墓道」
あれから色々調べてみたけれど、気になったという記載は見かけるけれど
辿った、辿ってみたという記録には行き当たらなかった。
四国中央市の観光協会にも問い合わせてみたけれどよく分からなかった。

泉保さんの記録をむらくもさんが送ってくれて何度も読んだ。
アンジーパパさんのログも何度も見た。
衛星写真も何度も眺めてみたけれど百聞は一見にしかずという事で
今回やってきた。
最後の登りで尾根に逃げたので破線と違うところに出てしまった。

この標識から辿るとどう続いているのか、それも確認しなければ!
と疲れ切った身体にムチ打ってココから下る。正直止めておけばよかったと思った。


   

しばらく進むと右上方向尾根の向こう側に踏み跡が薄く続いていた。
杣道だろう。泉保さんの記録には先で潰えていたと書かれていた。
同じように唯一ハッキリとそこにある谷へと降りる







   

割とすぐに往路で辿った谷筋に行き当たり
もういやー!こんなとこを下るのは・・・









滑ってずり落ちたら怪我では済まない。
きっと泥だらけ葉っぱだらけで流血の大惨事だろう。







   

安全第一! 植林帯へと逃げる。







   

植林帯の中は杣道らしき踏み跡がありそれを辿ってみた









杣道を辿っていると先がザレていて道が途切れていた
その先がリポDの岩壁だった気がする
引き返して往路で歩いた谷筋へと下る







   

後は来た時の道を辿って・・・
と思ったら違う場所へと踏み込んでいて、見下ろすと足元が絶壁で引き返したりしつつ
最初に間違えた岩壁の分岐まで出ると後は迷う事も無く
( 取付きから最初のリポDが転がっていた岩壁まではハッキリした道がある )






   

最初の渡渉地点へ戻り 林道へと登り返して無事下山
はぁ・・・お疲れさまでした。

今回、辿った犬の墓道は大小の滝が連続してあり岩場やザレ場
危険個所が多々あり道も判然としません。
コメントでアンジーパパさんが書いてくださっていますが
決して安易な装備や覚悟では入らないでください
もし行かれる場合は充分に注意して危険だと思われる場合は引き返し
くれぐれも事故のないようにして頂きたいと思います。


取付き発 10:00 ~ 最初の渡渉 10:08 ~ リポDの岩壁 10:34 ~ 一輪車広場 11:37 ~ カツラの大木 11:46~
最後の二股の谷 12:28 ~ 尾根 12:57 ~ 土佐北街道 13:02 ~ 笠取峠 13:24 ~ やかん広場 14:14 ~ 休憩 ~
リポD岩壁 14:55 ~ 最初の渡渉地点 15:30 ~ 取付き 15:37




距離 7.8km 沿面距離 8.2km 時間 5:38
累積標高差 + 785m / - 786m


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ブラボー (アンジーパパ)
2017-11-13 22:30:06
本当にお疲れ様でした。私の頭の中はとにかく滝がぎょおさん有って登ったり巻いたり
した記憶しか残ってません。
流れ込みもたくさん有りすぎてどちらへ進むか迷いましたねー。
滝の上部も見通せず少し登ってみたものの
回れ右も有りました。
綺麗なログと写真をありがとうございます。
ここは安易に踏み込んでもらいたくはないですね。
それなりの覚悟が必要と思いました。
実はわたしのGPSは古くて谷間では役に立たないのです。
今回は家内にYAMAPを入れてもらって
利用いました。
返信する
(*´∀人)ありがとうございます♪ (bisco)
2017-11-13 23:41:46
アンジーパパさんも本当にお疲れさまでした!
最初に犬の墓道の話が出てから、かなり日が過ぎてしまいましたがやっと行くことが出来ました。

忠告を書いて頂いて、ああそうだしまったー!と思いさっそく注意書きを足しました。
こういった事に気が回らないとダメですよね (ノω<;)アタタ。

1回目2回目とよくお一人で辿られたなぁとgさんと言いながら歩いていました。
当日はそんなアンジーパパさんの奮闘に我らは励まされ歩くことが出来たのだと思います。

同じ道を辿ることが出来て嬉しく思っています。
こちらこそありがとうございました!

で、次はどこでしょうか?ヾ(*´ω`)ノ゙ ウッヒョヒョ♪
返信する
ブラボーⅡ (むらくも)
2017-11-13 23:53:40
あかんわ、こんなん、怖いがな。
よう行くわ。
絶対に死ぬぞな、生きてかえれんようなる。
死体からキノコ生やすのいやや。

木地師の里、はっきり書いてあるし、道がくっきりあるのや。
うーん。
次はここを行くの?

アンジーパパさん
YAMAPの使い心地はいかがでしたか、妻が使ってるのでときどき見せてもらってますが、ガーミンと比べて断然わかりよいし、便利だわ。
返信する
_(°ω°」 ∠)_三_(°ω°」 ∠)_三 ザッザッ こんな感じで。 (bisco)
2017-11-14 18:49:33
むらくもさんこんばんは。

木地師の里は気になると言えば気になるけれど、なーんかイマイチ興味が湧きません。
犬の墓道は行きはそんなに怖くはなかったですよ。
ルートファインディングをする楽しさがありました。
なので、むらくもさんならひょひょいのひょいと行けてしまう気がします。
そして、ぜひ泉保さんのコースを辿って下さい。
むらくもさんの目線ならどう見えるのか興味深々です~(*´∀`)b
返信する
ちがうかんじ~ (シマチマおいちゃん)
2017-11-14 20:07:11
深々でなしに津々やない?
「津」には「あふれる」いう意味があるげな。

おんちゃんをそそのかっしょったら、死人が・・・
気ぃつけないかんで~~~

たまには、がっつり肉食いたいのぉーーー
返信する
そんなかんじ~ (bisco)
2017-11-14 20:53:17
ぎゅう。
がなんとかと「一枚の画像」に書かれていましたねぇ。
シマチマおいちゃんは、肉をがっつりいっても胃がもたれませんか?
いいなぁ~肉!ちょっとでいいんですけどね。

津々 たえず溢れ出る
深々 ひっそりと静まり返る
まったく意味が違ってきますね。
大変失礼をしてお詫び申し上げます。

「津々」のおかげでなんだか急に天津甘栗が食べたくなりました。
「甘栗むいちゃいました」ではなく
指先を真っ黒にしながらパキっと割って食べるやつ(〃)´艸`)オイシー♪。
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