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ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が公園カウンセリングや原っぱカウンセリングなどをやっています

松木邦裕『耳の傾け方-こころの臨床家を目指す人たちへ』2015・岩崎学術出版社-ていねいなきき方を学ぶ

2025年01月16日 | 心理療法に学ぶ

 2015年のブログです

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 松木邦裕さんの『耳の傾け方-こころの臨床家を目指す人たちへ』(2015・岩崎学術出版社)を読みました。

 初学者用かな?と思って読んだのですが,なかなか奥が深く,じーじの力ではまだまだ理解が十分でないところが多々あったように思います。

 しかし,とても面白く読めました。

 面接におけるクライエントさんの話のきき方をていねいに検討されています。

 特に、精神分析的な心理療法のきき方を学ぶうえではとても勉強になると思います。

 今後,何度もなかみを噛みしめながら読んでいきたい本だと思いました。

 全体的な印象としては,精神分析の大家のみなさんはそれなりに表現は違いますが,しかし,やはり,松木さんも大切なところでは,成田善弘さんや藤山直樹さんと同じようなお考えを述べられているような印象を持ちました。

 もちろん,細部は違うのでしょうが,しかし,大家の言うことにはどこか共通点があるようにも思います。

 今後,さらに深く勉強をしていきたいと思いました。

 後日,再読をした際には,もっともっときちんとした報告ができればと思っています。        (2015 記)

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 2018年秋の追記です

 3年ぶりに再読をしました。

 今回は以前より少しだけ読み込めたような気がしていますが、どうでしょうか。

 面接でのきき方として、共感と受容のための支持的なきき方から精神分析的なきき方までのいくつかの段階のきき方を提示して、それぞれ事例を通してわかりやすく説明をされています。

 事例の描写は深く、多少の失敗も含めて、とても正直に描かれていて、初学者にも勉強になります。

 しかし、それにしても、面接の奥深さのなんとすごいことか、驚きとともに、感動させられます。

 そして、びっくりするのは、段階を経て習熟した技法を、最後にはいったん捨てる、というところ。

 無意識のもの想いを大切にする精神分析的心理療法のすごさが示されます。

 おそらく本を読んだだけではわからない世界、スーパーヴィジョンや訓練分析をきちんと経験しなければわからない世界なんだろうと思われます。

 もっとも、ないものねだりをしても仕方ありません。

 できるところから、勉強をしていこうと思います。

 最後に、松木さんも詩人キーツさんを引用しました。

 わからないことに耐える能力の大切さのところで、キーツさんとビオンさんの言葉を示して、説明をされています。

 考えてみれば、人生そのものがわからないことだらけなわけで、われわれはそこでわからないことに耐えてなんとか生きていくしかないわけですね。

 さらに、勉強をしていこうと思います。         (2018.10 記)

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 ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人)のご紹介

 経歴 

 1954年、北海道函館市に生まれ、旭川市で育つ。

 1970年、旭川東高校に進学するも、1年で落ちこぼれる。 

 1973年、某四流私立大学文学部社会学科に入学。新聞配達をしながら、時々、大学に通うが、落ちこぼれる。 

 1977年、家庭裁判所調査官補採用試験に合格。浦和家庭裁判所、新潟家庭裁判所、同長岡支部、同新発田支部で司法臨床に従事するが、落ちこぼれる。

 1995年頃、家族療法学会や日本語臨床研究会、精神分析学会、遊戯療法学会などで学ぶ。 

 2014年、定年間近に放送大学大学院(臨床心理学プログラム・修士課程)を修了。 

 2017年、臨床心理士になり、個人開業をする。

 仕事 心理相談、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを相談、研究しています。

 所属学会 精神分析学会、遊戯療法学会

 論文「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか 

 住所 新潟市西区

 mail  yuwa0421family@gmail.com 

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山中康裕『心理臨床プロムナード』2015・遠見書房-山中さんと素敵なゲストの対談集です

2025年01月16日 | 心理療法に学ぶ

 2015年のブログです

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 心理療法家・遊戯療法家で精神科医の山中康裕さんの対談集『心理臨床プロムナード』(2015・遠見書房)を読みました。

 精神分析の北山修さんらの専門家だけでなく,詩人の谷川俊太郎さんや哲学の中村雄二郎さん,ドイツ文学の池内紀さん,そしてなんと,漫画家の手塚治虫さんとの対談まで収録されています。

 そんな中でじーじが最初に読んだのが精神科医で心理療法家の成田善弘さんとの対談でした(じーじは実は成田さんの大フアンでもあります)。

 この対談がとても面白かったです。

 成田さんはもう大先生で,じーじはいろいろな学会で,そのお姿をお見かけしたり,お話をお聞きしたりしていますが,成田さんははずかしがり屋さんのようで,いつも目立たないようにひっそりとされています(でも,背が高いので目立っています。すみません,成田さん)。

 山中さんと成田さんは中学の同級生ということで,お二人とも精神科医になられてから再会をされたとのことですが,静と動の対照的なお二人ながら(?),私も尊敬をしているような共通の先生がたとのお話も数多くあり,お二人の発言からいろいろと学ぶことがありました。

 お二人とも患者さんを大切にする姿勢がすごいと思いますし,とても熱いです(山中さんが熱いことは以前からわかっていましたが,成田さんも内面は相当に熱いです)。

 じーじも少しでも真似をして,熱く,そして,いい臨床家になりたいと思いました。        (2015.4 記)

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 2021年3月の追記です

 久しぶりに再読しました。6年ぶり。

 いい本なのに、勉強不足です(山中さん、ごめんなさい)。

 再度、読んでみると、前回、読み落としてしたことがいっぱいあって、もったいないことをしてきたな、と反省です(当時のじーじの力量では理解できなかったのだろうとは思いますが…)。

 今回、特に印象に残ったのが、北山修さんとの対談。

 精神分析家北山修さんの誕生の秘密がわかります。

 二人の掛け合いもとても愉快で面白いです。

 ユング派分析家の武野俊弥さんとの対談も刺激的です。

 武野さんは統合失調症の患者さんのための箱庭療法を工夫されたかたで、その臨床感覚はすごいです(さっそく武野さんの本を一冊注文してしまいました)。

 6年といわずに、また近いうちに再読をしたいな、と思いました。         (2021.3 記)

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 ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人)のご紹介

 経歴 

 1954年、北海道函館市に生まれ、旭川市で育つ。

 1970年、旭川東高校に進学するも、1年で落ちこぼれる。 

 1973年、某四流私立大学文学部社会学科に入学。新聞配達をしながら、時々、大学に通うが、落ちこぼれる。 

 1977年、家庭裁判所調査官補採用試験に合格。浦和家庭裁判所、新潟家庭裁判所、同長岡支部、同新発田支部で司法臨床に従事するが、落ちこぼれる。

 1995年頃、家族療法学会や日本語臨床研究会、精神分析学会、遊戯療法学会などで学ぶ。 

 2014年、定年間近に放送大学大学院(臨床心理学プログラム・修士課程)を修了。 

 2017年、臨床心理士になり、個人開業をする。

 仕事 心理相談、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを相談、研究しています。

 所属学会 精神分析学会、遊戯療法学会

 論文「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか 

 住所 新潟市西区

 mail  yuwa0421family@gmail.com 

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BSシネマ「グッドモーニング、ベトナム」を観て-じーじのじいじ日記・セレクト

2025年01月16日 | じいじ日記を書く

 2022年1月の日記です

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 今日のBSシネマで「グッドモーニング、ベトナム」を観る。

 主演ロビン・ウィリアムズ。

 ベトナム戦争下の米軍ラジオ兵を描く。

 とても複雑な映画だと思う。

 しかし、魅かれて一気に観る。

 こういう映画をつくれるところがアメリカのすごさだと思う。

 真面目だけでなく、ユーモアも豊富。

 テーマは戦争だけでなく、組織、個人、友情などなど、多彩。

 いろいろなものが詰め込まれていて、それでいて、美しい。

 いい映画を楽しめた。        (2022.1 記)

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 同日の追記です

 映画の中で、主人公を嫌いで、意地悪をする上官が出てくる。

 ある人が嫌いな時には、河合隼雄さんによれば、それはその人が自分の生きていないこころの影の部分を生きているので、いろいろ刺激されるためだ、という。

 それがわかったからといって、すぐにその人を好きになれるわけでもなさそうだが、そういうこころの無意識のからくりがわかると、少しは対人関係の持ち方も変わるかもしれないな、と思ったりもする。

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 2023年5月の追記です

 またまた、BSシネマで「グッドモーニング、ベトナム」を観る。

 何回観ても、すごい映画だと思う。

 今回は特に、組織との軋轢で、放送が厭になった主人公に、後輩が、現場の兵士が聴きたがっているんだ、と説得をする場面がすばらしいと思った。

 組織より現場を優先する主人公たちに共感ができて、うれしかった。         (2023.5 記)

 

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