我一期栄一杯酒(われいちごさかえいっぱいのさけ)、四十九年一酔間(しじゅうきゅうねんいっすいのあいだ)、
生不知死亦不知(せいをしらずしまたしらず)、歳月只是如夢中(さいげつただこれゆめのなかのごとし)
上杉謙信(けんしん)[1530-1578] 『藩翰譜』
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天正(てんしょう)6年(1578)初頭、謙信(けんしん)は、関東からの出陣要請に応じて動員をかけたが、病に倒れ、3月13日、その生涯を閉じた。辞世に「四十九年一睡夢、一期栄華一杯酒」が伝わるが、あるいは「四十九年夢中酔 一生栄耀三盃酒」と筆を執(と)ったともいう。また、ここに掲げた詩も伝わる。わが一期の栄華は一杯の酒、四十九年はひと酔いの間、生を知らず、死また知らず、歳月はただこれ夢の中のごとし。酒を愛した謙信らしい詩であろう。
魂を揺さぶる偉人の一言「名将名言録(平成23年版)」
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