中間玲子のブログ

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聴覚の世界

2017-05-05 22:44:08 | 生活日記
昨日,LEAN ISSUESについて書き,スロープと和室がよかった!と書きました。

それはどんな展示だったのかというと,
「聴覚」に訴えるアートでした。

スロープのところを上っていく途中,
何か音がする…と思いつつ,
上の階でダンスでもしてるのかな?などと考えてたのですが
スロープを登り切ったとき,その音に正体はなく,
実は下からずんずんと迫ってくるものであることに気づいたのです。

「こわい!!」というのが最初の正直な気持ちでした。

音はすれども姿は見えず…というのは,日常少なくありませんが,
その音が迫ってきて,しかも我が身を通り過ぎて行く,というのは
とっても不気味な感覚でした。。。

さらにそれに慣れてくると,その聴覚を頼りに,
視覚が一生懸命に像を作ろうと努力し始めるのを感じます。

それでも何も見えませんし,音の位置を定めることもできないのですが
なんとも不思議な感覚でした。


そして和室はというと,
6畳程度の部屋2つのガランとした薄暗い空間があるだけ。

またまた「????」と思っていると

そこに常駐されてるスタッフのおばさま(別の方)が来られて

「音だけなんですって」

とのこと。

有名な「4分33秒」を原案とした,
その空間に4分33秒の音が流れるというものでした。

睡眠不足であったことも手伝い,
目をつぶって雑踏の音に集中すると,
またまたトリップ感を楽しむことができました。
もちろん本気でトリップしてしまっているわけではなく
ちゃんと,今,自分は和室にいて,音に耳をすませているのだという
現実的な感覚は持っているのですが,それでも目を開けた時に
「ああ,やっぱりここは和室だし」と,軽く驚く程度を楽しめるくらいには
「聴覚に支配されての浮き世離れごっこ」を楽しむことができました。


この,「聴覚」だけの世界に放り込まれる体験は,
ふだん感じ取れない感覚の感じを味わうことができてなかなかよかったです。


あくまでも私の場合は,ですが,

「聴覚」の世界に放り込まれると,そこから「視覚」が活性化される感じが
普段あまり感じない(感じていたとしてもとらえきれない)身体感覚で
それが新鮮で楽しかったです。


現代アートの絵画など,視覚だけのものは,どうしても「なんだこれ?」と
意味やコンセプトをあれこれ推測して,理解しようとしてしまう。
そこから何かを聴いてみよう,と聴覚が活性化されるというよりは
すぐに思考に行ってしまうのですね。

別の感覚で遊んでみたらよいのに,
どうもそのパターンが飽きもせず作動しているようで。


なので,聴覚のチャンネルから初めてみる,という体験をしたことで
自分がいかに一部の感覚しか使っていないかに気づき,
身体全部で感じ取るとは何か,といったことを考えるきっかけとなりました。


※4分33秒については,非常にわかりやすい解説がありました。
こちら

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