中間玲子のブログ

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動機づけについての質問(2)

2011-06-23 18:41:59 | 授業日記
動機づけについて話をしていたのですが、
こんな意見もありました。

「学んでいることは、これまで起こってきたことなどについて
「そうだったのか」「なるほど」という気持ちになりますが、
では、どうすればいいのか、と思います。
たくさんの有効なインプットがありますが、
具体的に動けないもどかしさを感じます。」

「心理学で得られた動機づけ理論はたくさんありますが、
どの理論も納得する部分はいずれの理論にもあります。
ただし、課題はそれらの理論を現実の場面にどのように
応用するかという点だと思います。
(中略)そこで生まれる疑問は、
「複雑な現実場面をいかにその場で状況を整理
(分類・取捨選択など)して、自分の行動に反映させられるのか」
という点です。
知識(心理学理論を知っている)ことが条件でしょうか。
それとも、経験にもとづく直観なのでしょうか。」

→心理学をどう応用するかということに関わる話ですね。

 理論がどう役に立つのか、ということについてですが、
 動機づけに限らず、理論というのは、
 まず、現場で何が起こっているのか、
 それを整理する視点や枠組みを提供してくれると思います。
 また、表面的な問題の裏にあるしくみも知ることが
 可能になることもあるでしょう。

 つまり、現状をよく理解する、という点で役に立つと思います。

 もちろん、現実場面では、とっさの判断も必要でしょうが、
 それについても、その後、その行動の意味を考える必要があった時、
 何らかの視点をもっていれば、
 色々なことを掘り下げて考えることができます。

 その際、多様な観点から考えるのが有効ですので、
 知識はあるに越したことはないと思います。

 現状を理解することがなぜ重要かというと、
 それに即した対応を考えることに役立つからです。

 とはいえ、心理学の理論は、平均をベースに構成されていきますから、
 むしろ、その理論で理解できない子どもなどが
 現場で重要な問題になっているのだろうと思います。

 それでも、平均をベースとした一般的な理論を知っていることは
 必要だと思います。
 問題になっている子にも、当然ながら、
 一般的な心理学理論で理解できる部分はあるからです。

 …と、理論は使える、という点を強調して書きましたが、
 当然ながら、理論だけ知っていれば現場に対応できるかというと
 そんなことはないでしょう。
 何かの問題を解決するための万能な理論は当然ながら、ありません。
 
 それでも、手持ちのカードが増えるのは
 悪くはないことだと思うのです。
 (もちろん、手持ちのカードを増やすことだけに執心すると
  本末転倒になってしまいますのでそれは問題外です。)

 たとえそれが1枚だけでは使えないカードであっても
 何か別のカード(それは“経験知”かもしれません)と
 組み合わせることによって、効力を発揮してくれるものに
 なるかも知れません。
 
 そのやり方については、模索していくしかないですね。

 次回からは、この辺りも補足して伝えられたらいいなあと思いました。