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没後70年 吉田博展

2021-07-23 15:22:43 | 美術[や]
「没後70年 吉田博展」@静岡市美術館

 吉田博展を見てきた。あちらこちらで吉田博の作品はちょこちょこ見ているが、まとまった量を見るのはこれがはじめて。きっちり描いてある風景画が好き。日本よりも海外で有名だった画家だという。吉田博という名前がすごく普通すぎて素通りしちゃいそうな画家だ。たとえば同じ明治の版画家、川瀬巴水なんていかにも巨匠っぽい普通じゃない名前なのに、吉田博くん、吉田くん、なんかいろんな島根県とかに居そうな名前だし。

 吉田は最初、西洋画の油彩や水彩で活躍していたが、49歳で木版画を始めたという。陰影をつけた西洋画を木版画で表現してやろうというチャレンジ精神に満ち溢れていた人だったようだ。精緻な作品を目指した吉田は多色摺りマニアだったようで、《陽明門》を描いた作品は96回摺り重ねたという。やりすぎじゃろ!摺師が気の毒だ10回摺りぐらいでいいべ?って思っちゃいがち。

 夏場は題材を探しに各地を旅して、冬から春にかけて制作をしていたという。吉田はなんか気に入らないことがあった時に、対立していた黒田清輝をぶん殴ったことがあるらしい。今ならすぐ防犯動画拡散されて逮捕されちまう。

この展覧会では木版画200点と油彩、水彩、写生帖などを展示している。中でも横幅が70cm以上ある「特大版」という木版画は見栄えのする逸品。大きな桜の木が伐られて売りに出されることを知った吉田がそれを版木に使用したので大きな版画が出来上がった。

この展覧会は、
2019/10/26~2019/12/22 河口湖美術館
2020/10/16~2020/12/13 福岡県立美術館
2021/01/05~2021/01/18 京都高島屋
2021/01/26~2021/03/28 東京都美術館
2021/04/01~2021/05/30 パラミタミュージアム
2021/06/19~2021/08/29 静岡市美術館
というふうにどさ回りしている。静岡で最後なのかどうかは知らない。


《光る海》 ダイアナ妃が買って執務室に飾っていた作品


《ウダイプールの城》 異国情緒たっぷりなインドの風景


《神樂坂通 雨後の夜》 路面のぬめり感が妖しげ


《亀井戸》 88回摺り、まんまる太鼓橋が印象的、橋上人多杉


川瀬巴水の《亀戸の藤》と比べてみる。どちらの亀戸天神も綺麗!



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