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須田悦弘展

2012-11-11 15:08:55 | 美術[さ]
「須田悦弘展」@千葉市美術館

 木彫りで本物そっくりな草花を造る須田悦弘(よしひろ)の個展が千葉くんだりで開催中。作品を展示するためのコンテナのような物まで自作したそうで、ひとりずつ靴を脱いでその中の作品を見て戻るシステム。混雑でもしたらちょっと辛いシステムだ。

 しかし須田氏の得意技は「あえて見逃しやすいところに展示する」という、いたずら小僧的な展示システムである。衝立の裏側にひっそりと咲く花、真っ白い空間の隅っこに舞い落ちた木の葉の欠片、というような意表を突いたディスカバージャパンが今回も随所に仕掛けられていて、それを知っている館内スタッフと、気付かずに通り過ぎる観客の無言の化かし合いバトルが繰り広げられている。出口まで来てなんかこうモヤモヤっとした気分が晴れないのでスタッフに聞いてみたら、やはりひとつ見逃している作品があることがわかり逆戻り。ここかよ! 他の人が群がっていれば気付くだろうが、普通ならここは通過するだろう。通路だし・・・

 須田氏が千葉市美術館所蔵品の浮世絵などから選んで展示する「江戸の美」では、木彫りの草花が競演。屏風絵からハラリと落ちたかのようにポツンところがる花、絵巻物の中の雀が突っつき損ねた米粒、この必然的なコラボレーションは秀逸。というか米粒を実物大に木彫りする須田氏の存在自体が珍しい。

 この美術館は旧川崎銀行千葉支店のビルで、1階にある「さや堂ホール」は高い天井と白い円柱が威厳のある空間を作り出しているが、今回はさや堂ホールでも作品を展示している。作品と言っても小さな木彫りの花なので、しっかり目を見開いて探し出さなければならないが、あまりにもがら~んとした場所なので、それほど見つけ辛くもない。会場内は一部の作品を除き、写真撮影可能となっている。デジカメは忘れずに。


展示するコンテナも自作


さや堂ホールにも作品が隠れている


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