ざっきばやしはなあるき  

雑記林花或木 Since 2005-01-01 
美術とか映画とかなんとなくぶろぐ 

超絶技巧、未来へ!

2023-11-04 15:27:33 | 美術[た]
「超絶技巧、未来へ!」@三井記念美術館

 何年かに一度現れる恒例の超絶技巧展覧会。今回も明治工芸と現代アートのコラボレーション。大好きな並河靖之の七宝花瓶や正阿弥勝義の金工細工、安藤緑山の野菜果実などと共に、単眼鏡で見たい細密な現代作品が並んでいる。

 材料は木や金属だけでなくガラスや紙、刺繍などさまざま。それなのに、目の前にあるモノが木でできているなんて信じられない、こんなうにゃうにゃしたモノが陶器だなんて信じられない。写真のように見える水墨画だって、紙で作った運動靴だってスゴイ。そういうホンモノそっくりのニセモノのような作品を見る時の、頭のねじが外れている感覚がいちばん面白い。

 写真撮影可能な作品もいくつかあって、SNSにアップされたがっていた。この展覧会は11月26日まで。

福田亨 《吸水》蝶も水滴も[木]、水滴は磨いてつやを出しただけ


稲崎栄梨子 《Amrita》:一個一個が[磁器]で持ち上げれば動く


前原冬樹 《スルメと茶碗》:一木彫のスルメ、割れた湯飲みも[木]


彦十蒔絵 若宮隆志 《「ねじが外れている」モンキー、工具箱、ねじ》:[木]と[漆]


 若宮氏の作品タイトルにある「ねじが外れている」とは、金属工具を金属じゃないもので作るような自分は「頭のねじが外れている作家である」というようなニュアンスを込めている、というようなキャプションがあった。そういう意味ではこの展覧会の作家は全員「ねじが外れている」のかもしれない。それらを見ている観客もポロポロとねじが外れていく。何年後かに始まる次回の「超絶技巧展」は「ねじが外れている展」という名前になっても不思議ではない・・・のか

コメント    この記事についてブログを書く
« 『ザ・クリエイター/創造者』 | トップ | ここへきて やむに止まれぬ ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

美術[た]」カテゴリの最新記事