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ざっきばやしはなあるき  

雑記林花或木 Since 2005-01-01 
美術とか映画とかなんとなくぶろぐ 

清川あさみ|美女採集

2012-04-30 09:08:23 | 美術[か]
「清川あさみ|美女採集」展@表参道ヒルズ

水戸芸術館でやっていた美女採集がなんと無料で開催されている。美人女優シリーズとAKBシリーズはもちろん、池麺シリーズも追加、ハーゲンダッツとのコラボで、美女ケーキとかなんだかスイーツな物件も展示してあった。会期は5月6日まで。それぞれの美女作品が載った最新図録も発売していたけど、全員は載ってないんだよなぁ。
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かんなみ仏の里美術館

2012-04-20 19:31:57 | 美術[か]
かんなみ仏の里美術館

 熱海と三島の間に位置する田方郡函南町に4月14日にオープンした「かんなみ仏の里美術館(ほとけのさと)」に行ってみた。ここには24体の仏像が常設展示されている。これらの仏像は明治30年代から、150mほど離れた所にある桑原薬師堂に安置されていたもの。平成20年に桑原区から函南町に寄付されたのをきっかけに美術館を作って保存することになったとのこと。

 館内には大きめな薬師如来坐像を中心に、頭に十二支を乗っけた十二神将や阿弥陀三尊などが展示されている。24体を置くために造られた部屋なのでたいして広くはないが、照度を落として特別な雰囲気を醸し出している。惜しいことに十二神将の手首はほとんどどっかいっちゃってる。かっこいいのはやや黒光りした阿弥陀如来坐像。康慶の弟子の実慶の作とされている。


 庭園から見た「かんなみ仏の里美術館」


 桑原薬師堂がある長源寺の屋根越しに見える「かんなみ仏の里美術館」

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ゲルダ・シュタイナー&ヨルク・レンツリンガー

2012-03-04 23:24:24 | 美術[か]
「ゲルダ・シュタイナー&ヨルク・レンツリンガー - 力が生まれるところ」@水戸芸術館

 Gerda Steiner & Jorg Lenzlinger -Power Sources

 スイスの霊能力者、じゃなくてインスタレーション・アーティストの展覧会。なんたらの結晶を育てたり、涙の結晶を顕微鏡で見たり、なんちゅうか、まあ、よくわからないカテゴリーの参加型展示などいろいろ。

 幕をくぐって個室で虫眼鏡を使って妙なモノを見る展示は、個室ラーメン「一蘭」と勘違いするぞ! あ、しないか。寝っころばる展示もふたつほど。

 会期中に結晶がどんどん育つからまた見に来てね、という宣伝も忘れてない。誕生釈迦仏のようにひしゃくで苗床に結晶液をかけてきた。なんだかわからんが元気に育つであろう。全体的にユル~~~い感じ。

 この展覧会に限り、写真撮り放題、じゃんじゃんブログで発信していいよ、とかいう太っ腹企画。これ幸いといつもは撮れない水戸芸の展示室内部をパチリ、カシャリ。

《歩く茂み》 茂みを押して歩いていいよ、という屋外作品


エンジンに生える結晶


第一展示室の天井


展示室の折り返し地点


震災で壊れたパイプオルガンも修復完了間近。3/15完了予定だとか
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片桐仁(ラーメンズ)個展

2012-02-27 22:49:17 | 美術[か]
「片桐仁(ラーメンズ)個展 ジンディー・ジョーンズ「感涙の秘宝」展」@ポスターハリス・カンパニー

 片桐氏の発掘した秘宝だか手作りした秘宝だか知らんが、すごいインパクト、ごてごてした重量感と悲しくなるような存在感がツボにハマる。へんなものがいっぱい並んでいる個展、狭いので入場制限したりするほど大盛況。3作品だけ写真撮影可能ということで、遮光器土偶の形をしたペットボトルケース。これなどはまだかわいいほうで、もっとすんごいもんがおるでぇ。とかいってうろうろしてたら片桐氏が来ていた。別にトークショーとかいう豪勢なものじゃなくて、ただ単に片桐氏がいた。
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クレパス画展

2012-02-10 22:05:02 | 美術[か]
「現代洋画家たちのクレパス画展」@笠間日動美術館

 クレヨンとパステルの特性を兼ね備えたクレパス、レオポンみたいなもんか。だいたいパステル画と似たような雰囲気、ドガや、先日見たルドンのような、それらしいクレパス画、小学生の写生大会の絵に見えるようなものから、これもクレパスで描いたの? って驚くような緻密さむんむんのクレパス絵画が並んでいる。

 そういえば小中学生の頃は図工の画材として、クレヨンまたはクレパスを値段や箱のデザインで適宜買って使っていたはず。クレヨンはその響きが田舎臭くて、クレパスはちょっと上流階級風でデラックスなイメージがあくまでもイメージがあったような気がする。その特性の違いなんて知ったこっちゃなかった。

 企画展を見終わったらフランス館で洋画を見て、パレット館で画家のパレットを見る。単なる絵の具の塊が残ったものだけでなく、隙間に好き勝手な絵を描いた、サービス精神旺盛なパレットが並んでいる。これだけでじゅうぶん作品になっている。しかし鴨居玲のパレットでかすぎ。でかいだけじゃなく、周囲を覆う絵の具の山脈が堂島ロールくらい盛られている。重すぎる。こんなの片手で持てん。


「魅惑の北欧アール・ヌーヴォー 塩川コレクション ロイヤル コペンハーゲン ビング オー グレンダール」@茨城県陶芸美術館

 日動からクルマで数分、せっかくなので寄ってみた。ロイヤル コペンハーゲンの名前は知っているが、ビング オー グレンダールの名前は知らない。その程度。ぴかぴか光る高そうな壺やら花瓶やら食器やらが陳列してある。カタツムリが3匹練りあがってできてるぬめぬめした花瓶、リアルな猿の頭がフタになっている入れ物、トカゲがぬめぬめと立ちはだかるソーサー、百歩譲ってそれはいいとしよう、しかしそのトカゲの横にはナメクジがぬめぬめと這うソーサー、盛り付けたレタスを持ち上げたらナメクジくじくじナメクジクジ。なんちゅうか食欲の萎える食器である。これは1200円でも買わないな。
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建築、アートがつくりだす新しい環境

2012-01-15 23:07:35 | 美術[か]
「建築、アートがつくりだす新しい環境―これからの“感じ”」@東京都現代美術館

 建築家、アーティストの空間デザインの提案、実践。ことばでは説明できない「これからの“感じ”」???言葉で説明できないんじゃ見るしかない。妹島和世+西沢立衛/SANAAによる《ロレックス・ラーニングセンター》はスイス連邦工科大学に造られた学習センター。起伏に富んだワンフロアがかっこいい。一度行ってみたい。

 フランク・O・ゲーリーの《エイト・スプルース・ストリート》 木と紙で作った高層ビルのモデルが展示してあって、ビル壁面がヨレヨレになっていた。ああ、傷んじゃったのか、保管状態が悪かったのか、しょうがないなぁ、と思って振り向くと壁には実物の写真が張ってある。実物の壁面もヨレヨレだった。逆に気に入ってしまった。
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群馬建築ツアー

2011-11-14 22:56:31 | 美術[か]
 アートテラーとに~さん主催の「バスで行く!大日本お笑い建築ツアー【群馬編】」に参加した。講師はお笑い建築家soさん。いい天気の中、朝8時東京駅集合で大型バス満員状態で群馬へGo!

 (1)桐生市市民文化会館:坂倉建築研究所設計、ここは通過しながら窓越しに見るだけの予定だったが、あまりにもみんなの食い付きがいいので5分ほど止まって写真を取ることができた。修理中にUSS1701エンタープライズみたいなインパクトありありの外観。こういう変なもんは大好き。織物の町なので繭の形を表しているらしい。


 (2)富弘美術館:中学校教諭になりクラブ活動指導中、頸髄損傷。手足の自由を失いながらも、口に筆をくわえて描き始めた文や絵が注目を集めた星野富弘氏の作品を展示する美術館。1991年開館後、一度行ったことがある。日光からとっとことっとこバイクで走ってきて偶然見つけた。しかし2005年に新館が開館して旧館は取り壊されたので、1200件のコンペを勝ち抜いたヨコミゾマコト設計の新館は今回が初めての訪問。大小さまざまな円形を組み合わせて作られた建物は個性的。裏には湖があり散策路があり、のんびり過ごせる風光明媚な美術館である。


 (3)群馬県立近代美術館:磯崎新設計、1974年開館。ここにも富弘と同じ時に来たので2回目。大きな馬の彫刻だけはずっと印象に残っている。今あちこちにある美術館の、殺風景な白壁の四角い展示室「ホワイトキューブ」はこの美術館が原形となったのだとか。展示室が一面真っ赤な水玉模様だったら作品を展示する気も無くなるわなぁ。誰の作品を展示しても草間ワールドになっちまうもんなぁ。で、馬はあいかわらずそこにいた。


 (4)藤岡市鬼石多目的ホール:妹島和世設計、曲面ガラスで不思議な形態がにょろにょろと続いているホール。室内運動場と可動式客席が付いているステージホールがある。トレーニング室もありエアロバイクやルームランナーも無料で使える。でも何をするにも丸見えオンステージ。


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清川あさみ/美女採集

2011-11-03 21:14:24 | 美術[か]
「清川あさみ/美女採集」@水戸芸術館

 沢山の美女が採集されているらしい、という噂を聞きつけたので行ってみた。捕まっていたのは57人の女優たち、48人のAKBたち、その他いろいろ。写真にビーズやら鳥の羽根やらなんだかんだを直接刺繍して作品にしている。美女採集は女優をざまざまな動植物になぞらえて刺繍を施した作品。もうどれも綺麗。ただでさえ綺麗な女優、タレント、モデルなどにキラキラ光る刺繍が織り成すゴージャスな光の競演デラックス。

 上戸彩×インコの青いイメージ
 Abgelababy×真珠貝の白いイメージ
 宮本笑里×アザラシのオーロラなイメージ
 志田未来×シジミのメルヘンなイメージ
 広末涼子×孔雀のゴールドなイメージ
 高橋みなみ×オウムのカラフルなイメージ
 秋元才加×マンモス・・・もう日本人に見えない

 シジミってなんだそりゃ、いいのかそれで、と思っていたら、志田未来がインタビューで、生まれ変わったら何になりたいかと聞かれて、味噌汁に入りたいと答えたとか。その夢をかなえてあげた、本人も大喜び、って、わけわからんが、まあそれならしょうがない。

 その他、黒木メイサ、吉高由里子、綾瀬はるか、佐々木希、木村カエラ、相武紗希、戸田恵梨香、北川景子、書ききれない。金色の広末涼子がなんかやたら高価に見えた。絶滅危惧種に見立てた新作は、上戸彩、中谷美紀などをモデルにした背丈の大きな作品で美しい。

 清川あさみ作品を見たのは、庭園美術館でやっていた「Stitch by Stitch」展だった。今回も同じ作品が出ているが、やはり美女の写真の身体の上に刺繍を縫い付けた、キレイともいえるし見方によってはグロイとも言えそうな作品だった。縫い付け方でいろいろと雰囲気も変わってくるようだ。

 初日の今日はアーティスト・トークがあった。始まる20分前には既に集まり始めた人たちで会場は混雑していた。なんとかいい感じに壁に寄りかかれる場所を確保できたが、多分150人~200人くらい詰めかけていて、後ろの方は会場からはみ出し状態。本来ならもっと入れる部屋なのだが、真ん中にでかい平面作品がど~んと置いてあるので、大道芸の観客風に作品を取り巻く感じ。はい、この線から入っちゃだめだよ。って、入ったら作品踏んじゃうから洒落ならん。

 そんな中を水戸芸の芸術監督・浅井俊裕氏に続いて、白っぽい和服で小顔の美人、清川あさみさんが入場。そのあとから大きな顔の女の人が入ってきた。ん?同時通訳の人かな?←なんでやねん とか思っていたら、「本日特別ゲストとして来ていただきました辛酸なめ子さんです」 しまった! テレビでしか見たこと無かったので気付かなかった。清川さんの友達だそうで、清川さんは「なめちゃん」と呼んでいた。なめちゃんの顔がでかいというわけではない。清川さんの顔が小さいのだ。←●●●●●
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そして神戸でビエンナーレ2011

2011-10-11 00:02:57 | 美術[か]
神戸ビエンナーレ

 今年で3度目のビエンナーレ、今年は神戸ビエンナーレ、ヨコハマトリエンナーレ、二大港町の芸術祭が同時に開催されている。次の同時開催は6年後。神戸の展示は横浜と似たような形式で、港湾近くのいくつかの展示会場をシャトルバスで結ぶ感じ。横浜美術館がメインなのに対して兵庫県立美術館はサブ的存在。

 黄金町に相当しそうなのは元町高架下(モトコー)かな。JR元町駅と神戸駅の間の線路下に延々と続く昭和か戦後かと思えるような狭い商店街の十数か所に作品を展示している。戦後の闇市から出発したというだけあって、怪しさ満点、妙な古物屋も多い。

 メイン会場は前回とは変わって神戸ハーバーランド・ファミリオ。貨物コンテナを作品展示施設として使うのが特色なのだが、東日本大震災の影響で会場内部にコンテナと同サイズの空間を設置して展示する方式に変わっている。

 恒例の万歩計は二泊三日で56000歩になった。

兵庫県立美術館所蔵:神中糸子 《桃太郎》 :おばあさんは川に洗濯に。するとどうでしょう川上からちっこいちっこい桃がチャピチャピチャプンと目立たずに流れてきました。目ざといおばあさんは棒きれで桃を必死こいて川岸に寄せています。桃をゲットしたおばあさんはその場で食べてしまいましたとさ!


ポートアイランドに出来立ての神戸学院大学がデラックスでかっこいい。


遊覧船で見られる川崎造船の潜水艦『けんりゅう』


あやしげな元町高架下商店街にはマニアが喜びそうな珍品がいっぱい。


本掘雄二 《BUTSU-Ofudousan》 お気に入りダンボール仏像、今回は派手な不動明王


関根伸夫 《位相 - 大地》 レプリカ(神戸芸術工科大学)

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草間彌生展

2011-10-04 21:00:13 | 美術[か]
草間彌生生 Kusama's Body Festival in '60s 展@ワタリウム美術館

 若き日の草間の制作シーン映像や写真など、あんまり見たことない姿を見る事ができて興味深い。

 中でもいちばん変なものは、もう若くない草間が歌う変な歌♪ 赤い水玉模様のダブダブな衣装を身にまとって、喋るのかと思ったら歌い出す妙な節回しで歌っているのは、『マンハッタン自殺未遂常習犯の歌』 ・・・もうほとんど怪しい宗派の教祖さまである!! 5~6回繰り返し聴いていたら危うく洗脳されそうになった(・・;)
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CAFE in Mito 2011

2011-08-13 21:56:45 | 美術[か]
「CAFE in Mito 2011 かかわりの色いろ」@水戸芸術館

 震災後初の展覧会が始まった。「CAFE」は「Communicable Action for Everybody (誰とでもコミュニケーションできる行動)」という語呂合わせで、コーヒーは出てこない。2002年から始めて4回目となる、お馴染みの企画展であるらしい。今回は「自然と風景とのかかわり」、「街や人とのかかわり」、「家族とのかかわり」などの視点から選んだ作品を展示している。

 奈良美智の小品が数十点並んだコーナーもあるので、奈良フェチにはお薦め。山口晃もさりげなく4点。辿った道を地図上の刺繍で表す秋山さやか、水戸芸近辺徘徊の作品もあるが、3.11のあの時刻から3.12の夕方まで辿った道を刺繍した作品も出ている。瀬戸内芸術祭でファスナー船を走らせた鈴木康広も出品。

 西尾美也の《家族の制服》という作品が予想外に興味深い。子供の頃の古い写真に写っているふたりの少年が着ていた服を大人の大きさに復元、あの頃と同じ角の喫茶店を背景に、それを着て写真に写っているのは成長したふたりのおっさん。それは笑える写真ではあるが、古い写真と新しい写真にまったく同じ服を着て佇んでいる姿にはふたりの人生が凝縮されている。

 今日は水戸芸の芸術監督・浅井俊裕さんのキュレーター・トークがあり、震災後初の展示をCAFE in Mitoに決めた背景や、作家を選んだ理由、蜷川実花が既に一生分のフィルムを蓄えてある件などを拝聴した。
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「輝く女たち」展

2011-08-07 00:34:33 | 美術[か]
「輝く女たち その強さ、儚さ、複雑さ」@茨城県近代美術館

 男性が描いた女性像と、女性が描いた女性像に分けて絵画、彫刻作品を展示する「ドキッ!女だらけの水泳大会じゃなくて美術大会、ポロリもあるよ」という企画。裸婦像もあるのでポロリも当然ある。でもその水上騎馬戦のワイプで城みちるが「ヒラメに乗った少年」を歌ったりはしない。←古い ←いやそこじゃなくて ←そのかわりと言ってはなんだが、サルバドール・ダリの《イルカに乗ったセイレン》という作品も出ていた。女性を描いた男性作家は、横山大観から、小林古径、藤田嗣治、伊東深水など、ちょっと昔の作家たち。女性を描いた女性作家は、小倉遊亀、片岡球子などから、やなぎみわ、松井冬子などの現代作家に及ぶ。松井冬子は3作品出ていて、うつろに不気味な作品 《世界中の子と友達になれる》 も横浜美術館から出張してきている。

 そして今日はアーティスト・トークもあり、出展作家の櫻井りえこさんと、美人学芸員の永松左知さんのトークショーをかぶりつきで拝聴した。櫻井さんは茨城生まれで今は茨城県の高校で美術講師をしているが、今年のベネチアビエンナーレと連動するグループ展「Future Pass - From Asia to the World」にも出品している。そのための作品は3月10日にヤマト運輸に託したという。次の日には震災でアトリエもガタガタになっていたというから、間一髪で間に合ったのかもしれない。今回は《violent rainbow》という7色の7部作のうちの2作品を展示している。やたら目の大きな少女たちがさまざまな武器を持って何かに立ち向かうイメージ、あるいはさまざまな凶器を持って暴力行為に及ぼうとするイメージを表している作品なのだそうだ。
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空海と密教美術展

2011-07-25 22:55:23 | 美術[か]
「空海と密教美術展」@東京国立博物館

 空海の幼名は(真魚)まおちゃん。そういうわけで、朝一で開館直前に東博に行くと表慶館の前にいきなり行列ができていた。あ、なんだこりゃ、と思ったが、行列の始まりは表慶館の前だった。ほどなく平成館入り口に誘導されたので事なきを得たが、ぞくぞくやってくる観客で館内はそれなりに混雑していた。

 展示場レイアウトを見るといちばん最後が「仏像曼荼羅」となっていたので、いきなり最後の出口に逆行、すると目の前にゾウに乗った池麺帝釈天が現れた。この帝釈天はけっこう好き。帝釈天の前には先客がひとりいるくらいで、その瞬間だけ東寺の講堂と同じくらいの静寂を体感できた。ここでは仏像をぐるりと回り込んで見ることができる。講堂ではなかなか見えないゾウの尻、割と四角いゾウの尻の真ん中からゆらりと垂れさがった長い尻尾。帝釈天の腕には市役所のおじさんみたいな黒い腕ぬき。この帝釈天の顔は傷んだために後に造りかえられたものだと何かに書いてあった。まさかの整形池麺だったのか?

 今回は東寺の《立体曼陀羅》21体のうち8体の国宝が出張してきている。それらが講堂と同じ立ち位置に並べられて、曼荼羅の雰囲気を体感することができる。帝釈天の隣には大威徳明王が水牛に乗っている。いちばん右には梵天がガチョウに乗っている。ゾウやウシならわかるが、4羽の小さなガチョウの乗っちゃうってのはいかがなものか、そうこうするうちにだんだん人が増えてきたので移動。

 京都・醍醐寺の大威徳明王はまんまるおめめのかわいい水牛に、これでもかっていうほど怒った顔で乗っている明王。もう、ウシくんが不憫で不憫で。

 東寺以外にも、醍醐寺の如意輪観音、五大明王、仁和寺の阿弥陀如来、神護寺の虚空蔵菩薩なども来ている。曼荼羅では、高野山・金剛峯寺の血曼荼羅、神護寺の高尾曼荼羅、東寺の西院曼荼羅などがあって、西院曼荼羅は鮮やかでよく見える。高尾曼荼羅は最古の曼荼羅とかいうありがたいものだが、まっ黒けでなんだかもうよくわからない。

 《崔子玉座右銘断簡》

  「人の短をいうこと無かれ 己の長をとくこと無かれ」
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古代ギリシャ展

2011-07-25 22:53:19 | 美術[か]
「THE BODY 大英博物館 古代ギリシャ展」@国立西洋美術館

 「究極の身体、完全なる美」ということで、ブロンズや大理石の彫像が立ち並ぶ展覧会。傑作「円盤投げ」の緊張の一瞬を捉えた躍動感あふれる姿はかっこいい。ギリシャ時代のオリジナルは存在せず、「オリジナルに基づいたコピー」と書いてある。なぁんだ、コピーかぁ。がっかり、コピーが作られたのはローマ時代・・・すげぇじゃんか。もうコピーもクソもない。そんな奴がいくつかいる。ただオリジナルは顔が後方を向いていたらしい。だんだん前向きになっちゃったのね。

 躍動感というと《サテュロスから逃れようとするニンフの像》もいい。ニンフに手のひらで顔面を押さえつけられて歪んでるサテュロスの顔と、ニンフの微笑みが印象深い。《ナックルボーンで遊ぶ二人の少女の像》は楽しそうに遊んでいる少女の姿が写実的に表現された彫像で、2300年も前の姿とは思えない不思議な気分になる。

 古代オリンピックのイメージ映像が流れていた。全裸で短距離競走をする様は、オリンピックというよりモンティパイソンっぽい。

 そんなBODYの美の展覧会にガチャガチャがあった。「円盤投げ」が出たらいいな、アフロディテもいいな、とか思いながら1個買って退散、後で開けてみたら「後期スペドス型女性像」が出てしまった・・・耳かきではないぞ。孫の手でもないんだから。
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かぐわしき名宝展

2011-05-17 07:27:43 | 美術[か]
「香り かぐわしき名宝展」@東京藝術大学大学美術館 

 白檀でできた奈良国立博物館の十一面観音立像はお気に入り。東博の一木彫仏像展で初めて見て、昨年奈良でも見て、今度で3度目。巨大ではない適度は大きさ(42.8cm)と十一面の小さな顔つきがやたら親しみやすくてよい。白檀とは言ってもいつもケースの中なので匂いはしない。

 わりとすごかったのが「芸大コレクション展 ― 春の名品選」

《転生》@平櫛田中 は、子供を食った鬼が、その生ぬるさにおぇぇぇっと口からその子供を吐きだしている彫像。舌の形がひょうたんみたいで変だなぁと思ってよく見ると、食われた子供だった。すごい迫力。

《大日如来座像》@快慶は102.4cm。両耳に小さな穴があいている。あけてあったのかあいちゃったのかわからないが、目線を合わせると耳の穴から反対側の穴が見える。

《毘沙門天立像》@定慶は98.8cm。両目に玉眼、蛇を握りしめながら踏みつけられている邪気にも玉眼。覗き込むと光る眼玉でこっちを見てる。邪気とはいえ、踏みつけられている者からまんまるい目玉で見つめられるというのは妙な気分である。


《新後選・俊成(夜の梅)》@鈴木春信

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