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ざっきばやしはなあるき  

雑記林花或木 Since 2005-01-01 
美術とか映画とかなんとなくぶろぐ 

神の手●ニッポン展

2015-05-30 23:55:47 | 美術[か]
「神の手ニッポン展」@目黒雅叙園

 目黒雅叙園 百段階段で開催中の「人間技とは思えない 神の手を持つ日本人作家6人の合同展」に行ってきた。この6人、ただものではない。ハズレなしの神様たちが驚異の神わざで観覧者を魅了する。神技は細かい。超絶技巧を楽しむためには、できれば単眼鏡を持って行った方がいいかも。


太田隆司
 唯一、以前から知っているのは太田さんだけ。クルマ雑誌カーグラフィックに連載していた紙でジオラマを作っちゃうペーパーアーティスト。ノスタルジックなその風景の中には必ずクルマと犬が登場している。クルマ好きには見逃せない作品たちはいつまでも眺めていたい不思議な魅力にあふれている。
http://www.paper-museum.jp/

金谷美帆
 1mmちょっとの小さなガラスのビーズでいろんなものを作っちゃうビーズアーティスト。ビーズで織り上げた和衣装がスゴイ。165万粒のビーズをちまちまと3年かけて制作したという着物がキラキラ輝いてキレイ。
http://blog.livedoor.jp/artbead/

島木英文
 どこにでもあるような日本家屋の風景を箱に組み込むミニチュアハウスアーティスト。ドールハウスのような小さな世界が異常なほど詳細に再現されている。奥行き感を強調するために立体なのに遠近法を駆使して、手前は20分の1で部屋の奥は40分の1というように縮尺を変えているのが特徴。太宰治記念館の土間の遠近感がハンパネェ!
http://www5a.biglobe.ne.jp/~tonta/

SouMa
 えっ?これが1枚の紙なの?と驚くような小刻みなテクニックが光る立体切り絵アーティスト。鳥の羽なんかふわふわしていてもう紙に見えない。なんかかっこいい立体的な腕時計が1枚の紙を刻んでできている。そのまま腕に付けてもすごくオシャレっぽいだろうなぁ。
http://www.souma-wkh.com/

HIROKO
 ポップアップという飛び出す絵本の仕組みを芸術的に表現するポップアップアーティスト。飛び出す絵本はやっぱり楽しい。書店で見かけるとついつい開いて見てしまう面白さは、子供だけの特権ではない。綿密な計算により白い紙で作られたポップアップを開くと、あるはずのない台紙の上に静寂な立体世界が出現する。
http://www.geocities.jp/h_pdr/index-jp.html

山田卓司
 昭和の風景をミニチュア化するジオラマアーティスト。特にプラモデル系のジオラマは大好物なのでワクワクしてしまう。今回出品している戦車プラモデル屋さんのジオラマが好き。奥の棚には戦車プラモの箱がぎっしり、手前のショーウィンドウには完成した戦車が並ぶ、それを凝視する少年。自分の子供の頃を思い出してしまう青春の一コマがそこにある。
https://www.facebook.com/takuji.yamada3




 一度行きたかった百段階段、ようやく今回はじめて見た。クネクネと微妙に折れ曲がった99段の階段は不思議な風景。十畝の間、漁樵の間、草丘の間、静水の間、星光の間、清方の間、頂上の間。それぞれ別々の画家が手掛けた独特の雰囲気を持った部屋が、百段階段でつながっている。面白い空間が見られてよかった。
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小林清親展

2015-02-14 22:51:30 | 美術[か]
「小林清親展」@静岡市美術館

 明治の浮世絵師、小林清親の没後100年を記念した展覧会。光と影を印象的に見せる「光線画」という怪しげな呼び名の表現方法で人気を博したらしい。人力車と西洋建築のような、文明開化という新旧が入り混じった風景は、今見ても異国情緒のような不思議な風情を感じる。

 文明開化とは関係なく《猫と提灯》が好きだが、これは35版も刷り重ねた版画だそうで、版木や刷り上げる映像なども展示している。でもいちばん好きな《本町通夜雪》は3月3日以降の後期にしか展示されない。

 そんな清親が途中から風刺画を描き始めたり、戦時中は戦争画を描いたり、50歳を過ぎたころからは肉筆画を描いたりと、臨機応変に方向転換していった頃の作品も展示している。

 4月1日からは、太田記念美術館で「広重と清親」という展覧会もやるようだ。
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高野山の名宝

2014-10-19 22:52:35 | 美術[か]
「高野山開創1200年記念 高野山の名宝」

 高野山のお宝ザックザク。運慶作の八大童子が勢ぞろい。いかにも子供っぽい顔つきの童子や、こんな童子やいやだ!みたいな童子、インパルスの堤下君にそっくりな童子、ひとりだけ頭が龍のようなわけわかんない動物に乗った楽ちん童子など、さすが運慶といった造型の国宝が並んでいる。

 2m以上ありそうな巨大な孔雀明王は重要文化財。金色の孔雀は足もがっしりしていて乗り心地がよさそう。

 30cmくらいの毘沙門天立像、白檀で作られた普通の仏像だと思ったら、2.4mの毘沙門天の中から発見された体内仏だった。体内仏って指ぐらいの小さなモノだと思っていたのに、こんなに大きな体内仏があるとは、まるでマトリョーシカだ。

 いちばんハマったのが諸尊仏龕。木をくり抜いて観音開きにした中にたくさんの仏様が彫り込まれている。いろんな所でよく見るヤツではあるが、空海が唐から持ち帰ったというこの諸尊仏龕は高さ20cmくらいで彫が深くやたら立体的。緻密な彫刻はついつい見入ってしまう。
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古代エジプト美術館/向井潤吉アトリエ館/スーパーマーケットミュージアム

2014-01-13 13:54:28 | 美術[か]
 アートテラーとに~さん主催のツアーに参加した。2014年初参加は「こんなところにミュージアムの旅」と称して、知らずに通り過ぎてしまいそうな街角にある3館を巡る。

古代エジプト美術館

 2009年にオープンした渋谷の繁華街にある個人経営の小さな美術館、雑居ビルの8階に上ると、アートなアクセサリーショップっぽい入り口が見える。エントランス付近は前後左右、摩訶不思議なアイテムが雑然と置いてあり、展示品なのか販売品なのか迷う雰囲気。いくつかに区切られた展示室には小さな遺物がいろいろと置いてある。大きなものとしては古代神殿の石柱の一部や、装飾した棺桶などがある。今回は団体なので貸し切りプランで、ガイドさんの解説付きで、クイズが出たりしてワイワイ言いながら2時間楽しむ事が出来た。ここはオープン当時から知っていたがこれまで行けずにいた。ハードル高そうな雰囲気なので団体で行けてラッキー。

向井潤吉アトリエ館

 世田谷美術館の分館となっているが場所は離れている。1993年開館、自宅兼アトリエを美術館にしたもの。田舎の風景を描いた作品は、ときどき美術展やらデパアトなどで見かけたことがある。郷愁を誘う風景、藁ぶき屋根の家などのリアルな描き方は嫌いじゃない。とはいえ向井潤吉についてはそれほど詳しくないが、遠方からわざわざ来館する熱烈なファンがいるほどの人気画家であるらしい。美術館は庭つき2階建て、広くはないが風情のある木造家屋で柔らかな雰囲気に包まれている。アトリエは一度火事になったことがあるそうで、多くの作品が失われてしまった。2階の展示室には、その時の焼け残りだと思うが、絵の一部が茶色く燃えた後のある作品も展示してある。



スーパーマーケットミュージアム

 サミットストアが1/26まで期間限定でオープンしているマーケットの仕組みを展示した美術館。場所を移して新店舗ができたのを機会に、昨年の11月から旧店舗を展示室にして無料公開している。子供向けではあるが、日頃スーパーを利用していてもわからない情報がいろいろ展示されているので、大人でも興味深く見学できる。商品をたくさん張り付けた壁から、売って無いモノを探したりするスーパーマーケットクイズもある。体験学習コーナーではハッピーターンの宣伝POPをクレヨンで手書きしてみたり。POPに挑戦すればハッピーターンを1枚もらえるので、エサに釣られてぞくぞく参戦。

 サミットストア全店での年間売り上げベストテンの1位が牛乳、2位がキュウリ、3位が豚薄切り。キュウリってそんなに人間界でも大スターだったとは! 日本全国食品スーパー年間売上は7兆7千億円以上!ってもう想像つかない、十二指腸よりは少ないか? 全国のスーパーの数は17865店、東京都はいちばん多くて1315店、静岡県は570店、いちばん少ないのが鳥取県と福井県で131店だそうだ。




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カイユボット展

2013-11-09 23:52:37 | 美術[か]
「カイユボット展 都市の印象派」@ブリヂストン美術館

 ギュスターヴ・カイユボットは裕福な家に生まれた画家だが、裕福なおかげで、印象派仲間の作品を買うことによって、印象派の画家を経済的に支援した人。そんなカイユボットの作品は《床を削る人々》くらいしか記憶になかった。《床を削る人々》は特徴的な絵なので、一度見たら忘れない。今回これは展示してないが、カイユボットの作品を約60点、その他、弟が撮影した小さな写真を100点ほど展示している。へぇ、これがカイユボットか、印象派とは思えないなぁ、などと思いながら、まとまった作品でカイユボットを知るにはちょうど良い展覧会となっている。
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興福寺仏頭展

2013-09-10 19:20:08 | 美術[か]
「興福寺仏頭展」@東京藝術大学大学美術館

 でかい頭がメインの展覧会。でかい頭と言えば、先日行ったルーヴル展にあった《ローマ皇帝ルキウス・ウェルスの妻ルキッラの巨大な頭部》を思い出す。総高98.3センチの仏頭よりもでかかった。『白鳳の貴公子』仏頭は興福寺国宝館では目の高さに展示してあって見やすいが後ろは見えない。今回はぐるりと後ろも見えるけれど、ちょっと高い所に展示している。興福寺で見た時はもっと大きい印象があったけれど気のせいだった。キャプションを読んだら、その昔、興福寺の僧兵たちが山田寺から本尊を強奪して興福寺東金堂本尊にしたとか書いてある。いいのかそれで?ありなのか?・・・ 結局、火災で焼けおちてこのありまさになってしまったとか。強奪されなかったら大きな薬師如来として綺麗に残っていたのだろうか。どの道、似たような運命を辿ったのだろうか。この強奪騒ぎをぜひタイムスクープハンターに調べてもらいたい。

 仏頭の手前には《木造十二神将立像》がものすごくゆったりと展示されている。もちろん全方位から見ることができる。
 
 いちばんいい感じだったのは《厨子入り木造弥勒菩薩半跏像》、厨子と仏像が別々に展示してある。厨子には無著・世親などの僧侶の絵が描かれていて、天井からは6体の飛天がキラキラ光りながら宙を舞っている。なんか贅沢な雰囲気。仏像のほうは厨子の中に入っていたので保存状態も良く、後光やいろいろな装飾も綺麗に残っていて、金色の顔で蓮の上に座っている。

 さらには『白鳳』つながりなのか、深大寺の白鳳仏《釈迦如来倚象》も友情出演している。こちらは80cmくらいの小柄な金銅仏で、みかん箱に腰掛けて「やぁ!」と手を振っているような呑気な姿に見える。奈良ほど遠くない深大寺とはいえ、見たのはたぶん今回が初めてなのでラッキー。
 
 ほかにもちょろちょろ展示されているけれど、展示件数は少なめ。

 日本橋の奈良まほろば館に行ったら、仏頭の原寸大石膏像が飾ってあった。大きさを体感したければ日本橋へGo!!


 ぶっとくん
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河津平安の仏像展示館

2013-07-31 21:40:15 | 美術[か]
伊豆ならんだの里 河津平安の仏像展示館

 伊豆半島の先っちょ下田市に近い河津町に仏像展示館ができたというので行ってみた。2013年2月20日にオープンした河津平安の仏像展示館。静岡県最古といわれる平安期の仏像が24体が常設展示されている。

 河津町で幹線道路から別れて山奥に向かう大型車の入れない細い道路、普通なら迷うこと間違いなしのパターンだが、なんと、道路のあちこちに、仏像展示館の幟が立っていて、要所要所に案内看板もたっぷり完備。山道そのものが、まるで参道のようにクルマを仏像展示館に導いてくれる。これはありがたい。

 数台停められる駐車場から展示館までは、きつい急坂を歩いて登る。登りきると、南禅寺(なぜんじ)が見えてくる。京都の南禅寺とは関係なく、寺を建てた坊さんが「なぜん」という名前だったとか。

 「ならんだの里」は昔、那蘭陀寺という大きなお寺があった場所ということから。那蘭陀寺は地震かなんかで壊れてしまったらしい。その後、土に埋もれていた仏像が見つかって、南禅寺が再建され仏像が安置されていたが、より良い状態で仏像を保存するために南禅寺の隣に仏像展示館が造られた。

 24体の仏像を納める展示館ということで、小ぢんまりした木造の建物である。24体で思い出すのは、昨年オープンした、かんなみ仏の里美術館、ここも近所のお寺から移し替えた仏像が24体展示されているので、何か特別な意味でもあるのかと聞いてみたら、「偶然ですねぇ」

 仏像自体は、どっしりとした薬師如来坐像を中心に、2m近い地蔵と十一面観音、ヨーロッパ巡回展示もしたことのあるというかっこいい天部立像などをメインに、男神立像、女神立像、菩薩立像などが並んでいる。これらの立像の中には、けっこう傷みの激しい像もあるが、粘土質の赤土に埋まっていたために、これでも状態は良いほうだという。

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空想の建築

2013-05-19 20:55:44 | 美術[か]
「空想の建築」@町田市立国際版画美術館

 ありもしない建造物を描く。空想の産物だから、ものすごく巨大に見せることもできる。古代エジプトの失われた建造物を想像で紙の上に建て直したもの。意味ありげな階段や回廊で組み立てられたコイズミアヤの不思議な立体。SF映画に出てきそうな使途不明な巨大建築物。

 とりわけ興味をそそるのが、野又穣(のまたみのる)の空想建築絵画。昨年、3331 Arts Chiyodaで見てから気になる存在になっていた野又穫の大作三十数点を見ることができる。今年の新作も数点あり、《交差点で待つ間に》という作品には、廃墟のような都市の町並みが描かれていて郷愁を誘う。
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銀座以外のギャラリー巡り

2013-02-10 22:02:48 | 美術[か]
 アートテラーとに~さん主催の「都内横断“銀座以外”のギャラリー巡り」に参加した。銀座なら銀座集合銀座解散だが、銀座以外ということで移動は電車を使うことになる。天気が良くてなにより。銀座の大手みたいに遠くからでも存在感のあるギャラリーではなく、目立つ看板もなくひっそりと街中に溶け込んだというか、倉庫みたいにカムフラージュされてなにげなく存在するギャラリーが多い。

【清澄白河】
小山登美夫ギャラリー、KIDO Press,Inc.、AI KOWADA GALLERY、GALLERY TERRA TOKYO、SPROUT Curation、Taka Ishii Gallery、MIYAKE FINE ART、ShugoArts

 かっちょいい清洲橋の近くにある丸八倉庫。巨大なエレベーターと、倉庫の再利用といいながら実際の倉庫としても稼働している共存感が面白い。


【浅草橋】
レントゲンヴェルケ、UNSEAL、CASHI、TARONASU、Gallery αM

 レントゲンヴェルケでは代表の池内さんによる長々トークを拝聴。ここに移転した経緯やら、四方山話に花が咲く。レントゲンヴェルケの裏にあった事務所を別のギャラリーにして間もないUNSEALも見学。


【白金高輪】
MISA SHIN GALLERY、山本現代、ARATANIURANO

 白金のかぼそい裏道に倉庫を利用したMISA SHIN GALLERYに初めて訪問。大きな扉や佇まいが独特。同じ裏道をアザヴジュヴァン方面に進むと電柱を通り過ぎるたびにスピーカーからビートルズナンバーが流れてくる。その裏道に山本現代、名前だけは知っていたが初めて訪問。福士朋子個展をやっていた。ホワイトボードにマジックで描いちゃうマンガっぽい作風だが、ウィットに富んだ笑える作品をキッチリと描いているので割と好み。


【渋谷】
NANZUKA、AISHO MIURA ARTS

 入り口のドアはお笑い建築家soさんが造ったというAISHO MIURA ARTS、オープニングパーティがあるということで三浦さんもいて、そのうちヌボゥっと入ってきたのは、アーティストの小池一馬さん、soさんも来るということだったが、遅れるらしいので放っておいてお先に失礼した。
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芝・三田 建築ツアー

2012-10-30 21:10:55 | 美術[か]
 アートテラーとに~さん主催、お笑い建築ツアー(芝・三田編)に参加した。講師はお笑い建築家soさん。芝、三田とは言いながらも、御成門、汐留まで足を伸ばした。雨降りそうな怪しい雲行きの中、とに~さん&soさんという2大晴れ男のおかげで、ほとんど降られずに済んでいたが、最後の建築解説でとうとう傘をさしてしまった、残念!

1.芝浦のオフィス(妹島和世):金網越しの半外階段がオシャレ

2.クウェート大使館(丹下健三):吹き抜けのあるどっしりした佇まい

3.蟻鱒鳶ル《アリマストンビル》(岡啓輔):造りかけの奇抜コンクリート

4.普連土学園(大江宏):なんか南国風味な学園天国

5.F1船木商会社屋(北川原温):屋根の上にある謎のバブル痕

6.日本赤十字ビル(黒川紀章):中から飛び出した正面玄関の屋根

7.大門、汐留駅(横川健):部分的に担当したらしいんでよくわからん

8.日本テレビ(リチャード・ロジャース):太い支柱が外側にドーン

9.電通本社ビル(ジャン・ヌーヴェル):ぬめぬめな窓デザイン

 アリマストンビルは通りすがりの坂道にちょこっとある造りかけの無骨な鉄筋コンクリート塊。しかしそのコンクリートの形がどうも妙で、気になりだしたら気になりすぎる。ペットボトルの形のコンクリートまで埋まっていて、変な雰囲気がプンプンする。岡啓輔さんという建築家が自分でこつこつと手作りしている3階建てくらいの小さな鉄筋の家だそうで、糸井新聞などで評判になったらしいが、そんなこととはつゆ知らず新鮮な驚きをゲット。2005年から造りはじめて3年くらいで完成する予定だったのが、いまだに鉄筋むき出し状態。造りかけでもこのインパクトだから完成したらどうなるのか楽しみだが、サグラダファミリアみたいに何十年も造りかけにならないかちょっと心配。
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元素のふしぎ

2012-09-23 22:04:31 | 美術[か]
「元素のふしぎ」@国立科学博物館


 「世界のすべては、元素でできている」 そりゃそうだろう、という展覧会。普段はほとんど元素を気にして生活してはいない。絶対必要な酸素でさえ存在を意識して呼吸しているわけでもない。「今月は金欠なので呼吸は控えめにしないとなぁ」なんて意識しなければならなかったらそれこそ月末は息苦しかろう。そんなに大事な元素から、特に用途のない元素まで、全118種類の元素についての説明と、その元素が含まれる物体、材料、製品などの本物を展示している。もちろん近づいたら病気になるような放射性物質は置いてないので、まだ先の長い子供たちも安心して見られる。←あたりまえか

 フェルメール 《真珠の首飾りの少女》 や尾形光琳 《紅白梅図屏風》 に使われている元素、キラキラ輝く天然宝石や人工宝石の元素、持ち上げて感じる元素の重さ、叩いてわかる元素の音など、元素にまつわるいろいろな展示を見たり体験したりと、時を忘れてワイワイ遊びまわって元素に浸ることができる。

 元素体重計に乗ると、自分の体を構成している元素の配分が表示される。服も靴も財布も時計もスマホも含んでいるのでもちろん正確ではないが、だいたいこんな配分で身体が作られているとわかる。圧倒的に酸素量が多い。それに比べれば鉄やマグネシウムなどは微々たるものだが、それでもゼロになったら心身ともにえらいことになるのだろう。

 水素から始まって118ある元素が、含有される展示物とともに、どこにあるか、どのくらいあるか、主な用途は、など説明してあるのだが、レアメタル、レアアースなども通り過ぎて、後半になると、主な用途:「研究上の興味だけで、用途はない」と記載されているものばかりになる。興味本位の役立たずということなのでもちろんそれらには展示物もなにもない。今後も研究が続けられるうちにもしかしたら重要な元素になるかもしれない。そんな元素の最後、118番目は「ウンウンオクチウム」という変な名称。正式に認められていないので、1(ウン)1(ウン)8(オクト)という仮の名称になっているようだ。

 最後に元素の人気投票などというものをやっていた。結果は想像通り「金」がダントツ1位である。金の延べ棒を持ち上げて見たら想像以上に重かった。やっぱり1位が金でよかった。オリンピックの1位が黄メダルで2位が青メダルで3位が赤メダルだったら、選手たちのやる気もガタ落ちだったにちまいまい。
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GEISAI#17

2012-09-04 11:09:52 | 美術[か]
「GEISAI#17」@東京都立産業貿易センター台東館

 浅草にGEISAIを見に行った。知り合いがモデルで出展しているというので、久しぶりに行ってみた。以前、ビッグサイトでやっているのを見に行った時は、広い会場でレーザーラモンHGがペインティングしたりしていたが、その頃より会場が小さくなっていた。入場無料。

 入場していきなりハマってしまったのが、造形作家:小坂学さんの動く手作り腕時計。超人ハルクにちょうどよさそうな巨大なロレックスやなんだかわからない不思議な合体ロボみたいな時計やカメラ、蒸気機関車など、けっこうマニアック。佐藤方衣子さんのシルクスクリーンも、「キリンラがビビーる」「C凹PNOODLE」などという細かいダジャレぶちかましの小気味良い作品。GEISAIは出展者の人気投票が行われる。知り合いさんちも339組中でベストテンに入賞したのでよかった。
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「具体」展

2012-08-06 10:57:28 | 美術[か]
「具体 - ニッポンの前衛 18年の軌跡」@国立新美術館


 銀座アートツアーで東京画廊の山本氏も「具体」について話してくれたので、もののついでに「具体」展を見た。展覧会の冊子にも書かれている「どうしてこれがアートなの?」「どこからどこまでがアートなの?」というフレーズがピッタリ符合する「具体」、平成の現代アートにも同じことが言えるし、「具体」の展示物を見ても、今年作成された最新アートと60年前の「具体」作品との区別なんてつけられない。そういう意味では時代遅れではなく、色あせないものと言うこともできる。

 「具体」のリーダー吉原治良が「人の真似をするな、これまでになかったものを作れ」というメッセージを発し、それに応じた若い芸術家ががんばってやってみたら、こんなんなっちゃいましたorz という黒歴史、じゃなくてアートのムーブメント、その歴史的な重要性を展示されているものから感じてもらおう、ということだろう。

 その「具体」的精神は現代アートにも受け継がれて、さまざまな作品が生み出されているわけで、だから現代アートは判りづらいという感想が出てくる責任の一端を担っているのかもしれない。現代アートもジャンルはいろいろで、やたら気に入るものもあれば、ゴミ箱に捨てたくなるものもある。「具体」の品々もそれは一緒で、ほとんどゴミ箱に捨てたくなるようなものばかり。←個人差あり。《作品》というタイトルの作品が多い。制作者も実は腹の底では何ができたのかわからなかったのではないか。

 天井から吊るしたロープにつかまって足で描いた白髪一雄の作品もある。この人はできあがったぐちゃぐちゃなモノに《天雄星豹子頭》とかいうタイトルをつけている。えらい! 今でも身体を使ったアートや、何かを投げつけて描くアートなどはちょこちょこ登場してくる。その場にいてパフォーマンスとして見物するのは楽しい。そのパフォーマンスの結果として残ったこれが「作品」ですという意味では価値のあるものだろうが、描かれているモノはほぼグッチャリしている。

 そんなグッチャリした代物でも、東京画廊の山本氏くらいの鑑識眼があると、足の滑らせ方でバッタモンかどうかは判ってしまうという。そういうわけわからん現代アートを先見の明で買い集められる人がガッポリ稼げるらしいが、いろんな理由で私には無理だ(;´o`)
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銀座アート巡り

2012-08-06 10:56:07 | 美術[か]
 アートテラーとに~さん主催のプレミアムTOKYOアートツアー~地上最大の銀座アート巡り~に参加してきた。ツアー開始後いきなりカフェで休憩。なんちゅう時間配分だ!じゃなくて、シャガールの絵が見られるカフェということで、混む前の開店そうそうに予約を入れてあったのだ。シャガールのある部屋には6人しか座れないからということで、座席争奪じゃんけん大会をしたが、みごとに負けてマリーローランサンが見えちゃう大部屋になってしまった。

 その後はルイヴィトンと草間彌生のコラボしているヤバいショップやお馴染みのギャラリーなどを巡ったり、ギャラリーでランチしたり、レアすぎて誰も気づかない物件を見たり、東京画廊の山本氏の時を忘れる饒舌トークで想定外のタイムオーバー気味になったりしながら、真夏の銀座を満喫した。暑いけれど銀座なら、忍法日陰渡りの術も使えるので、真夏の荒野サバイバルツアーに比べれば逃げやすい。
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清川あさみ|美女採集

2012-04-30 09:08:23 | 美術[か]
「清川あさみ|美女採集」展@表参道ヒルズ

水戸芸術館でやっていた美女採集がなんと無料で開催されている。美人女優シリーズとAKBシリーズはもちろん、池麺シリーズも追加、ハーゲンダッツとのコラボで、美女ケーキとかなんだかスイーツな物件も展示してあった。会期は5月6日まで。それぞれの美女作品が載った最新図録も発売していたけど、全員は載ってないんだよなぁ。
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