「神戸ビエンナーレ2009」
土日に、はじめての神戸に行ってきた。震災から15年、「文化創生都市宣言」として2007年にはじまり2回目の芸術祭が、港町神戸のウォーターフロント「メリケンパーク」で開催されいてる。
出品者がひとつずつのコンテナに作品を展開するという独特な展示形態をとっている。コンテナの並ぶのはメリケンパーク会場だけなので、見て回るのは楽だが、雨でも降ったらちょっとめんどくさそうでもある。土曜日、観客は少なめだったが、それでもちょこっとした待ち行列ができたりするコンテナは数十分待ちになっていたりする。チケットは任意の2日間は出入り自由となっている。
ここでいちばんよかったのは、コンテナ38番、本掘雄二氏の「BUTSU」。なんと段ボールでできた薬師三尊像。段ボールの隙間から後ろの光を受けた仏像は、段ボールとは思えない荘厳な姿を現す。
もうひとつ、港ならではの展示方式が「神戸港・海上アート展」。メリケンパーク会場から兵庫県立美術館会場まで遊覧船「ファンタジー号」に乗って海を走る。その途中にいくつかの作品が設置されているという仕組み。だから悪天候の場合は運航中止になる。毎日5~6往復しているので、出向時刻に合わせてコンテナの見学をしたりするのだが、船で兵庫県立美術館会場に行ってしまったら、またチケットを買って船で戻るか、電車などで舞い戻ってこなくてはならない。
船の中では、客を装って乗船しているダンサーが、突然踊りだすという、船上パフォーマンスがあったりして、妙な違和感を味わえる。ただし、遊覧船はあんまり大きくないので、乗船したとたんにゆらゆら揺れて船酔いしそうでヤバい。これのあることはわかっていたので、事前に酔い止めの薬を飲んで事なきを得た。
兵庫県立美術館会場では「LINK-しなやかな逸脱」と称して12人のアーティストの作品が展示されている。榎忠の新作「LIBERTY- C2H2」という重量級の大砲が外に展示されていた。すごい迫力だが、なんか本当に発砲できるらしい。六本木クロッシングで見た金属都市「PRM- 1200」も室内に展示さてれいる。國府理(こくふおさむ)の頭がワーゲンなクジラ「ROBO Whale」もかっこいい。ビエンナーレのチケットで、コレクション展も入場できる。今日の一枚、小磯良平の「斉唱」もここにあった。
せっかく神戸に来たのだからというわけで、北野異人館街へも行った。「伝統的建造物」として明治時代からのエキゾチックな建物のいくつかが公開されている。
「シュウエケ邸」には収集された浮世絵、西洋画などが部屋や廊下の壁のいたるところにぎっしりと展示されていて面白い。
「山手八番館」には、ピカソも衝撃を受けたという東アフリカの「マコンデ彫刻」という奇異な彫刻が並んでいてびっくり。ちょっと薄気味悪かったりもするが、なんともすごい造形だった。
中央がドーム型の個性的な「うろこの家」は高台にあるので、窓から神戸の街並みが見える。
せっかく神戸に来たのだからというわけで、兵庫大仏も見てきた。100mもある巨大建築仏ではなく、座高11m、台座等含めて18mの普通の大仏である。戦時中に供出されてしまったので、平成3年に再建された2代目。1代目は8.5mだったが、2代目を作るときに、11.3mの鎌倉大仏より大きくしては申し訳ないということで11mにしたという、涙なくしては語れない(←そうでもないか)説明が書いてあった。
二日間で万歩計は47000歩になった。