goo blog サービス終了のお知らせ 

ざっきばやしはなあるき  

雑記林花或木 Since 2005-01-01 
美術とか映画とかなんとなくぶろぐ 

五百羅漢展

2011-05-08 22:30:18 | 美術[か]
「五百羅漢―増上寺秘蔵の仏画 幕末の絵師 狩野一信」@江戸東京博物館

 増上寺秘蔵の狩野一信の「五百羅漢図」全100 幅。2幅1対の形式になっていて、1対で頭光を背負った羅漢10人を描いている。合計500人、どうも1人足りないような気もするのだが、どうなんだろう。何より驚くのはその色合い。江戸末期に描かれたものだが、まるでつい先日描き終わったような鮮やかな色合いはスーパーデラックスである。出てくる羅漢は表情豊か、なかにはどう見ても極悪人にしか見えない悪そうな顔つきの羅漢も多数いる。ダース・シディアスそっくりな奴もしるし、外道を力づくで入信させようとする悪徳宗教法人みたいな奴もいる。羅漢ってだいじょうぶなのか?
コメント

あしかがフラワーパーク/栗田美術館/龍泉寺美術館

2011-04-30 23:01:58 | 美術[か]
あしかがフラワーパーク

 栃木県のフラワーパークに行ってきた。藤棚がきれいなあしかがフラワーパークの事は知ってはいたが、遠いから行けないつもりでいた。しかし地図を見ると、水戸からなら高速で100kmである。すぐ行けちゃうじゃん。とはいえ物凄く混雑するという噂もあり、富士芝桜まつりみたいに4時間渋滞に巻き込まれたりしたくなかったので、朝6時前に出発して7時半ごろ到着。

 ここは花の咲き具合で入園料が変わるというナマモノみたいなパークで、今日は1500円だった。さすがにまだ空いていたのだが、藤棚も空いていた。ちょっと早かったようだ。空いているのはそのせいか、とも思ったが、11時頃には来園のクルマが数珠つなぎになっていた。藤棚だけは残念な結果だったが、いろいろな花が咲き乱れて、まるで花園のようだった。←だってフラワーパークだもん!

あしかがフラワーパーク:ルピナス


あしかがフラワーパークから栗田美術館が見えてしまった



栗田美術館

 フラワーパーク以外に何も考えてなかったのだが、園内から栗田美術館の怪しげ建物が見えてしまった。あ、あそこに行ってみよう。陶器の美術館だというので、こじんまりした美術館だと勝手に思い込んでいた。着いてびっくり、やたら広いぞ。駐車場も広いけど空いていた。みんなここへは来ないでフラワーパークに行ってしまうのだ。

 広い敷地内にいくつもの展示館や食堂、売店、その他いろいろな風情のある建物が点在している。フラワーパークから見えたサティアンみたいな怪しげな建物は6階建ての「歴史館」だった。残念ながら震災の影響で3階から上は閉鎖中だった。それからいちばん高台にある「無名陶工祈念聖堂」も立ち入り禁止になっていた。数えきれないほど陶器があり、ゴージャスな燭台や背丈よりも高い大壺なども展示されていた。

栗田美術館:歴史館


栗田美術館:阿弥陀館



龍泉寺美術館

 栗田美術館から足利方面にクルマで10分くらいの距離に「龍泉寺美術館」がある。美術館は本殿の地下にあって100畳くらいの広さ。入館するには500円で一行写経を奉納する。どうやら若冲や日本画を隠し持っているとのことだったが、今は「坂本龍馬と幕末・維新展」というのをやっていて、龍馬の「千年傑二行書」などの書が展示してあった。

 足利厄除大師龍泉寺の本殿に小柄な十二神将がいる。江戸時代初期のものだが顔が大きくて四頭身ぐらい、アニメのキャラみたいでかわいい。

龍泉寺
コメント

笠間日動美術館

2011-03-06 21:52:09 | 美術[か]
笠間日動美術館

 水戸から国道50号線で30分程度で笠間に着く。ここに来たのも十数年ぶり。いろんな画家のパレットを展示してあったのが印象的だった。今も展示してあるが、展示数は少なくなってしまった。5階建ての日本館はなぜか3階以上は会議室になっている。いったい何があったのだろう。

 フランス館には外国の近代絵画を陳列。エルンストの《夢創りの達人》とジム・ダインの《ビーナス・テクニカラー》が好き。

 企画展示館では、昨年そごう美術館で見た「没後25年 鴨居玲展」をやっていて、再び《私の村の酔っぱらい》に出会う。この美術館には鴨居玲の所蔵作品が多い。

 企画展示館から谷を渡って行くと野外彫刻庭園だったり、フランス館の屋上は彫刻のあるテラスになっていたり、起伏に富んだ面白い作りの美術館である。


 


 美術館からクルマで5分くらいの所に鳳台院というお寺がある。ここにはデカイ達磨大師がいる。モシャモシャのヒゲとデメキンのようなギョロ目でこっちを睨んでいる。平成13年建立で、台座も入れて9m~11m程度(曖昧)の像だが、世界一の達磨だそうだ。もちろん頭の上には登れない・・・


コメント

クワイエット・アテンションズ@水戸芸術館

2011-02-20 21:04:28 | 美術[か]

クワイエット・アテンションズ 彼女からの出発@水戸芸術館


 水戸芸術館で5/8まで開催されている展覧会。新世代女性アーティストによる作品展。入場していきなり、小林史子が水戸市で集めた放置自転車52台を利用して組み立てたゴミのような自転車のインスタレーション。タチアナ・トゥルーヴェの鉛筆ドローイング、三田村光土里の暗くてよく見えない妖しげなインスタレーション、ツェ・スーメイの巨大な砂時計など、なんとなくかっこいいものから、なんとなくわけわからんものまで、1作家に一部屋を割り振って大盤振る舞い。ラウル・ベレンの作品はエントランスホールに、スーザン・フィリップスの作品は外の広場にあったりして。

 現代アートはよくわからない、そういう人はこれを見ればますますわからなくなるにちまいまいが、たまたまキュレーターズトークが聞けたので助かった。作品そのものより制作にまつわる裏話のほうが面白かったりすることもしばしばありうる。木村有紀と共同制作した荒川医だけ男性アーティストなのだが、それは木村さんが荒川さんと共同制作したいと申し入れてきて水戸芸術館でOKを出したからだそうで、でなけりゃ女性アーティスト展に最初からわざわざ男性を混ぜることもなかった。

 ラウル・ベレンの作品は譜面台を使ったインスタレーションだが、エントランスホールにあるので、音楽のコンサートで入場待ち行列ができたりすると、横っちょに片づけられてしまう。手間がかかるだけでなく、そのタイミングでは作品を見ることができないというデンジャラスな作品である。キュレーターさんはタチアナ・トゥルーヴェさんを「とぅるべさん」と呼ぶので、「しょうふくていさん」かと思ってしまい、気付かれないように喉の奥で笑った。

 水戸芸術館エントランスホールには大きなパイプオルガンが設置してあって、月に何度か土日に演奏が聴けるようだ。そして広場には高さ100mのアートタワーが建っている。エレベーターで展望台に昇ると、水戸市街から太平洋まで一望できる。
コメント

古賀春江の全貌

2010-11-23 19:35:08 | 美術[か]
「古賀春江の全貌」@神奈川県立近代美術館 葉山

 今日が最終日なので行ってきた。面倒なのでクルマで直行。ここは初めて行ったが、海沿いにあるので風光明媚、裏庭にちょこっとした散策路があり、いくつかの立体作品が設置してある、ちょっと小ぶりな美術館。これでようやく神奈川県立近代美術館の3館制覇。

 古賀春江の作品3つだけは、どこかで見る機会があったが、そのほかのものは全然見たことが無いか、見てもそれが古賀春江だと思わなかったか、その程度である。初期の頃の作品や、シュルレアリズム以前のいろいろな作風の作品が展示されていて、ひととおりの古賀春江を見ることができる。赤い帽子をかぶって紺の水着を着た違和感たっぷりのスイムガールなどの、元ネタにした雑誌の写真も展示してあった。その写真には違和感たっぷりの外人スイムガールがそっくりそのまま写っていた。




コメント

北原照久の超驚愕現代アート展

2010-10-11 23:51:30 | 美術[か]
北原照久の超驚愕現代アート展 驚く・あきれる・楽しめる!もうひとつの北原コレクション@森アーツセンターギャラリー

 ブリキのおもちゃコレクターの北原照久が蒐集したアート作品がいろいろと展示されている。

 山下信一のアクリルボックスに入った精巧な人形、逆柱いみりの不可思議感覚な怪獣画、山本高樹のノスタルジック昭和のジオラマなど、ちょっと遊び心をくすぐる品々が並んでいる。荒木博志の作品であるスピーカーからムーディな音楽が流れていて、その会場から去り難い雰囲気を醸し出していた。
 
 たまたま北原照久さんのトークショーがあり、出品作家の山下信一さん、松井えり菜さん、出口雄樹さんが来ていた。
コメント

没後25年 鴨居玲展

2010-08-22 00:25:56 | 美術[か]
「没後25年  鴨居玲 終わらない旅」@そごう美術館

 2か月前には鴨居羊子の前衛下着展を見たが、今度はその弟、鴨居玲の絵画展に行ってみた。鴨居玲の作品はほとんど知らなかったけど、鴨居玲好きな知り合いの日記で「観てはいけない絵」というお勧めもあって ←お勧めじゃなくて、見るなって言ってるようだが・・・

 《私の村の酔っぱらい》なんていう絵が8点もある。そのどれも赤くて黒くて100年風呂に入ってないような顔をしている。酔っぱらいのくせに歯が痛い奴もいる。酔っ払っているのか痛がっているのか、もはやわからない。

 《静止した刻》、《かるた》などは、サイコロやトランプが空中に浮かんでいる瞬間を描いた、とても面白い構図なのだが、サイコロやトランプで遊んでいる人々の表情が、なんともいえない奇妙な雰囲気を醸し出している。抜群の胡散臭さ。

 いろいろな作品に描かれている人物描写の異様さは、好きな人なら病みつきになるのかもしれないが、私は病の床につきそうだった。もし手に入れても部屋に飾りたくない絵がズラリと並んでいる展覧会だった。
コメント

借りぐらしのアリエッティ×種田陽平展

2010-07-29 12:21:27 | 美術[か]
「借りぐらしのアリエッティ×種田陽平展」@東京都現代美術館

 映画は見ちゃったので、忘れないうちに展覧会も見ておこうと、入ったら意外とすごい。映画に出てきた小人目線のスモールワールドができあがっていた。そのセットの中を小人気分で散策。でかいクリップや歯ブラシ、角砂糖、いろんなものが揃ってる。みんなアリエッティの家族が借りてきたものだ。「あんたらちょっと借り過ぎとちゃいまっか?」と言いたくなるほど多数の借りモノが散在しているセットの探検は子供でなくても楽しめる。やっぱ映画観てから行った方がデジャブル感じでいい鴨新米。

「こどものにわ」@東京都現代美術館

 同時開催の「こどものにわ」は精神年齢低いとはいえ、大人にはちょっと物足りない雰囲気がした。こどもは落書きしたり自転車漕いだりして楽しそうだったが。

「MOTコレクション 入り口はこちら・・・・・・なにがみえる?」

 収蔵品展には、なんと泉太郎のおバカ映像作品が大部屋いっぱいに展開されていて得した気分。パペットマペットみたいなかわいいクマ君が寝てる男の顔に色を塗っちゃう映像なんか、かわいくてくだらなくてついつい見入ってしまった。
コメント

"これも自分と認めざるをえない"展

2010-07-23 00:49:13 | 美術[か]
"これも自分と認めざるをえない"展 佐藤雅彦ディレクション@21_21 DESIGN SIGHT

 佐藤雅彦は『ピタゴラスイッチ』やNHKの『0655』、『2355』などを手掛けた表現研究者。注文の多い展覧会、と書いてある通り、入場すると、名前の入力を求められ、身長、体重などを測定する。なんだこれは、と思いながら展示スペースに進むと、なるほど、と思わせるような、ちょっと不思議な作品が展開されていて、測定した値が反映されたりする体験型展覧会。

「指紋の池」: 指紋認証すると、指紋が池を泳ぎだす。そして戻ってきちゃう。お茶目な作品。

「金魚が先か、自分が先か」: 洗面台のある部屋に、驚くべき不思議な光景が待っている。これは面白い。
コメント

カポディモンテ美術館展

2010-07-02 23:50:11 | 美術[か]
「カポディモンテ美術館展」@国立西洋美術館

 ナポリの丘の上に建つへんてこな名前の美術館の収蔵品80点が来ている。主にファルネーゼ家が収集したルネサンスやバロックの作品。なんだかんだ言っても宗教画が多かったが。

 パルミジャニーノ 《貴婦人の肖像(アンテア)》: ほっそりした綺麗な顔の割に、なぜか横幅が広がって見える。その肩からぶら下がっているのはテンの毛皮。歯をむき出した顔まで付いていて悪趣味な雰囲気もする。そういえばむかし、こういうひょろ長い毛皮マフラーがあったなぁ。首にまわして動物の口で洗濯ばさみみたいに尻尾を噛みこんで固定するやつ。今でもあるのかな?

 ジョルジョ・ヴァザーリ 《キリストの復活》: 左手に旗を持って振り返りながら右手でピースサインを掲げながら陽気に走るキリスト。その足の下では、渡り板をドタドタと踏まれて苦しがっている善良な市民が・・・みたいな絵。なんかひょうきんな雰囲気。

 絵画が多いが、彫刻もいくつか展示してある。これがけっこうツボに入ったので気に入ったベスト3を挙げておく。

 (1)イル・リッチョ 《軽業師を象ったランプ》: 軽業師というよりも変態こまわり君的な全裸のおっさんが膝を抱えて尻を出している。その尻が油の注ぎ口になっているので、まさに「尻に火が付く」タイプの馬鹿ランプ。これはすばらしく恥ずかしい。馬鹿らしさ100点。

 (2)イル・リッチョ 《スフィンクスを象ったランプ》: なんとなく頼りなさげな獅子の下半身をしたスフィンクスの顔はおじさん。おじさんの顔は四角い。そしてかわいげもない。これまた変な雰囲気ぷんぷん。変な生き物ベスト100に出てきそうな居心地の悪さ90点。

 (3)ジャンボローニャ 《ヘラクレスとエリュマントスのイノシシ》: たくましいヘラクレスが大きなイノシシをバックブリーカー。ブルーノ・サンマルチノを彷彿させるかっこよさ80点。



カポディモンテのついでに、ぐるっとパスで上野動物園も見てきた。「

眠りこける上野のおっさん

コメント

黄金町のアーティストたち展

2010-06-27 09:30:39 | 美術[か]
黄金町のアーティストたち展@横浜市民ギャラリーあざみ野

 「横浜wo発掘suru展」の第一回目として、黄金町バザールに出展しているアーティスト6組を紹介。そのアーティストトークがあったのでちょこっと行ってみた。

 ギャラリーあざみ野は初めて行った。黄金町の間口の狭い展示部屋と違い、背の高い展示空間なので、のびのびとしたでかい作品作りができたようだ。

 見たかったのは、福本歩さんのフクモ陶器。今回もいかがわしい瀬戸物屋のような囲いの中で、あやしげな役に立たないいんちき陶器を展示、新作もぞくぞくと登場して、見に来る人をたぶらかしている。

 新作の湯呑茶碗は、模様の代わりに側面をトンネルが貫いている。そこから茶碗の向こう側を覗いて「借景を眺めて楽しむ」といういかがわしさ。この人の発想はバカバカしくてすごい。
コメント

GINZA 画廊の夜会 2010

2010-05-29 00:36:22 | 美術[か]
GINZA 画廊の夜会 2010

 今年は男2人大集合!!!←どこがじゃ

 昨年は19画廊回ったが、今年は17画廊だった。

 いちばんハマったのは彩鳳堂画廊の『池田舞子 -猫だらけ-』

 猫をモチーフにした、ひょうきんな絵を展示。思わず噴き出すユーモア作品やパロディ作品、奈落に落ちそうなダジャレ作品など、いずれにしても猫だらけ。国芳が好きらしい。なるほどなぁって感じる作風。

 猫たちが集まってキティちゃんになっている《kittenちゃん》と、その猫たちがもういいや、ってキティちゃんをやめ始めている《kittenちゃん解散》という作品がすばらしく見事にバカバカしくて大笑い。

 池田さん本人は、にこやかで賑やかそうで、ひとを笑わせたがっている雰囲気がプンプンしている明るい人だった。

 意外なことに猫は1匹しか飼っていないのだそうだ。←じゅうぶんじゃろ
コメント

エミール・ガレの生きた時代

2010-05-05 23:59:06 | 美術[か]
「エミール・ガレの生きた時代」@目黒区美術館

 毒キノコみたいな形が印象的な、あぁるぬぅぼぅなランプ、ちょっと暗めのショーケースの中に並んで明かりを点けて展示されている。ますます毒々しい。ランプ、花瓶、カップ、ソーサーだけでなく、木製の机やテーブル、食器棚などの装飾家具も展示されている。でもいちばん気に入ったのは、ドーム兄弟の「雪景色文花器」。ひょろ長い花瓶に白い雪景色がきれいに彫られていた。
コメント

皇室の名宝展2期&異界の風景

2009-11-17 00:09:14 | 美術[か]
「皇室の名宝―日本美の華 2期:正倉院宝物と書・絵巻」 @東京国立博物館

 1期・2期セット券を買ってあったので行ってみた。若冲部屋みたいな萌え萌え作品がないので、空いているかと思ったら、普通に混雑していた。それでまた、毎度の事ながら、ちっこい品や、巻物などが最初の方に展示してあるので、幾重にも重なった後ろ頭でまことに見づらい。最初の方は大混雑、そのかわり、進むにつれて観客もバラけてくるので、後の方にある背の高い屏風などは比較的穏やかに見ることができた。

 何が書いてあるのかわけわからん書の中に、崇光天皇宸筆による「啄木調」というものがあった。琵琶の楽譜だそうで、何が書いてあるのかわからんのは同じだが、ちょっと記号的な風合いがあって、いかにも楽譜っぽくも見えて面白い。

 狩野常信筆「糸桜図屏風」がいちばん和んだ作品。御簾屏風といって、屏風の真ん中をくり抜いて、そこにすだれをはめ込んで桜の枝を描いている。桜はすだれを飛び越えて枠にも枝葉を伸ばしていた。

 とはいえ、なんか物足りない感じだったので、芸大にも行ってみた。


「異界の風景 東京藝大油学科の現在と美術資料」@東京藝術大学大学美術館

 「異界の風景」なんて美味しそうな文字を見るともう、魑魅魍魎妖怪変化が跳梁跋扈する異次元空間を思い描いてしまうが、まあ、そんなにマニアックな展示でもなかった。現職教員の作品と収蔵品から、おもに外界や心象にわたる風景をモチーフとする展示だそうだ。

 「アーティスト・ファイル2009」にも出ていた齋藤芽生の作品もあった。「花輪・習作」や「晒野団地」な作品、そして作家による解説文もあって、読んでるうちに異界に行きそうになった。

 ほかには、坂田哲也「Miss8の肖像」、絹谷幸ニ「うずもれしは砂の愛」なんかもよかった。そんな現職教員の作品に混じって、北斎、広重、高橋由一、浅井忠、藤島武二、佐伯祐三、長谷川潔、東山魁夷などの収蔵品も、さりげなく並んでいて、なにが異界なのかわからないが、それをいつでも最前列でゆったりのんびりと鑑賞できたので、思ったより楽しめたような気がすると感じたりなんかした雰囲気が醸し出されていた気分な状態をなんとなく持続しながら上野公園を歩いていると、動物園無料開放とか書いてあったので、ちょこっと入ってみたら大にぎわい。ベビーカー押してる人がやたら多かった。シロクマが大人気。そわそわしているプレーリードッグ君もかわいい。

 死んじゃったパンダの部屋にはパンダつながりでレッサーパンダがのそのそと歩きまわっていた。レッサーパンダのくせに贅沢なガラス張りの部屋である。野毛動物園の死んじゃったレッサーパンダは野ざらしだったのになぁ。
コメント

神戸ビエンナーレ

2009-10-28 23:36:47 | 美術[か]
「神戸ビエンナーレ2009」

 土日に、はじめての神戸に行ってきた。震災から15年、「文化創生都市宣言」として2007年にはじまり2回目の芸術祭が、港町神戸のウォーターフロント「メリケンパーク」で開催されいてる。

 出品者がひとつずつのコンテナに作品を展開するという独特な展示形態をとっている。コンテナの並ぶのはメリケンパーク会場だけなので、見て回るのは楽だが、雨でも降ったらちょっとめんどくさそうでもある。土曜日、観客は少なめだったが、それでもちょこっとした待ち行列ができたりするコンテナは数十分待ちになっていたりする。チケットは任意の2日間は出入り自由となっている。

 ここでいちばんよかったのは、コンテナ38番、本掘雄二氏の「BUTSU」。なんと段ボールでできた薬師三尊像。段ボールの隙間から後ろの光を受けた仏像は、段ボールとは思えない荘厳な姿を現す。


 もうひとつ、港ならではの展示方式が「神戸港・海上アート展」。メリケンパーク会場から兵庫県立美術館会場まで遊覧船「ファンタジー号」に乗って海を走る。その途中にいくつかの作品が設置されているという仕組み。だから悪天候の場合は運航中止になる。毎日5~6往復しているので、出向時刻に合わせてコンテナの見学をしたりするのだが、船で兵庫県立美術館会場に行ってしまったら、またチケットを買って船で戻るか、電車などで舞い戻ってこなくてはならない。

 船の中では、客を装って乗船しているダンサーが、突然踊りだすという、船上パフォーマンスがあったりして、妙な違和感を味わえる。ただし、遊覧船はあんまり大きくないので、乗船したとたんにゆらゆら揺れて船酔いしそうでヤバい。これのあることはわかっていたので、事前に酔い止めの薬を飲んで事なきを得た。

 兵庫県立美術館会場では「LINK-しなやかな逸脱」と称して12人のアーティストの作品が展示されている。榎忠の新作「LIBERTY- C2H2」という重量級の大砲が外に展示されていた。すごい迫力だが、なんか本当に発砲できるらしい。六本木クロッシングで見た金属都市「PRM- 1200」も室内に展示さてれいる。國府理(こくふおさむ)の頭がワーゲンなクジラ「ROBO Whale」もかっこいい。ビエンナーレのチケットで、コレクション展も入場できる。今日の一枚、小磯良平の「斉唱」もここにあった。


 せっかく神戸に来たのだからというわけで、北野異人館街へも行った。「伝統的建造物」として明治時代からのエキゾチックな建物のいくつかが公開されている。

 「シュウエケ邸」には収集された浮世絵、西洋画などが部屋や廊下の壁のいたるところにぎっしりと展示されていて面白い。

 「山手八番館」には、ピカソも衝撃を受けたという東アフリカの「マコンデ彫刻」という奇異な彫刻が並んでいてびっくり。ちょっと薄気味悪かったりもするが、なんともすごい造形だった。

 中央がドーム型の個性的な「うろこの家」は高台にあるので、窓から神戸の街並みが見える。


 せっかく神戸に来たのだからというわけで、兵庫大仏も見てきた。100mもある巨大建築仏ではなく、座高11m、台座等含めて18mの普通の大仏である。戦時中に供出されてしまったので、平成3年に再建された2代目。1代目は8.5mだったが、2代目を作るときに、11.3mの鎌倉大仏より大きくしては申し訳ないということで11mにしたという、涙なくしては語れない(←そうでもないか)説明が書いてあった。


 二日間で万歩計は47000歩になった。
コメント