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Longhornでのフォントの字体変更問題

2005年08月31日 22時12分09秒 | その他
[ITmediaニュース] 「Vista」新フォントは「国語政策的にも正しい」
これまで略字がマップされていたのを、Longhornでは、JIS方針に従って略字を正字に変更したフォントを採用すると発表されていました

発表当初は「ふーん、なんでそんな回りくどいことを」とか思ってたんですが、JISの中の人がそういう経緯に至った理由を説明したページを読んで、いろいろと複雑な事情があってこうなったんだということを知りました。

まぁこのページに書かれた言い分は理解できなくもないんですが、略字を「間違った字形」と言い切っているあたりがちょっとどうかなぁと思うところです。そりゃ話し言葉に比べれば書き言葉は時代時代で変化していきにくいのは確かですが、そこそこ広く使われてしまっている略字を「間違った字形」と言い切り今回の変更を「正しい字形に変更する」と呼ぶのもなぁというのが正直な感想です。というわけで、あえて変更しなくてもいいやんと素人ながら考えてます。

ただ、今更素人がぐだぐだ言っても仕方ないんで、このように変更するという方針に決まった以上は、どう変わってどう対処していかなければいけないのかあたりの周知徹底に全力を挙げてほしいものです。「メイリオ」ばかりが注目されてしまっていて、今回の字形変更の問題があまり知られていないような気がしてならないです。

追記: コメントにもいただいたとおり、「JISの中の人」と紹介されてた南堂久史氏、JIS委員ではなかったため、それを受けてITmediaの記事からは該当箇所がばっさり消されました。でも結局なんでVistaでは字形変更されたのかがうやむやにされた気がしないでもない。

2 コメント

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記事自体がマユツバ (安岡孝一)
2005-09-02 00:51:15
この記事、『JIS委員の南堂久史氏は、Webサイト「2004 JISをめぐる混乱」で、「従来のJISでは、略字が大幅に取り入れられ、日本の伝統的な文字遣いが犠牲になってしまっていた」などと、新JISで正字体を採用した経緯を説明。略字を使っていた一部機関などに犠牲が出ることを詫びつつも、正字体の必要性を訴えている。』なんて、JIS委員でもない人物をJIS委員に仕立て上げてしまってたあたり、非常にマユツバなんじゃないかと思います。

しかも、この南堂久史なる人物、JIS X 0213:2004の審議に参加していないばかりか、JIS X 0213:2004の委員会議事録http://www.jsa.or.jp/domestic/instac/committe/JCS/ すら読んでいないように思われます。このような人物が、どうしてJIS X 0213:2004に関して「当事者ヅラ」してITmediaにまで登場するのか、正直なところ理解に苦しみます。
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人名用漢字の影響 (安岡孝一)
2005-09-09 00:02:54
追記の方にもコメント。

Vistaでのフォントデザインの変更に関しては、Microsoftのニュースリリースhttp://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=2353 と『人名用漢字の文字符号に関する規格検討委員会報告』http://www.jsa.or.jp/domestic/instac/namaeKanji/jimmei-1.pdf を読み比べるのが、迂遠であっても正確な理解が得られると思います。要は、字体を変更しないと人名用漢字をサポートできないわけですから…。
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