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"ポケットU"は公衆送信権を侵害するか

2008年05月25日 03時58分19秒 | 著作権
[ケータイウォッチ] ドコモ、携帯で自宅PC内のコンテンツを見られる「ポケットU」
「ポケットU」という新サービス自体は、歓迎している人も多いのではないかと思われます。ただスラッシュドットの記事を眺めてて気づいたのですが、これって公衆送信権の侵害に当たらないかを要検討しないといけないです。このへんが詳しいです。

MYUTAまねきTV録画ネットの問題にあるように、テレビ番組や音楽ファイルをリモートで利用するために用意されたサービスは、いろいろとグレーゾーンがつきまといます。今回の"ポケットU"も、サービスの主体性を中心に、問題提起がなされそうです。

上記3つのサービスと比較し、根本的に違うのは自宅サーバを利用するという点です。地理的にも所有者的にも、これ以上「ユーザが主導でやる」と主張できる点はないでしょう。

逆に、リモートVPN接続するためのソフトやゲートウェイ機能、トランスコードすること、これらはドコモが主体で行うといって申し分ないでしょう。VPNソフトの提供やVPNのためのゲートウェイ提供は普通に考えれば白ですが、ケータイ向けにトランスコードすることはかなりグレーです。トランスコードをゲートウェイでやるとほぼ黒でしょう。自宅サーバでやらせるにしても、VPNソフトを提供している・提供しているサービスに乗せるためのトランスコード機能を提供している、というあたりでかなりグレー側に傾いてしまうかと思います。

というあたりから、「主体性はどこにあるのか」が焦点になるはずです。

将来的に「DVRのコンテンツもDLNAとVPNで見られるようにする」とも発表しています。DVRと自宅鯖の間はDLNA+DTCP-IPを使えば侵害しないと担保されるだけに、自宅じゃないところを通る場合はどうなのかあたりはかなり曖昧な世界です。これまではいわば弱小相手でしたが、今回は相手がドコモだけに、放送局やJASRACはどう出るのでしょうか。(相手がドコモだけに、ビジネスのことを考え何も言わない、とかなるとアレですね。)

・・・自分でやれば何も問題が起こらない。技術的な問題は何もないだけに、もめてるのがアホしいと思う今日この頃です。