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過去のDVDの廉価版差し止めが棄却

2006年10月10日 04時55分53秒 | 著作権
[SlashdotJ] 『シェーン』廉価版DVDの販売差し止め請求が棄却
もともと、「1953年問題」てのがありまして。これは、日本での著作権法改正にて、公表後50年が公表後70年になった、てな話です。で問題は、この改正の効力を発揮するのがいつからか、ということです。1953年公開の映画の著作権がきれるのは、2003年なのか2023年なのか、ってことです。

「2003年12月31日24時と2004年1月1日0時はくっついてるのだ、だから70年間有効だ」とかいうよくわからない主張で著作権延長を主張していた販売元の主張が棄却されたというわけです。

著作権がきれちゃったわけで、例えば「ローマの休日」などの映画が青空文庫のようになるということです。アメリカじゃ著作権法はビジネスと密接に関わっているだけに、日本ではどうとらえられてるんでしょうかねぇ。

1 コメント

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販売元の主張ではなく (るる)
2006-12-14 19:11:38
12月13日24時00分と1月1日0時00分がくっついている、というのは、単に販売元が主張していたと言うだけのことではなく、これまで、著作権の保護期間の延長が行われるたびになされてきた文化庁の見解です。
法律が国会で可決成立するためには、その法律の条文と整合性については、所轄官庁が起草したものを内閣法制局がチェックをして国会に上程することになっており、今回の判決は、従来「二つの時刻はくっついている」という、日本政府として踏襲してきた法解釈に、突如として地裁が異なる判断をした、ということです。
三権分立ですから、司法が行政と違う、独自の判断をすること自体はあり得ることですが、今回の判決は、「それならいままでの著作権の期間延長はどうなるのだ」という極めて厄介な問題を引き起こし、なおかつそこには明確な判断を行っていない(文理解釈と立法趣旨論では混乱の解消のために充分とは思えない)ため、著作権処理の現場にただ混乱をもたらすだけの結果となっております。
なお、ローマの休日は仮処分申請で、シェーンは裁判となっていて、ローマの休日の方は、仮処分申請が取り下げられたため、地裁決定は確定となり、少なくとも、ローマの休日の格安DVDは販売することができます。しかし、シェーンの方は高裁に上がっており、上級審で販売元勝訴の判決が出てしまえば、53年公開の映画のうち、ローマの休日だけ格安DVDをうってもよい、という極めてややこしい状態が発生することが考えられ、東京地裁の判断は、本来社会に安定をもたらすべき法解釈をいたずらに混乱させただけ、という批判も成り立つと思います。
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