碧き地平線の記憶

この小さき世界の中で

中国13億人の水の危機・・・

2010-03-05 21:45:03 | Weblog
今日の伊勢は、晴れ。暖かでした。
今日は、定休日でしたが、気になる事を、ひとつ・・・

今、過剰な開発や地球温暖化などで、国家の命運を左右するほどの水不足に陥っている中国。
中国の水源4万キロを探査し、水危機を訴える環境保護活動家の楊勇氏の活動から下記の実情が報告されているとの事です。

“世界の工場”として急速な経済発展を遂げている中国は、農産物や工業製品の生産で大量の水を使用している。深刻な水質汚染や地球温暖化の影響も相まって、国家の命運を左右するほどの水資源不足に陥っている。こうした中、探検家で環境保護活動家の楊勇さんは、
4か月をかけて中国内陸部を大規模に探査。水問題の現状を調査した。

現在の迂回計画は予算600億米ドルにもおよぶ巨大水利プロジェクトの始まりに過ぎない。このプロジェクトでは、3つの人工河川を開発して中国の南部から北部の乾燥地帯へと、水を運ぶ予定で実現すれば、中国最長の河川である長江やその支流から、毎年400億キロリットル以上の水が迂回されることになる。

 しかし、こうした動きは貴重な資源へのアクセスを失う側と手にする側との間に激しい論争を引き起こしかねないという指摘もある。実際に、この新しい運河の用地を確保するため、30万人の国民が移住させられる予定だという。また長江の上流から黄河の上流まで水を運ぶ運河の建設には、中国西部のチベット高原の端に沿って運河やトンネルを何本も掘る必要があるため、論争が国境を越えて広がる可能性もある。

 国連開発計画(UNDP)の依頼で今回の水路計画を調査した東京女学館大学のジェームス・ニッカム教授は、「3つの人口河川計画の中でも特にチベット近辺の運河建設は巨額の費用がかかり、技術的にも大変だろう。標高3000~5000メートルの青海チベット高原で工事を行う必要があるため、工学技術や気候の面で乗り越えるべき課題が多い」と語る。

 また、オレゴン州立大学教授の地理学者、アーロン・ウルフ氏は、「チベットに源流がある河の下流域のアジア諸国は、中国の水資源開発計画を警戒している」と言う。例えば、チベットのヤルツァンボ川はインドに入るとブラマプトラ川となり、チベットのランチャン川はミャンマー、タイ、ラオス、カンボジア、ヴェトナムを流れるメコン川に合流する。

 アメリカのマサチューセッツ州に本拠を置く環境団体「世界水政策プロジェクト(GWPP)」のサンドラ・ポステル氏は、水をめぐる問題がアジア全体に波及する可能性があると指摘する。「2015年までにアジア諸国の人口は世界人口の40%に相当する30億人に達する見込みだ。国民の食糧、産業、家庭での需要に対応するだけの十分な水を確保するのが難しくなるだろう。水不足の問題は、都市と農村の間、隣接する州や県同士、ときには国同士の争いにまで発展するかもしれない」と話している。・・・とのレポートが出ています。

そのチベット奥地の地下資源発掘で、鉱物を洗浄した後の、有害物質を含んだ排水を土に流しています。 それは地下水に混入します。   
その光景を見て70年代の日本の、水俣や各地の公害が重なりました。 その幾つもの発掘の中には、日本の企業も入っているそうです。
今、冗談ではなく、1ドル60円の声も出て来ています。 唯一、世界経済を引っ張っている中国の経済スピードを止めるわけにはいかないでしょう。 しかし、環境汚染を止めなければ、その経済は必ず崩れます・・・ 日本の環境技術、過去の経験を投入して、先進国が歩んで来た過ちを回避して、中国には穏やかな継続可能な環境経済を望みたいと思います。 隣の国の事ではありません。