エクアドルを舞台に人間の暗部と二面性を描いたサスペンス。海外の映画祭での評価も高い作品。
監督はセバスチャン・コルデロ。
出演は個性派俳優ジョン・レグイザモ。「トーク・トゥ・ハー」のレオノール・ワトリング。
不幸な交通事故から発展する冒頭のリンチシーンからいきなり衝撃を受けた。
確かに、その事故で息子を失った父親には同情する面はあるのだけど、そこからリンチへと発展していく過程は何とも恐ろしい物を感じる。確かに悲しい事故だけど、なぜそこまで人を痛めつけられるのだろう、なぜ誰も止めないのだろう、と観ながら僕はずっと思っていた。
これが人間が内に抱えもっている残虐さなのだろうか。映画の冒頭から、そんな重苦しい思いを抱かずにいられなかった。
リンチを受けた男は家族思いの優しい男である。多分、途中まではみんな彼に同情をするだろう。しかしそんな男が実は猟奇的な連続児童殺人鬼かもしれないのだ、と判明してくる。
外側から見える善良部分とは異なり、内部にはすさまじく醜いものが潜んでいるのかもしれないのだ。そのギャップが何とも言えず不気味だ。
主人公のテレビレポーターは、そんな男を相手に、たとえ相手が殺人鬼だったとしても、説得できるだろうと考えている。
しかし、彼はただのそこいらにいるテレビレポーターでしかなく、真実を完全にえぐりだせる天才ではないのだ。
結果的にレポーターは何もできないままで終わる。それだけではなく彼は真実に蓋をして、自身の保身のために行動をする。何とも苦々しい結末である。
この作品は基本的に人間の醜い部分を描いていると思う。そのため決して明るくは無い。しかし重厚で見応えがあるなかなかの良作である。人には勧められないが、こういう映画は個人的には好きだ。
評価:★★★★(満点は★★★★★)
監督はセバスチャン・コルデロ。
出演は個性派俳優ジョン・レグイザモ。「トーク・トゥ・ハー」のレオノール・ワトリング。
不幸な交通事故から発展する冒頭のリンチシーンからいきなり衝撃を受けた。
確かに、その事故で息子を失った父親には同情する面はあるのだけど、そこからリンチへと発展していく過程は何とも恐ろしい物を感じる。確かに悲しい事故だけど、なぜそこまで人を痛めつけられるのだろう、なぜ誰も止めないのだろう、と観ながら僕はずっと思っていた。
これが人間が内に抱えもっている残虐さなのだろうか。映画の冒頭から、そんな重苦しい思いを抱かずにいられなかった。
リンチを受けた男は家族思いの優しい男である。多分、途中まではみんな彼に同情をするだろう。しかしそんな男が実は猟奇的な連続児童殺人鬼かもしれないのだ、と判明してくる。
外側から見える善良部分とは異なり、内部にはすさまじく醜いものが潜んでいるのかもしれないのだ。そのギャップが何とも言えず不気味だ。
主人公のテレビレポーターは、そんな男を相手に、たとえ相手が殺人鬼だったとしても、説得できるだろうと考えている。
しかし、彼はただのそこいらにいるテレビレポーターでしかなく、真実を完全にえぐりだせる天才ではないのだ。
結果的にレポーターは何もできないままで終わる。それだけではなく彼は真実に蓋をして、自身の保身のために行動をする。何とも苦々しい結末である。
この作品は基本的に人間の醜い部分を描いていると思う。そのため決して明るくは無い。しかし重厚で見応えがあるなかなかの良作である。人には勧められないが、こういう映画は個人的には好きだ。
評価:★★★★(満点は★★★★★)