ただ生きるのではなく、よく生きる

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道楽と職業のちがい

2017-03-12 19:10:53 | 社会
「プロ根性、プロ意識をもて」と上司が部下を激励するときのプロも、子どもたちが
憧れるプロスポーツ選手のプロも、それぞれ「プロフェッショナリズム」と
「プロフェッショナル」を縮めた言葉です。この「プロ」とは、いったい何でしょうか。

プロフェッション(professionn)を辞書で引くと、筆頭に「職業」とあります。

職業については、明治の文豪・夏目漱石が「道楽と職業」と題した兵庫明石での
講演でこんなことを語っています。
「どんな職業であれ、ただ好きだからやるというのではだめだ。人のためにする
という公益性をもつべきものが、職業である」
と。好きでやっているあいだはただの道楽だけれども、そこに「他人のために」
という価値を見出した瞬間、道楽は職業に変わるというのです。さらに続けて
漱石は、「他人のため」がとりもなおさず「自分のため」になるといっています。
これこそが職業意識、プロ意識というものでしょう。

若い人たちは将来の職業を何をもって選択しているでしょうか。「好きだ」と
いうのならまだしも、近頃では「地位が安定しているから」とか「収入がいいから」
が上位の理由にあげられています。

「ここに入ってくる学生の9割は医師に向かない」
と嘆息まじりに私に語った言葉が、いつも思い出されます。

ひるがえって、子どもたちや若い人たちに、「これがプロだ」という見本をおとな
は示せているでしょうか。子どもたちが憧れ、めざしたくなるような姿をおとな
が示せないかぎり、この大学教授のため息はおさまることがないように
思うのです。

人のために自分を捧げる喜びを知っている人をプロといいます

─『続 生きかた上手』 日野原重明(聖路加国際病院理事長・同名誉院長)
  ユーリーグ株式会社

■八正道の「正業」が思いだされる・・・
「正しく仕事をする。現代社会は分業によって成り立っています。自分の仕事を
他の人、世の中への奉仕と考えれば、公害、貧富の差もなくなり、社会全体の
調和へと繋がります」

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