ただ生きるのではなく、よく生きる

自然の法則をとらえ、善(よ)く生きるために役に立つ情報を探して考えてみる

この世の小さいものに対する目が開く

2017-02-19 18:15:10 | 知恵の情報
この世の小さいものに対する目が開いて、それを愛するようになれば、現代のなやみ
である厭世主義には永遠に陥らないですむ。これに対して、高いものや高貴なもの、
あるいは外観的に目をみはらせるようなものを好む傾向が、たとえひそかではあっても、
人間の心にあるかぎり、─これは今日、教養ある階級でも、ほとんど例外なくそうなの
であるが、─そうであるかぎりは、「この世の君」(サタンのこと)はまだその権威を
失っていないのであり、したがって安定した幸福はのぞめるものではない。

ここに付言しておきたいが、小さいものは普通、これを相手にする気がありさえすれば、
外観的に目立つものなどにより、はるかに興味のある、愛すべきものなのだ。
たとえば、巣の中で観察されるアリや、勤勉なミツバチや、あるいはウソドリなどの
ほうが、ライオンとかワシとか、ましてクジラなどより、はるかに注目に値する興味
のある動物なのだ、。そして、小さいアルプスの花のほうが、華麗をきわめた
チューリップやあらゆるモダンな観葉植物よりか、はるかに美しいのだ。
これは、人間のばあいもそうである。この世の小さいものに注目せよ。それは
われわれの人生を、よりゆたかにし、より満ち足りたものにする。
                    (『眠られぬ夜のために』第一巻 十一月十七日)

─『希望と幸福 -ヒルティの言葉ー』秋山英夫訳編 社会思想社より

■人間はこの世に人類だけで生きているのではないことがわかることになる。
自然の中で生きる大切なことを考えさせてくれるだろう・・そう共存共栄を・・・