ストーリーというよりも、その構成、展開、
そしてストーリーテリングがとても上手く、
全体的にその試みは成功しているんじゃないかと思います。
人の不幸のみを予言する占い書「フォーチュン・ブック」。
偶然それを手にした男女7人の物語を短編で綴ります。
そしてそれらの物語は、“必然”という糸でキレイに
まとめられ、一つの壮大な“物語”へと形を変える…。
昔読んだ、赤川次郎の「POISON-毒-」という作品を
思い起こさせます。内容ではなく、その構造が。
「POIZON」は、摂取後24時間で人を死に至らしめ、
しかもその死体からは検出されないという夢のような猛毒(笑)が、
さまざまな人の手に渡っていく度に巻き起こる殺人事件を、
順を追って、連作短編の形式でまとめたものです。
本作において、共通するのは“フォーチュン・ブック”のみ。
時間も場所も、まったく違ったところで起こる
さまざまな事柄が、実は“フォーチュン・ブック”を介して
結び付けられるというある種の必然ですね。
ははあ、なるほど。などと思って感心しながら読んでたんですが、
終盤に近づくにつれ、あれよあれよという間に、
とんでもないことになっていくのです(笑)。
その、一見何も関係のないところにある関係に気付いたとき、
一瞬背筋が凍ります。まさに“マジック”だなあ、と。
ただ、中にはあの人はどうなったの?という人もちらほら(笑)。
短編だと考えれば、解決のない終わり方もありなんですが、
連作短編だしなあ、結局一つの大きな物語になるわけだしなあ、
と考えたときに、放り出されたままの人のことが気になったり。
ま、それは物語全体からすると、とても些細なことなのですけどね。
そしてストーリーテリングがとても上手く、
全体的にその試みは成功しているんじゃないかと思います。
人の不幸のみを予言する占い書「フォーチュン・ブック」。
偶然それを手にした男女7人の物語を短編で綴ります。
そしてそれらの物語は、“必然”という糸でキレイに
まとめられ、一つの壮大な“物語”へと形を変える…。
昔読んだ、赤川次郎の「POISON-毒-」という作品を
思い起こさせます。内容ではなく、その構造が。
「POIZON」は、摂取後24時間で人を死に至らしめ、
しかもその死体からは検出されないという夢のような猛毒(笑)が、
さまざまな人の手に渡っていく度に巻き起こる殺人事件を、
順を追って、連作短編の形式でまとめたものです。
本作において、共通するのは“フォーチュン・ブック”のみ。
時間も場所も、まったく違ったところで起こる
さまざまな事柄が、実は“フォーチュン・ブック”を介して
結び付けられるというある種の必然ですね。
ははあ、なるほど。などと思って感心しながら読んでたんですが、
終盤に近づくにつれ、あれよあれよという間に、
とんでもないことになっていくのです(笑)。
その、一見何も関係のないところにある関係に気付いたとき、
一瞬背筋が凍ります。まさに“マジック”だなあ、と。
ただ、中にはあの人はどうなったの?という人もちらほら(笑)。
短編だと考えれば、解決のない終わり方もありなんですが、
連作短編だしなあ、結局一つの大きな物語になるわけだしなあ、
と考えたときに、放り出されたままの人のことが気になったり。
ま、それは物語全体からすると、とても些細なことなのですけどね。
共犯マジック | |
北森鴻著 出版社 徳間書店 発売日 2001.07 価格 ¥ 1,680(¥ 1,600) ISBN 4198613826 bk1で詳しく見る |