紫微の乱読部屋 at blog

活字中毒患者の乱読っぷりを披露。主にミステリーを中心に紹介します。

『M列車(ミステリー・トレイン)で行こう 日本ベストミステリー選集32』日本推理作家協会編

2005年09月28日 | アンソロジー
オンライン書店ビーケーワン:M列車(ミステリー・トレイン)で行こうM列車(ミステリー・トレイン)で行こう 日本ベストミステリー選集32』日本推理作家協会編(光文社文庫)

ミステリー・トレイン、ということで、“旅と街”をテーマにしたアンソロジー。
「幽霊船が消えるまで」柄刀一、「マン島の蒸気鉄道」森博嗣、
「湯煙のごとき事件』山口雅也は読んだことのある作品でした。
「セヴンス・ヘヴン」北森鴻は、テッキとキュータのシリーズもので、
なんだかこれまでの北森さんとはちょっと違った雰囲気を感じました。
が、これも連作短編の中の一つだということで、親本を読んでみたいなあ。
「迷宮に死者は棲む」篠田真由美は、建築探偵の短編。今回は、桜井京介でも、
蒼でもなく、なーんと深春ちゃんが主役。尾道で出あう“迷宮”のお話は、
短編なのにしっかりと“建築探偵”していて面白かったですよ。

ちなみに、その他の収録作品は「悩み多き人生」逢坂剛、
「危険な乗客」折原一、「三たびの女」小杉健治、「逢いびき」篠田節子、
「愛の記憶」高橋克彦、「阿蘇幻死行」西村京太郎、「山魔」森村誠一。

『現場不在証明(アリバイ)』赤川次郎ほか

2005年08月01日 | アンソロジー
現場不在証明(アリバイ)』赤川次郎ほか(角川文庫)

1995年発行のアンソロジー。ちょっと古いですが、中身は面白いです。
当然のことながら、アリバイをモチーフにした作品がそろってます。

「二つの顔」赤川次郎、「ローカル線とシンデレラ」有栖川有栖のみ既読。
新たな発見は、これまで相性が悪いと思っていた今邑彩「黒白の反転」が
意外に面白かったことです(笑)。思った以上に本格だったんですもの。

『零時の犯罪予報 ミステリー傑作選46』日本推理作家協会編

2005年08月01日 | アンソロジー
オンライン書店ビーケーワン:零時の犯罪予報零時の犯罪予報 ミステリー傑作選46』日本推理作家協会編(講談社文庫)

文庫なのでタイムラグがあるのですが、それにしても、
やっぱり日本ミステリーの最先端の作品が掲載されているんだなあと思います。

「殺してもしなない」若竹七海、「根付け供養」北森鴻、
「桜の森の七分咲きの下」倉知淳は読んでましたが、何度読んでも楽しめる
ってのがいいじゃないですか(^-^)。中でもとくに面白かったのは、
「六時間後に君は死ぬ」高野和明、「都市伝説パズル」法月綸太郎。
法月綸太郎のシリーズは、大急ぎで読まなきゃ、と思いました。

『剣が“謎”を斬る 時代ミステリー傑作選』ミステリー文学資料館編

2005年07月05日 | アンソロジー
「幻の探偵雑誌」「甦る推理雑誌」に続くミステリー文学資料館の新しい
企画「名作で読む推理小説史」シリーズ第1回配本として登場したのが
本作。捕物帳ではない時代ミステリーのアンソロジー。ミステリーファン、
時代小説ファンのどっちも取り込める、よい企画だと思います(笑)。

収録されているのは山本周五郎や松本清張、池波正太郎、宮部みゆきと
いった錚々たる面々。個人的には、松本清張が時代モノを書いていたのを
知らなかったので、新鮮な気持ちで読みました。「いびき」という作品ですが、
オチが利いてて良かったです(笑)。初っぱなの「変身術」岡田鯱彦は、
思わず「バカミスなのかっ!?」と叫んでしまいましたが(^^;)。

「怪異投込寺」山田風太郎は、ものすごく好きな作品です。廓で死人が出る
数日前に必ず現れる鴉爺い、美貌と聡明さで男を魅惑する花魁・薫、そして
偶然かの地を訪れた大画人…。一見どれも関わりなさそうな人物たちが
織りなす物語。ぜひともこのシリーズを読みたいと思いました。

多岐川恭は『変人島風物誌』しか読んだことがないのですが、収録されていた
「雪の下 源実朝」は、ミステリーといえばミステリーだけれども、
なんだかとても文学ちっくで、キレイなお話でした。それがちょっと意外(笑)。

「前髪の惣三郎」司馬遼太郎は、私的にはとても意外なお話でした。
新選組血風録』の1編なのですが、あの幕末の志士たちの間で起こる
“嫉妬”に絡んだ出来事。まあ、考えてもみればありな話なのですが、
なんだかこういうところから出てくると、なんとも面食らいます(^^;)。
映画「御法度」は見てないのですが、これが原作だったのですねえ。
知らなかったのですが、納得です(笑)。実は『新選組血風録』は
積んであるので、そろそろ読んでもいいころだなあ、と(笑)。

宮部みゆきは、先日読んだ『幻色江戸ごよみ』収録の「だるま猫」でした。
短編集の中で読むのと、アンソロジーの中で読むのとでは、感じることも
違ってくるから不思議です。短編集の中で読んだときには取り立てて
感じることもなかったのですが(笑)、こうやってさまざまな作家の
作品と一緒に並べられると、宮部の魅力が際立つんですね。前回は
感じられなかった恐怖をくみ取ることが出来ました。

今回が第1回目の配本ということなのですが、新旧織り交ぜて紹介する、
ということなので、とても楽しみなのです(^-^)。


剣が“謎”を斬る 時代ミステリー傑作選』ミステリー文学資料館編(光文社文庫)

「子猫探偵ニックとノラ 「ジャーロ」傑作短編アンソロジー」

2005年04月21日 | アンソロジー
春先に読んだ作品なのですが、花粉症と猫アレルギーが相まって、
(猫が出てくる物語を読むだけで症状が出るわけはないんですが)
なんだか“苦しかった”という感想を持ってしまいました(笑)。

--父親の名前はサム・スペンサー。となれば、
その子どもたちの名前はニックとノラがふさわしい--

…その辺(↑)実はよく分かってないんですけど(^^;)。
猫好きにはたまらない1冊なんじゃないでしょうか。
どれを読んでも、どこを見ても猫だらけ(笑)。
帯には“猫ミステリー”とありましたが、どちらかというと、
本格は少なく、サスペンスやミステリーじゃないものもありました。
訳者のせいもあるんでしょうが、読みづらいものもちらほら…。

そんな中で、面白く読んだのは「フランケン・キャット」ダグ・アリン。
お金持ちの奥さんを持った獣医の夫は、妻の交友関係にはまったく
目をつぶった状態。積極的に関わるつもりはなく、獣医の仕事に
精を出していたのですが、ある日、雑用係に雇い入れた男が
妙なことを言いだし…というお話。男の哀愁漂うミステリーでした。

それともう一つ「賄賂」キャロリン・ウィートは、猫にメロメロな
人たちが面白い(笑)。もともと猫にメロメロな人たちは、これ以上ない、
というくらいメロメロに、それほどでもない人だって、読みながら
メロメロになっていく、メロメロなお話(笑)。これはミステリーでも
何でもない、ただの猫好きのためのお話だと思うんですけど(^^;)。


子猫探偵ニックとノラ 「ジャーロ」傑作短編アンソロジー」(光文社文庫)

「クリスマス12のミステリー」アシモフ他編

2005年03月14日 | アンソロジー
BOOK OFFで見つけた、初めての洋モノのアンソロジー。
アシモフが編者でしかも執筆者である、というところに
惹かれて手に取ったのですが、執筆陣を見てまた驚き。
実に豪華なこと! アシモフと、クイーンと、ホックとカーを
除いて、あとは全部初体験(笑)。おかげで堪能できました(^-^)。

ミステリーとして見た場合、いちばん面白かったのは、
「真珠の首飾り」ドロシー・L・セイヤーズと、
「フランス皇太子の人形」エラリー・クイーン。
クイーンって実はまだ「Xの悲劇」しか読んでなくて(^^;)、
当然、クイーン親子ものって初めてだったんですけど、
なんだ、法月の綸太郎モノと同じじゃん、って(笑)。
思った以上に軽くて、とても読みやすかったです。

キャラクターが魅力的で楽しめたのは、
「クリスマスの万引きはお早めに」ロバート・サマロット。
“やんちゃ”なおばさまが、とてもいい味を出してました。
それと「煙突からお静かに」ニック・オドノホウは2人の
若くてカッコイイ探偵コンビが素敵なんですよ。そして、
かれらにまとわりつく(笑)子供たちがいい。
「尖塔の怪」エドワード・D・ホックは、サム・ホーソーン
ものでしたが、訳者が変わるとがらりと雰囲気が変わりますね。

そして、なかでも、いちばん面白かったのは、
「目隠し鬼」ジョン・ディクスン・カー。ミステリーという
よりは、ホラーの色が濃いのですが(でもちゃんと本格です)、
きっと皆さんが言うカーの魅力って、これなんだろうな、と
実感した次第。うん。カーってすんごい面白いよ。
さらにもう一つ、「クリスマスの十三日」アイザック・アシモフは
これまた文句なしにいい。語り口から登場人物、落としどころまで、
ものすごくいいんだなあ(にっこり)。実は「黒後家蜘蛛の会1」
しか読んでないのですが(^^;)、こんな文章を書く人なら、
SFだって読めちゃう気がする(でも、気がするだけ(笑))。

苦手意識を持っている洋モノに対して、それを取り除いて
くれる、とても素敵な1冊でした。やっぱり、時期を合わせて
クリスマスに読んだ方が、さらに気分も盛り上がったでしょうね。


「クリスマス12のミステリー」アシモフ他編(新潮文庫)

【カバー裏より】
 ジングルベルのメロディーが流れ、樅の木の飾りつけが終わり、ケーキも用意して、あとはサンタの小父さんを待つばかり。でも、油断してはいけません。犯罪者は、クリスマスだからってお休みしたりはしないから……。ユーモア・ミステリーから本格密室殺人まで、聖誕祭にまつわる12編をDr.アシモフが精選。ミステリー・ファンのための、知的で素敵なクリスマス・プレゼント。

「紅い悪夢の夏」「透明な貴婦人の謎」本格ミステリ作家クラブ編

2005年02月24日 | アンソロジー
「本格ミステリ01」を文庫2冊に分けて収録。
親本の方は読んでないのですが、
でも、何作かは読んでいたものが混ざってます。
もうひと言言うと、評論は苦手なので読んでません(笑)。

好きな作品は、「エッシャー世界(ワールド)」柄刀一
(「紅い悪夢の夏」収録)。突然“異世界”へ
迷い込んでしまう宇佐見博士のお話。「アリア系銀河鉄道」よりも
先にこっちを読んだんですよね、実は。いきなり異世界なんかへ
行ってしまうような物語は基本的に苦手なはずなのですが(SF苦手だし)、
この物語だけは、とてもすんなり頭の中に入ってきます。
エッシャーといえば、あの“だまし絵”なのですが、
あれを文章にするのは大変だったと思います(笑)。
少々言い回しがくどい気がしたり、一部理解できないところも
ありましたが、そんなことはどうでもいい。というくらい、
やっぱり物語が魅力的なんですね。さすが柄刀さん(^-^)。

もう一つ挙げるなら「中国蝸牛の謎」法月綸太郎かなあ
(「透明な貴婦人の謎」収録)。綸太郎のシリーズで、
タイトルから想像できる通り、とある作品がモチーフになっている
本格です。でも、この作品は違うアンソロジーで読んでいたので、
インパクトに欠けたのが残念。でも、好きな作品には変わりません。

今回、初めて読んだのは三雲岳斗。思った以上に楽しめました。
柴田よしきの「正太郎と井戸端会議の冒険」は、猫の正太郎が
探偵役というシリーズで、違う作品を何かのアンソロジーで読みました。
今回2作目ということでしたが、とても気に入ってしまい、
本編を購入(にっこり)。はやみねかおるの「透明人間」
少年名探偵虹北恭助シリーズ)も楽しかったです。


「紅い悪夢の夏 本格短編ベスト・セレクション」
「透明な貴婦人の謎 本格短編ベスト・コレクション」
        本格ミステリ作家クラブ編(講談社文庫)

「蒐集家(コレクター) 異形コレクション」井上雅彦監修

2005年01月31日 | アンソロジー
昨年の年越し本。なぜ、ホラーを選んだのよ私(笑)。
しかも、初・異形コレクションでした。

アンソロジーというのは、お得感があっていいですね。
夢枕獏は陰陽師シリーズから、新耳袋の木原浩勝、
新しいカタチのコレクションと物語を同時に見せた浅暮三文、
久美沙織とか中島らもとか、あまりホラーとは縁のないような人まで、
それはそれは、いろんな作品が読めるわけです。
正月草々、堪能しました(笑)。正月早々言うことではない
かもしれませんが、でも、ちょっと物足りなかったりもします。
もっともっと怖くても平気(^-^)。
まあでも、この辺が小説の“怖さ”の限界かもしれませんね。
映画なんかのように、映像と音で驚かせることもできないし、
(驚かせることと怖がらせることは違うとも思うんですけどね)
ホラーはスプラッターじゃないから、グロくすればいい訳でもないし。
どなたか、ものすごく怖いホラーをご存知ですか?

いちばん面白かったのは、「参」浅暮三文。
珍しい漢字蒐集家の話を、珍しい漢字を使って表現してます。
一見、漢字の羅列にただ解説文がついているだけのようですが、
それがそのままストーリーになっていたりして。
しかも、漢字とその文章だけで、登場人物を書き分けている、
というところもすごい。確か3人いたと思うのです。

純粋にストーリーが面白かったのは「愛書家倶楽部」北原尚彦。
どことなくミステリーに近いホラー、という感じが好きです。


「蒐集家(コレクター) 異形コレクション」井上雅彦監修

「時代小説 読切御免第一・二巻」新潮社編

2004年12月06日 | アンソロジー
ミステリーではないのですが、北方謙三、宮部みゆき、逢坂剛
なども収録されていますので、軽くご紹介を。
第1巻には、「枝下」北方謙三、「謀りごと」宮部みゆき、
「一生不犯異聞」小松重男、「刈萱」安西篤子、
「決闘小栗坂」南原幹雄、「土場浄瑠璃の」皆川博子、
「夜叉鴉」船戸与一の7作。
第2巻には、「傷」北原亜以子、「伏見城恋歌」安部竜太郎、
「五輪くだき」逢坂剛、「峠の剣」佐江衆一、
「一夜の客」杉本苑子、「赤木の雁」伊藤桂一、
「死に番」津本陽の7作が収録されています。

時代モノとひと言でいっても、いろんな時代があるんですね。
奈良時代から幕末、明治初頭まで、さまざまな時代の、
ワンシーンを切り取った、とても切れ味の良い短編が
収録されておりました。
時代小説というと、なんだか長編ばかりで手が出しにくいと
思っていたのですが、こうやってアンソロジーになっていると、
とっかかりにはとても良いです。
しかも、どれも小難しくもなく(笑)、
とても楽しませていただきました。満足、満足(^-^)。


時代小説 第1巻(新潮文庫)
新潮社編出版社 新潮社発売日 2004.03価格  ¥ 500(¥ 476)ISBN  4101208352bk1で詳しく見る オンライン書店bk1

時代小説 第2巻(新潮文庫)
新潮社編出版社 新潮社発売日 2004.03価格  ¥ 500(¥ 476)ISBN  4101208360bk1で詳しく見る オンライン書店bk1

「殺人作法 ミステリー傑作選45」日本推理作家協会編

2004年10月22日 | アンソロジー
日本推理作家協会編のミステリー傑作選、いくつか読んでますが、
ここまで大当たりだったのは少ないかも。
いつも必ず私に合わないモノがあるんですが、今回は、
どれも、とても楽しく読みました。

収録作品を明記しておきますね。
「五年目の夜」福井晴敏、「卒業写真」真保裕一、
「中国蝸牛の謎」法月綸太郎、「風の誘い」北川歩実、
「オホーツク心中」辻真先、「ミンミン・パラダイス」三枝洋、
「錠前屋」高野文緒、「不良の樹」香納諒一、
「端午のとうふ-黄表紙掛取り帖」山本一力、
「赤い名刺」横山秀夫の10作品。

現在「亡国のイージス」福井晴敏を読んでいるのですが、
その前に福井さんの短編を読めて良かったと思ってます。
というのも、いつかは「亡国のイージス」を読もうと
思っていたのですが、なんだか小難しそうで躊躇してたんですよね。
でも「五年目の夜」を読んで、そんなイメージが変わりました。
確かに、諜報部のことや北のテロ、国際情勢など、私にとっては
少しイライラする程度に苦手な分野なのです(笑)。
しかしながら福井さんの作品は、そういった説明も難しくなく、
短い中にも起伏に富んだストーリーが展開され、
さらに、ちゃんと笑いどころもある。
私にとって、むちゃくちゃおいしい作品なのでした。
おかげで「亡国のイージス」も楽しんで読んでます。

収録作品中、唯一の本格が「中国蝸牛の謎」法月綸太郎。
ほかの作品ももちろん面白いのですが、そんな中で
本格モノに出会うと、実家に帰ったように安心します(笑)。
とても心を打たれたのが「不良の樹」。香納さんの作品は
読んだことがなかったのですが、こんな素敵なお話なら、
長編をぜひ読んでみたいと思いました。
時代モノあり、ファンタジーありとジャンルも多岐に渡って
お得度も高いです。ただ、1カ所とんでもない誤植を発見。
でも、ああやって堂々と書かれていると、もしや伏線?
とか思ってしまうのは、ミステリー読みの悲しい性でしょうね(笑)。

殺人作法(講談社文庫)
日本推理作家協会 編

出版社 講談社
発売日 2004.09.14
価格  ¥ 790(¥ 752)
ISBN  4062748657

bk1で詳しく見る オンライン書店bk1

「ミステリー傑作選・特別編5/6 自選ショート・ミステリー1/2」

2004年10月20日 | アンソロジー
なかなか本を読む時間がとれなかったり、長編を読む体力が
ないときなんかには、こういったアンソロジーなんかがいいです。
“自選”というところに惹かれたショート・ショート集です。
1冊に33人の作品が33作、計66人の66作品を読んだわけですが、
これが不思議なことに、長編を読む3分の2くらいのスピードで
読み終ってたりするので面白い(^-^)。

長編には長編の良さがありますが、
短編には長編にないリズムがあります。
ショート・ショートだと、よりそのリズムが強調されます。
だからテンポよく読めるんでしょうね。
ストーリーに飽きる前に終る。先の展開が気になる前に終る。
たまに、訳が分からないうちに終っていたりもしますが(笑)。
ショート・ショートは久しぶりだったので、
思う存分堪能しました(^-^)。

1冊目のいちばん最初が「会話」赤川次郎。
最近では好きな作家として名前を挙げることはなくなりましたし、
作品もほとんど読んでいないのですが、昔ハマった人です。
もう、体が赤川次郎を覚えてるんですよね(笑)。
赤川次郎は長編も面白いですが、短編、とくに
ショート・ショートが上手いんですよ。相変わらず
軽いですけど(笑)。だから返って安心して読める。
とても彼らしい落し方でした。
落し方がとっても“らしい”のは、近藤史恵だって同じです。
「不幸せをどうぞ」なんて、あんな短いのに、痛い(笑)。
あんなに短いのに、で言うなら、「コルシカの愛に」藤田宜永は
あの中できっちり愛を描くなんて素敵だと思いました。
依井さんの「奇跡」も深い愛を感じました。鳥肌立つくらい。
ミステリーでいうなら、「星の上の殺人」斉藤栄はメタで、
「足し算できない殺人事件」斉藤肇は倒叙モノ(だと思います)。
斉藤栄も肇も初めて読んだのですが、面白かったです。
「足し算できない殺人事件」はそのアホらしさに笑いました。
いろんな意味で笑ったのは、「前置き」夏樹静子。
2時間サスペンスのイメージと「Wの悲劇」しか印象にないのですが、
こんな作品も描くんですね。面白かったです。
単純に笑ったのは「ラッキーな記憶喪失」森奈津子。毒は薄めです(笑)。
あと、はやみねかおると、光原百合が読めて良かったな。
そうそう、学生アリスもありますよ(^-^)。

自選ショート・ミステリー
出版社 講談社発売日 2001.06価格  ¥ 680(¥ 648)ISBN  4062731878bk1で詳しく見る オンライン書店bk1


自選ショート・ミステリー
出版社 講談社発売日 2001.10価格  ¥ 680(¥ 648)ISBN  406273253Xbk1で詳しく見る オンライン書店bk1