「幻の探偵雑誌」「甦る推理雑誌」に続くミステリー文学資料館の新しい
企画「名作で読む推理小説史」シリーズ第1回配本として登場したのが
本作。捕物帳ではない時代ミステリーのアンソロジー。ミステリーファン、
時代小説ファンのどっちも取り込める、よい企画だと思います(笑)。
収録されているのは山本周五郎や松本清張、池波正太郎、宮部みゆきと
いった錚々たる面々。個人的には、松本清張が時代モノを書いていたのを
知らなかったので、新鮮な気持ちで読みました。「いびき」という作品ですが、
オチが利いてて良かったです(笑)。初っぱなの「変身術」岡田鯱彦は、
思わず「バカミスなのかっ!?」と叫んでしまいましたが(^^;)。
「怪異投込寺」山田風太郎は、ものすごく好きな作品です。廓で死人が出る
数日前に必ず現れる鴉爺い、美貌と聡明さで男を魅惑する花魁・薫、そして
偶然かの地を訪れた大画人…。一見どれも関わりなさそうな人物たちが
織りなす物語。ぜひともこのシリーズを読みたいと思いました。
多岐川恭は『変人島風物誌』しか読んだことがないのですが、収録されていた
「雪の下 源実朝」は、ミステリーといえばミステリーだけれども、
なんだかとても文学ちっくで、キレイなお話でした。それがちょっと意外(笑)。
「前髪の惣三郎」司馬遼太郎は、私的にはとても意外なお話でした。
『新選組血風録』の1編なのですが、あの幕末の志士たちの間で起こる
“嫉妬”に絡んだ出来事。まあ、考えてもみればありな話なのですが、
なんだかこういうところから出てくると、なんとも面食らいます(^^;)。
映画「御法度」は見てないのですが、これが原作だったのですねえ。
知らなかったのですが、納得です(笑)。実は『新選組血風録』は
積んであるので、そろそろ読んでもいいころだなあ、と(笑)。
宮部みゆきは、先日読んだ『幻色江戸ごよみ』収録の「だるま猫」でした。
短編集の中で読むのと、アンソロジーの中で読むのとでは、感じることも
違ってくるから不思議です。短編集の中で読んだときには取り立てて
感じることもなかったのですが(笑)、こうやってさまざまな作家の
作品と一緒に並べられると、宮部の魅力が際立つんですね。前回は
感じられなかった恐怖をくみ取ることが出来ました。
今回が第1回目の配本ということなのですが、新旧織り交ぜて紹介する、
ということなので、とても楽しみなのです(^-^)。
『剣が“謎”を斬る 時代ミステリー傑作選』ミステリー文学資料館編(光文社文庫)
企画「名作で読む推理小説史」シリーズ第1回配本として登場したのが
本作。捕物帳ではない時代ミステリーのアンソロジー。ミステリーファン、
時代小説ファンのどっちも取り込める、よい企画だと思います(笑)。
収録されているのは山本周五郎や松本清張、池波正太郎、宮部みゆきと
いった錚々たる面々。個人的には、松本清張が時代モノを書いていたのを
知らなかったので、新鮮な気持ちで読みました。「いびき」という作品ですが、
オチが利いてて良かったです(笑)。初っぱなの「変身術」岡田鯱彦は、
思わず「バカミスなのかっ!?」と叫んでしまいましたが(^^;)。
「怪異投込寺」山田風太郎は、ものすごく好きな作品です。廓で死人が出る
数日前に必ず現れる鴉爺い、美貌と聡明さで男を魅惑する花魁・薫、そして
偶然かの地を訪れた大画人…。一見どれも関わりなさそうな人物たちが
織りなす物語。ぜひともこのシリーズを読みたいと思いました。
多岐川恭は『変人島風物誌』しか読んだことがないのですが、収録されていた
「雪の下 源実朝」は、ミステリーといえばミステリーだけれども、
なんだかとても文学ちっくで、キレイなお話でした。それがちょっと意外(笑)。
「前髪の惣三郎」司馬遼太郎は、私的にはとても意外なお話でした。
『新選組血風録』の1編なのですが、あの幕末の志士たちの間で起こる
“嫉妬”に絡んだ出来事。まあ、考えてもみればありな話なのですが、
なんだかこういうところから出てくると、なんとも面食らいます(^^;)。
映画「御法度」は見てないのですが、これが原作だったのですねえ。
知らなかったのですが、納得です(笑)。実は『新選組血風録』は
積んであるので、そろそろ読んでもいいころだなあ、と(笑)。
宮部みゆきは、先日読んだ『幻色江戸ごよみ』収録の「だるま猫」でした。
短編集の中で読むのと、アンソロジーの中で読むのとでは、感じることも
違ってくるから不思議です。短編集の中で読んだときには取り立てて
感じることもなかったのですが(笑)、こうやってさまざまな作家の
作品と一緒に並べられると、宮部の魅力が際立つんですね。前回は
感じられなかった恐怖をくみ取ることが出来ました。
今回が第1回目の配本ということなのですが、新旧織り交ぜて紹介する、
ということなので、とても楽しみなのです(^-^)。
『剣が“謎”を斬る 時代ミステリー傑作選』ミステリー文学資料館編(光文社文庫)